30.後宮からの挑戦状!?その弐
「奥様、今日は雨なので、風景に映えるように髪飾りはこちらの色に致しますが」
「よろしくってよ」
余裕たっぷりに微笑んで、使用人のする身支度をさも当たり前かのような態度で受け流す。
華服も今日の為に仕立てたもので、布地や帯の紐など結婚式の時程ではないが、高価な物が使われているのが分かる。
薄い青の布には銀糸で繊細な花の刺繍が成されている。形もいつもの服とは違い、長い裾は丸まっている珍しいものだ。
髪の毛は華族の一員であることを示す三つ編みにして、くるりと巻いて後頭部で留める。使用人の用意した紫宝石の髪飾りが挿されて本日の装いは完成だ。
華族の女性が公の場に出る時は竹を編んで作った笠という、中心が盛り上がった円形の頭に被るものを着用する。笠の縁には薄い布が縫い付けられており、外からは顔が見えないような構造となっている。
準備が終わった私を義母は目を細めながら眺めていた。その厳しい視線に緊張が走ったが、今日の私は皆の協力のお陰で完璧な貴婦人だ。なので、自信を持ってその目を見返した。
「お義母様、行って来ますわ」
「粗相の無いようにね」
「ええ、分かっておりますとも」
喋り方、振舞い、装い、今日の私には一切の隙が無い。義母も不満な点は無い様で、いつものお小言も頂かなかった。
そして、義母や使用人に見送られながら、御者の手を借りて馬車の中へ乗り込んで後宮に向かう。
◇◇◇
後宮の前では大勢の女官に出迎えられた。あまりの人数に圧倒されたが、態度には出さずに、堂々とした佇まいで状況を受け入れる。
「どうぞこちらに」
導かれた先は行き止まりだった。ザン家から連れて来た使用人は後宮の入り口で待つように言われていたので、頼れる人物が居ないので不安な状態となる。女官が何も無い所の壁を叩くと、すっと板が動いて部屋が現れた。隠し扉というものだろうか。
ライエンバルド家の屋敷にもあるという話を聞いていたが、当主を押し付けられた父は、隠し部屋がどこにあるのか知らなかった。新婚時代は母と二人で隠し扉を探すという途方も無い行為をしていたことを明かしたが、発見には至らなかったらしい。
そんな両親の仕様も無い思い出話がふっと浮かんできて、脱力してしまった。でも、そのお陰で緊張も解れたみたいだ。
「申し訳ありませんが、こちらをお召しになって頂きます」
「?」
女官が持っているのは私を取り囲む彼女らが着ているものと同じ服装だ。一体どういうことなのか。
「ここは、関係者以外入れない決まりとなっているのです。本来なら、奥様のような方を呼ぶことは不可能なのですが、今回は王妃様が強く希望をされたのと、とある方の協力により今日という日が実現致しました」
「……分かりましたわ。着替えましょう」
「ご理解頂き、ありがたく存じます」
女官の話で今回のお茶会の謎が全て解明された。
恐らくだが、このような事態を引き起こした原因や動機を作ったのはファン・シーンだと予想をする。多分彼は後宮に出入りの出来る役職に就いていて、面白おかしく王妃様に私の話をしたのかもしれない。
大人しく女官服を身に着けた私は更に奥の部屋へと案内される。
後宮の中は絡繰り仕掛けとなっており、床が沈んだり、何も無い所から扉が現れたりと、迷宮のような造りとなっていた。
外部からの侵入者を許さなかった三代前の御上が作るのを命じたものだという。
十分ほど歩いた先はまたしても行き止まり。その壁を女官は三回叩くと、花模様のある板と板の間がぱっくりと開いて内側から華やかな壁色の一室が現れた。
女官に導かれて先へ進むと、そこには大きな机があり、十人ほどの女性が私を待ち構えていた。
王妃様は歓迎の言葉を掛けて下さり、席に座るように勧めてくれていたが、その寵姫達を見て言葉を失ってしまう。
ーー彼女らはどうみても十歳以下の幼女達だ。
王妃様も十八にして幼い外見をしているが、一応一人前の女性に見える。だが、その周囲に座る者達はどう見ても未発達の子供だ。
「あ、あの」
必死に塗り固めていた貴婦人の仮面は、この異様な光景を見た事により一気に剥がれ落ちてしまった。
「――? ああ、紹介が遅れたわね。この子達は御上の寵姫達よ。左奥から、ポル・テ、エー・リン、シャ・リン……」
一瞬この幼い子らは国王の子供であってくれと願ったが、残念なことに寵姫で間違い無いらしい。
「あと服装も女官服を強制的に着せてしまった事も申し訳なかったわ。私は大丈夫って言っていたのだけれど、女官長が決まりごとにうるさくって」
「い、いえ」
フォン・シーンの言う通り、王妃様はとても感じの良い、朗らかな人のように思える。だが、思いもしなかった寵姫を前に、動揺を隠せずにいた。
「今日は貴女とお話をした……」
「お姫様来た!?」
突然王妃様の背後の扉が勢い良く開かれた。
部屋の中へ入ってきたのは四~六歳位の女の子だ。面差しが王妃様にそっくりなので、お子様だろうか?
