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校門をでて国松駅へと向かう。雪沢の家は山水学園とはすこし離れており、電車通学をしていた。山水学園から駅まではおよそ5分、国松駅は駅の前から学園通りと呼ばれる、車道、自転車道、歩道が分離されてる大通りがまっすぐ伸びているのが特徴だった。雪沢は歩道をあるきながら、なんとなしに脇に置かれている立て看板広告をながめつつ駅までの道を歩いていく。ふと一つの看板に目が止まった。
『古書、専門書買い取ります。三須賀書房』
雪沢はいつもこの道を歩いていたのに、これまでこの看板には気がつかなかった。もしかすると新しくできた店かもしれない。看板にある地図によれば、ここから学園通りを横に入って2、3分のところにあるらしい。ひとまずどんな店かを確かめようと行ってみることにした。
住宅街の中にその古本屋はあった。ふつうの住宅を改造したのだろうか、外見はまわりの住宅とそれほど変わらない。しかし玄関の脇や庭、ガレージに本棚がところせましと並んでいるおかげで、全体として受ける印象はかなり特異なものになっている。だが雪沢はその組み合わせに心惹かれた。彼が探している『魔術書』があるならば、きっとこんな本屋に違いない。根拠はまったくないが雪沢はそう思った。
入り口をあけて中にはいるとすぐ右手にレジがあり、中で初老の男性がなにか本を読んでいた。雪沢が入っていっても特に気にしていないようだ。あまり商売熱心ではないのかもしれないが、とりあえず見ることが目的の雪沢にとってはそのほうが気が楽だった。
店内は外から見た印象より広いようだった。店内は四つの本棚によって5つの通路にわけられていた。本棚は天井にまで届くほどの高さでかなり圧迫感がある。雪沢は端の本棚からどんな本があるのかを調べていくことにした。
3つ目の本棚に目的の分野の本があった。占い関係の本にならんで「魔術」「魔法」といった単語がタイトルに使われた本が並んでいた。そのうちの何冊かはすでに持っているものだった。残りの本でなにかおもしろそうなものがないかを探していく。だが大半の本は以前に見たり聞いたりしたことがあるものばかりだった。
(まあそう簡単に本当の魔術書なんて見つかるもんでもないしね)
わずかに期待していたことがなんだか恥ずかしく、誰にと言うわけではないが心の中で言い訳をつぶやき、雪沢はなんとはなしに本棚にある本を手に取ってみた。
「あれ?」
抜き取ってできた隙間から奥に本が落ちているのが見えた。前にあるほかの本をどけてその本を取り出してみる。
タイトルは『魔術:その理論と実践』で作者はL.O.D.とある。これまでいろいろな魔術関係の本を読んで、それなりに詳しくなったと自負していた雪沢だが、どちらも初めて聞く名前だった。
「これはもしかするともしかする?」
雪沢は期待に胸を膨らませて本を開いた。目次を見て興味を惹かれたところを読んでみる。
「うーん、書かれている内容は今までの本と大差ないかんじだなぁ。やっぱりそう簡単にはみつからないか…。」
タイトルこそ聞いたことはなかったが、内容は今まで読んだほかの魔術書と大差はないようだった。雪沢はほかにも本棚の後ろに落ちている本がないかを見ようと顔をあげた。するとこっちの様子をうかがっている店員と目があった。そこで初めて雪沢は自分が独り言をつぶやいていたことに気が付く。
(本棚から1列分の本を出して、ぶつぶつつぶやいていたから、変な奴だと思われちゃったのかな)
雪沢は急に恥ずかしさを覚え、いたたまれない気持ちになった。はやいところこの店を出ようと思ったが、なにも買わずにでるのも気が引けた。出した本を戻すと『魔術:その理論と実践』をもってレジへと向かった。
「ただいま」
自宅のドアを開けつつ、雪沢はそういった。
「あら、おかえり。」
台所から母親の声がする。すぐさま自分の部屋に以降とする雪沢だったが、それを制止するように母親が声をかける。
「外から帰って来たら、ちゃんと手を洗いなさいね。」
「へいへい。」
返事は不真面目だったが、雪沢は洗面所に行って手を洗いその後自室へと向かった。部屋に入るとカバンをベッドの上に軽く放り投げるように置き、先ほどの『魔術:その理論と実践』を取り出す。そして改めて目次からページをめくっていく。
「やっぱり大したことは書いてなさそうだなぁ。」