「まあ、ロン・シェル! はしたない子!」
「だってお姫様が来るのを待っていたんだもの!! ――あ、居たッ!!」
「!?」
お姫様らしき幼女は私の前まで駆けて来て、じっと顔を見上げてきた。興味津々に覗くその顔に、私は引き攣り笑いを浮かべる。
「わあ、母上様!! 本物の【下働きのお姫さま】だ!!」
「え、ええ、そうね」
二人の会話を耳にして尚、頭の上は疑問符でいっぱいだった。話が全く見えない。
「ねえ、お姫様はお名前なんて言うの? 私はディ=ロン・シェル、六歳!」
やはり、この子はお姫様だったようだ。しかしながら、彼女の呼ぶお姫様とは私のことなのだろうか。服の袖を引きながら、早く自己紹介しろと急かされたので、貴婦人の振る舞いなどどこかに吹っ飛んでしまった素の状態で名乗る。
「ザン=リェン・ファ、です」
「ザン? あ、シン・ユーのお嫁様だ!」
「シンユウを、知っているの?」
「うん! たまにね、お話するの。それにね、私が風邪を引いた時はミミちゃんのお世話をお願いするのよ?」
「ミ、ミミちゃん?」
「金公鼠のミミちゃん。シン・ユーにとっても懐いているのよ。シン・ユーはミミちゃんのことあまり好きではないみたいだけど。逆にね、ファン・シーンはお世話したがるんだけど、ミミちゃんは嫌いみたいで、いつも齧りつくの」
「……」
お姫様のお願いを聞いて嫌々ながら小動物の世話をするシン・ユーと、噛み付かれても平然とするファン・シーンを想像し、思わず笑ってしまった。それにつられてロン・シェル姫も微笑む。
「ロン・シェル、リェン・ファさんを独り占めしないでちょうだい。さあ、リェン・ファさんも腰掛けて」
「分かったー!」
「は、はい」
もはや普段の姿に戻ってしまった私は女官に引かれた椅子に座って、今更ではあるが王妃様にお招き頂けたことに対して礼を言った。
「いえいえ、こちらこそ突然訳の分からない話ばかりしてごめんなさいね。この子の言っていた【下働きお姫様】はこの本のことなの」
王妃様は女官に手渡された一冊の本をこちらへ示してくれた。表紙には女官服を纏った金髪碧眼の仕着せを纏った女性が描かれている。
なんでもこの本は大華輪国で流行っている少女向けの本で、現在十六巻まで出ている長編恋愛小説だという。
今、後宮ではこの本が大流行しており、その女性に姿が似ている私の話をファン・シーンがロン・シェル姫にしてしまった事が、このお茶会が開かれる発端だったとか。
私に似ているという絵を見たが、描かれている女性は大人っぽく美人で、ちんちくりんな私には似ても似つかない。共通点といえば、髪と目の色位だ。
「リェン・ファ!! お話、聞かせて!!」
「え?」
「お姫様なんでしょう!?」
「?」
キラキラと目を輝かせながらロン・シェル姫は私に話しかける。彼女が私を姫と呼ぶのはどういうことなのか。王妃様に視線で問いかければ、扇でロン・シェル姫に見えないように片手を挙げて、謝るような仕草をしている。夢を壊すなということなのか。
よくよく周囲を見てみれば、寵姫の子達も私に何かを期待するかのような目を向けていた。
ロン・シェル姫も寵姫達も、夢中になって呼んでいる物語の主人公と私を重ね合わせているという訳か。
「この物語はね、異国から嫁いできた姫君が、後宮で冷遇されて下働きを押し付けられてしまうという物語なのよ」
「それでね、そのお姫様が後宮の武官と禁断の恋に落ちるの!! シン・ユーも武官でしょ!? リェン・ファと同じよね、素敵~~!!」
「……」
「ねえ、貴女達も何かお話したいでしょう? エー・リン、今日のお茶会を一番楽しみにしていたわよね?」
「あ、はい」
王妃様は寵姫にも声を掛けて、会話を盛り上げようとする。シン・ユーとの恋の話を聞かれるのではと思い、額には汗が浮かんでいた。
「あ、あの、リェン・ファ様、異国の夜会のお話を聞きたいです」
「……あ、はい。夜会ね」
なんだ、夜会か、良かった!! ……じゃなくて!!