目次を再度眺めた雪沢はそうつぶやく。この本に書いてあることはこれまで読んできた魔術関連の本と大差ないようだ。有名な魔術師や秘密結社といった魔術の歴史からはじまって、魔術師になるためのトレーニング方法、簡単な護符の作り方などの「実践的な内容」が書いてあるが、そのどれもがこれまでに読んだ本にかかれていたこととだぶっていた。そして今までに何度となくその「実践的な内容」を試してみて、効果がないという結論に雪沢は達していた。
それでも雪沢は最初はなにか新しい発見がないかと1ページごとじっくりと読んでいたが、特に目新しいことがなさそうなことがはっきりしてくると次第に流し読みするようになってきた。
とうとう読むのに飽きて本を閉じようとしたときだった、雪沢は指先にちょっとした違和感を覚えた。不思議に思って本をよく見てみると、真ん中あたりのページの色が不自然に異なっている。そこを開いてみると一面に英語の文章がかいてあるページが目に飛び込んできた。またそこだけは活字ではなく、手書きのように見える。
「なんだこれ?」
あわてて目次を見返してみるが、そんなページのことは乗っていない。そもそもそのページに降ってあるページ番号はそれ以外のページと連続していない。よくよく見てみると、その部分の前後のページ番号は連続していた。後からこの部分を本に挟み込んだようだ。
「前の持ち主のメモかな?」
ページの合わせ目を観察してみると、接着剤がはみ出したようなシミも確認できた。
「これ後から接着したのか…」
雪沢は次第に自分が興奮してくるのを感じていた。このページは本当に魔術に関連した物かもしれない。しかしその一方で期待が大きいとそれが裏切られた時の落胆もまた大きいことを経験から知っていた。今まで本物かと期待して買ってきた本にはずっと失望させられていた。
「古本屋の人、買い取るときに気づかなかったのかな。」
冷静になろうとするあまり、どうでもいいことを考えてしまう。
「とりあえずこれ、読んでみるか。魔術に関係のあること書いてあるかどうかわからないし。書いてなくても何か面白いこと書いてあるかもしれないし。」
口ではそうつぶやきながら、すでに雪沢の心は期待で一杯だった。
「なになに、how to make talisman。…?タリスマン、護符のことだよな。」
辞書を参照しつつ、書かれている文章を読んでいく。知らない単語はたくさんあったが、文章そのものは平易だったので大体の内容は理解できた。ここに書かれているのは題名の通り護符、もしくはお守りの作り方であるらしい。使用する材料もすべて実在しているもののようだ。
雪沢は興奮で手に汗をかいていた。今度こそ本物の魔術書を手に入れたのではないかと思いが強くなる。
雪沢の頭には以前読んだ魔術本に書かれていたある説明が浮かんでいた。さっき斉藤にも話したことだ。
『魔術を正しく志せば、かならずいつか導きが訪れる。それは師となる魔術師との出会いかもしれないし、有用な魔術書との遭遇かもしれない。すべては魔術を志すもの同士の縁によって決定される』
雪沢はこれまで、この言葉を信じて魔術書を見ては魔術を行おうとしてきた。もっともこれまではすべてが失敗に終わっている。
「きっとそうだ、これが魔術の縁による遭遇なんだ。誰がやったのかは分からないけど、これが縁ならばこのタリスマンを作るのがオレの使命なんだろうな。」
だが心の隅ではちょっと手の込んだイタズラかもしれないとも思っていた。
「もちろんイタズラの可能性もあるけど…」
雪沢はしばらくの間沈黙し、どうするか考えていた。
「とりあえずやってみるか。そうすれば本物かどうかはっきりするよな。だったらさっそく取りかからないとならないけれど……」
雪沢は材料が書いてある部分を探した。書かれている材料を一つずつ確認していく。材料はすべて存在しており、すぐにでもタリスマンの制作に取りかかれると思われたが、一つ問題があった。
『blood of virgin』
材料のリストの最後にはそう書かれている。
「ブラッドオブヴァージン,処女の血、かぁ。」
雪沢は顔を上げ,そのまま背をそらして天井を見つめた。雪沢が思いつく「処女」は学校の女子ぐらいしかいなかった。誰と誰がつきあってるかとか誰が経験済みかなんていう話は噂ではちょくちょく耳にする。が、確かめようもない。またそもそも雪沢はそれほど親しくはなせる女子は多くない。第二新聞部の成嶋と瀬野は同じ活動をしている事もあって話しやすい。中でも成嶋瑠璃香は突っ込んだ話も出来る数少ない女子だ。瀬野しおりはまだ知り合ってから短いので、そこまでの話は出来ないと思っていた。