私は社交界に出た事がない。招待状は届いていただろうが、父も私もそんな身支度にお金の掛かる会合に出る余裕など無かったので、気にも留めたことが無かったのだ。
逃れられない危機に陥るも、急に記憶の底に沈んでいたものが浮上してくる。そういえば、夜会には出た事は無かったが、夜会会場になら何度も行ったことがあったのだ。
うちの店は布関係に対応する何でも屋だったので、夜会会場まで行って、飾りの取れたドレスの補修などを行っていたのだ。なので、夜会の雰囲気は知っている。
皆の期待に満ちた視線を受けながら、私は語り始める。
「――私の祖国、ハイデアデルンでは、王族の住む宮殿に招かれる夜会が年に二度あります」
会場は華やかで、見た事もないようなクリスタルを用いたシャンデリアが天井に吊り上げられながら輝き、その光を受けて着飾った令嬢達は美しく煌く。
その特別な夜会には選ばれた者達だけが招待され、参加すること自体が名誉とされていた。
他に年に数回、様々な場所で開催される舞踏会と呼ばれるものは、貴族の令嬢と子息のお見合いの場となっており、一番初めは会場に居る一番身分の高い男女が踊る事が決められている。
「夜会に着ていく正装は季節ごとに作ります。同じ品は二度と着て出歩かないのです」
「まあ!」
「異国の正装はどんなものなの? ドレスというものなのよね?」
今まで大人しくしていた少女達が身を乗り出して聞いてくる。
ドレスの話ならお手の物だ。なんせ私はお針子だったのだから。
「ドレスの筒状の衣服は、ここの品とは違ってふんわりと広がった形になっています」
ドレスの説明にロン・シェル姫も寵姫達も目を丸くする。木を編んで作った卵型に似せて作った籠のようなものをスカートの下に着用して、量感を出すのだと言えば更に驚いた表情を見せていた。
「ドレスの裾には花模様のレースを縫いつけ、シャンデリアの光を受けて輝くように、小さな宝石の粒も沢山縫い付けてありました。布地の刺繍は職人が一針一針時間を掛けて縫ったもので、同じものは二つと世界には存在しません。それから……」
私の話を小さなお姫様たちは楽しそうに聞いてくれた。それから一時間半ほど話をして、お茶会は解散となる。
最初は鬱々とした雰囲気だった寵姫達も笑顔で帰ってくれた。自分の一心不乱にしていた仕事の話を楽しそうに聞いてくれるなんて、とても嬉しいことだ。お針子をしていて本当に良かったと感じることが出来た。
続けて私もお暇しようと思っていたが、王妃様に呼び止められてしまった。
二人きりとなった部屋で、第二回のお茶会が開かれる。
「ごめんなさいね」
「え!?」
「いえ、色々と」
なんというか、王妃様は本当に腰が低い御方だ。義母の方が遥かに偉そうで態度もデカい。
「寵姫を見て、びっくりしたでしょう?」
「……」
各地方から集められた幼い寵姫は、御上の好む娘達を集めた結果だという。
「私もね、十の時に嫁いで来て、辛い毎日を過ごしていたの」
確か国王は五十を過ぎていたと聞いたことがあった。そのような人物が幼い少女を好んで娶るなんぞ、狂気に満ち溢れている。勿論口が裂けても言えないことだが。
「この国の王妃なんてあってないような存在で、私は嫁いで来てからの八年間、一度も外に出ることを許されなかったわ」
王妃様の悲惨な扱いに、私はどう言葉を掛けて良いものか分からなかった。
「でも、そんな中でね、ファン・シーンがこっそり来て、持って来てくれる本や外の世界の話を聞くのがなによりも楽しみだったの」
王妃だからと言って後宮の中が贅沢な暮らしをしている訳でないと語る。
それにしてもファン・シーンがこのような行為をしていたとは意外だった。後宮という場所は、関係の無い男性は入れないようになっており、見つかれば打ち首と決まっているのに、どうしてこのような事をしていたのか。少しだけ気になってしまった。
他にも臣下に国王の好むような娘が居ると分かれば、差し出すように命じることもあるという。勿論逆らえば処刑される。
娘を差し出す代わりに一億金という大金が支払われることもあり、没落寸前の者などは自ら娘を献上することもあるという現状だと語る。
そんな勝手なことを繰り返すので、国の財政は日に日に圧迫されていると王妃様は悲しい表情で話していた。
「――私もあの子達を守れたら良いのだけれど、御上に逆らえば殺されてしまうのよ。だから、ファン・シーンがしてくれたみたいに、普段の生活の中で楽しませる事が出来たらって思っていたのだけれどね、ちょっと最近はネタ切れで苦しくって。だから、貴女を呼んだの」
王妃様は私の手を握って礼を言ってくれた。久々に寵姫達の笑顔を見る事が出来た、と。