雪沢の脳裏に成嶋の姿が浮かぶ。ショートカットで細身なのでボーイッシュな感じを受ける。雪沢とは小学校からずっと一緒の学校だった。そのためかこれまであまり異性として意識した事はなかった。
「血をくれ、と成嶋にはさすがに言えないよなぁ。またいろいろ聞かれて面倒な事になりそうだし。それにあいつは処女なのか?」
無意識に頭の中の成嶋を裸にしていた。変な妄想に驚いた雪沢はあわててその像を頭から振り払う。
「うわー、なんか変なもん想像しちまった。とりあえず今日はこのぐらいにして、また明日なにかいい手がないか考えよう。」
そういって雪沢はとりあえず問題を先送りする事にした。
翌日、雪沢は学校に登校して教室に入った。始業時間までは少し時間があるが,すでに教室には何人かの生徒がいた。その中には成嶋もいた。昨晩に変な想像をしたせいか、雪沢は成嶋と顔を合わせるのがなんとなしに恥ずかしかった。ただ彼女の方は友達と話していて彼には気がついていないようだった。
自分の席に座ると,雪沢は成嶋のほうを見てみた。成嶋は自分の席に座り机の左右に友達が立っていた。
「前から思ってたけど成嶋さんって肌すべすべだよね、どうやってるの、手入れのやり方教えて」
右側に立っている加藤唯が成嶋の手を取りながら訪ねる。
「…えっ?あ、別に特別なことはしてないんだけど…」
「るりかはねぇ、昔からすべすべだったよ。」
成嶋の言葉が終わるのを待たずに左にいた青園遙がしゃべり始めた。
「青園さんは中学も成嶋さんと一緒なんだっけ?」
「そそ。手だけじゃなくて脚もすべすべだし。体質なんじゃない?うらやましいよね。そういえば修学旅行でお風呂一緒だったけど…」
「ちょ、ちょっと遙!」
なんだか怪しげな方向に話がそれていきそうな雰囲気を察知して、成嶋が青園を制止するように口を挟む。
「あ、ごめんごめん」
口ではそう言いながら、青園はニタっとした笑顔で成嶋を見つめている
「えっ、なーに?」
加藤は興味津々で二人の顔を見つめている。
なんてことはない女の子同士の会話だったが、今の雪沢にとっては妄想の燃料にしかならなかった。それ以上聞くのをやめると、窓の方を向き空を見つめた。今日は清々しい快晴で爽やかな青空が広がっている。見ている雪沢の心もなんだか爽やかになるような気がした。
「この空を見てればなにかいい方法を思いつくかもな。」
雪沢は空を見つめながらボンヤリとそんなことを思った。
「じゃあここは、そうだな。村越にやってもらおうか。」
「あ、はい。」
いまは四限で英語の授業中、朝から何か方法はないかと考えつづけていた雪沢だったが、とくにいいアイデアを思いつくことはなかった。そもそも男の友達にでも血をもらうのはかなり難しいだろう。それを女子からーそれも処女かどうかを確認した上でーもらうのはまず不可能に思えた。
授業は上の空で考えていたが、ふと気がつくと教室内がややざわついてる。
「えーっと」
当てられた村越という男子生徒がうまく訳せなくて固まっているようだった。
「うん、どうした?とりあえずわかるところだけでもいいぞ」
英語の竹下先生がいう。
「え、あ、はい。」
それでも村越は答えられないようだった。
「むらこしぃ、バージンはわかるだろ、バージンは」
後ろの方から清水という別の男子生徒がはやし立てる。「バージン」という単語に呼応した何人化の男子がざわついて教室内が少し騒がしくなる。
「おまえの好きな処女じゃんか。」
清水は続けて言う。それを聞いた村越は焦ったように
「ば、何言ってんだよ。それは清水のほうだろ」
と反論する。
雪沢はふと成嶋の様子を見てみた。彼女の席は雪沢の席の2つ離れた斜め向かいなので、すぐ見て取れる。彼女は特に気にしたようでもなく、片手で頬を支えて机の上に広げた教科書を見つめていた。
「こらこら、おまえ等小学生じゃないんだからvirginぐらいで騒ぐんじゃない。」
竹下先生がクラスに向かって言った。
「virgin voyageは処女航海という意味だ。清水、おまえの言ったように処女であってるぞ。」
竹下先生は清水の方に顔を向けて言った。清水の方は少しばつが悪そうだ。