「私も、凄く楽しかったわ。素敵な話を本当にありがとう」
「い、いえ」
「娘が勝手にお姫様にしてごめんなさいね」
「大丈夫です。上手く話せたので」
それから王妃様と少しだけ話をして、もうすぐお昼の時間になりそうだったので、今度こそお暇することにした。
「では、私は」
最後にお別れの言葉を言いかけた時、部屋の扉が乱暴に開かれた。
「――!?」
「!!」
「なんだ? お前しか居らんのか」
入って来たのは大柄な中年の男性だ。このように堂々とした佇まいでここに居るということは、この人物が国王であることを意味している。
「御上、このような時間に何故!?」
「後宮でする事と言えば一つしかないだろうが」
「!!」
「いや、お前に用はない。……ん? 何故、妃と女官が同じ席に座っているのだ?」
このまま帰ってくれと心の中で願っていたが、それも叶わなかった。国王に見つかってしまった私は成す術もなく、静かに目を伏せて時間が過ぎるのを待っていた。
「この者はザン=シン・ユーの奥方です。行儀見習いで短期の女官見習いをしておりました。今日が最終日で、良い働きをしたので私が茶会に誘ったのですわ」
王妃様が嘘を吐いてまで庇ってくれた。なのに、体の震えが止まらない。国王から向けられた視線は針のようだった。視線が交わっている訳では無いのに、何故かそう思ってしまう。
「あの、結婚話を蹴りまくっていたザン家の若造が、このような気色悪い髪と目のちんけな娘を選ぶとは、案外あの男も見る目がないな」
「!?」
体の体温が一気に奪われる感覚に襲われる。まさか、異国生まれの私を娶ったせいでシン・ユーまで悪く言われるとは思いもしなかったからだ。
体が見ていて分かる程に激しく震え、歯と歯が噛み合わなくなってしまう。
私は今まで直接的な悪意に晒されたことが無かった。両親に甘やかされて育ち、外からの悪い感情から守っていてくれていたのだろう。今まで経験したことのない悪寒に、体が悲鳴をあげる。
「――それとも、シン・ユーを誑かす何か凄いものを持っているのか?」
「御上!!」
「お前は黙っていろ!!」
国王が王妃様に手を振り上げる。
私はこの場から動く事が出来ずに、目をぎゅっと閉じてしまった。
ところが、聞こえてくると思っていた人を打つ音は響かない。
「――?」
「御上、ウェイ・ウー占術師がいらしておりますよ」
一体なにが起こったのだと、閉じていた瞼を恐る恐る開けば、そこには国王の振り上げていた手を掴んだファン・シーンの姿があった。
「フゥァン・シィァン!? 何故お前がここに居る!!」
「だーかーらー、ウェイ・ウー様が来ているって言ったでしょう」
「我の行動を制するのは誰であっても許さないことだ!!」
「だって女官ちゃん達が御上に話しかけることは出来ないって言うからさあ。あ、そうそう、ウェイ・ウー様がね、【あの話】が上手く言ったとか言っていて、御上に是非報告したいと」
「なんだと!? それを早く言わないか!!」
ファン・シーンの言葉を聞いた国王は不機嫌な表情を喜びの色に変えて、握られていた手を乱暴に振りほどいて早足で部屋から出て行く。
「ごゆっくり~」
手を振りながら国王を見送るファン・シーンを見て、私は安堵の息を深く吐いた。
◇◇◇
「やー、間に合わなくってごめんね」
「……」
「……」
王妃様は申し訳なさそうな表情で私を見ていた。気にしないで下さいと言いたかったが、まだ気持ちの整理がついていなくて、声を出す事さえ出来なかった。
「リェン・ファちゃん、シン・ユー呼んでくるからさ」
「い、いい。一人で」
「大丈夫、シン・ユーもちょっと具合悪そうにしていたから、ついでだよ」
「……」
少しだけ待機を命じられ、女官服から着替えた後、導かれるがままに後宮の出口まで行けば、シン・ユーが迎えに来てくれていた。
私はその顔を直視することが出来なくて、無言で先を歩き始めたシン・ユーの後をトボトボとついて行く。
馬車の中でも、顔を見られたくなかったので、距離を置いて隣に座った。
重たい沈黙が馬車の中を漂う。
私はそんな空気が我慢出来なくなって、ポロリと謝罪の言葉を呟いた。
「シンユウ、ごめんなさい。失敗、しちゃった、よ」
声が震えて最後まで上手く言えなかった。それすらも歯がゆく思い、手の平をぎゅっと握り締めて不甲斐ない自分を心の中で罵倒する。
「……リェン・ファ、お前はどこに出しても恥ずかしくない妻だ。だから今日のことは気にするな。そういう日もある」
シン・ユーの言葉に小さく首を振って、とんでもないことだとその言動を否定する。
馬車から見える窓からの風景は、土砂降りだ。
それは、まるで私の心情を映し出しているかのような光景だった。