「virginは『初めての』ということを示す形容詞としても使用される。試験にはでないかもしれないが、単語に変に興奮する男子は覚えていた方がいいぞ。」
そして竹下先生は一呼吸おいて
「あと処女だけじゃなく童貞という意味もあるからな。」
「えー、英語じゃ処女と童貞はいっしょなの?」
清水が驚いたように言う。
「そういうことだ。じゃあ村越、そこの意味はわかっただろうから続けてくれるかな。」
村越はなんとか当てられた箇所を訳し、ざわついていた教室も普通の状態に戻った。そんな中雪沢の頭の中では、今竹下先生が言った事が回っていた。
(virginに童貞って意味もあるならば、blood of virginは『処女の血』以外に『童貞の血』と考えることもできるのか。でもあまりそんな話は聞いたことないよなぁ。)
そんなことを思いつつ、雪沢は広げた自分の手をじっと見る。
(とりあえず試してみるか。処女の血が手に入るめどもないし。)
手を握りしめると、雪沢は帰ってタリスマン作成を試してみることを決意した。
本に書いてあった作成方法は特に難しいものでもなかった。指定された材料をすべて水の中に入れて煮、日が変わるときに血を注ぐ。そのまま朝まで煮込めば完成ということだった。
学校が終わった後、雪沢は駅となりの輸入品も扱っている大きめの食料品スーパーによって、本に書かれている素材を買い集めた。材料はハーブや香辛料が主で、すべてその店で入手することができた。雪沢は今までの様々な「魔術書」に書かれた手法を試す際の様々な素材を集める為に、色々な店を巡っていた。食料品、薬品をはじめ植物、動物、鉱石など必要とされた物は多岐に渡り、その為今では多少珍しいものでもどういった店で扱っているかの見当がつくようになっていた。
「さて、と」
雪沢は机の上に並べ、自分の部屋の壁に掛かっている時計を見る。いまは23時58分。本で指定されている調合を行う時間は午前0時なのでもう少しでその時刻になる。
雪沢は用意した材料をビーカーの中にいれ、そこに水を注ぐ。アルコールランプに火をつけて、ビーカーをくべる。左手の親指を伸ばし、右手にカミソリを持つ。時計の秒針をじっと見つめる。あと10秒、カミソリを持つ右手に力が入る。
秒針が12の文字に重なると同時に、カミソリで左手の親指に傷を付けた。指から流れた血が一滴、ビーカーの中に垂れる。
「ふう」
雪沢は一人安堵のため息をもらす。
「血を入れるタイミングも本の指示通り、完璧に出来た。あとはこれを朝まで温め続ければいいんだな。」
心なしか目の前のビーカーはなんだか輝いているような気がする。
「正一、まだ起きているの?そろそろ寝なさい。」
その時母親の声が外から聞こえた。
「うん、寝ます。」
雪沢はそう言ったものの、相変わらず目の前のビーカーを凝視したまま動かなかった。
「正一!はやく寝なさい。」
しばらくしても部屋の明かりが消えないことに気がついたのか、母親がきつい口調で言ってきた。
「はいはい、わかった。もう寝るよ」
これ以上寝るそぶりを見せないと部屋までやってくるのは確実だ。雪沢はアルコールランプの光がもれない様にダンボールで覆ってから、部屋の明かりを消した。暗い部屋の中でランプの炎が揺らめくのを、雪沢は期待を胸に秘めながらじっと見つめていた。
何度かうとうとしながらも、雪沢は朝までランプで溶液を温め続けた。一晩温めたので、かなり水分が飛びビーカーのなかには茶色のどろりとした物体があった。
雪沢はランプの火を消すと、ビーカーからその物体をすくい出してプラスチックのケースに入れた。
「これで作業は完了か。あとはうまく行ったかどうかを確認しないと。あっ…」
ここにきて雪沢はこのタリスマンがどんな効力を持ったものなのかを確認しなかった事に気がついた。作ることに熱中していてそちらまで気が回っていなかった。
雪沢は魔術書に挟まれた紙を再度見つめ直してタリスマンの効力について何か書かれてないかを探した。ほどなく彼はそれらしい説明を見つけた。
「アビリティ…シー…オーラ、オーラを見る事ができるようになるらしいな。使い方とかは書いてないけど持ってればいいのかな、護符だし。」
雪沢は一人で納得すると、部屋にある鏡の前に立ち、自分の姿を見てみた。鏡には眠そうな顏をした自分が映っている。オーラは見えない。雪沢はプラスチックの容器を握りしめ、再度鏡を覗いてみたが相変わらず自分しか映っていない。
「鏡に映ったのだと駄目なのかな。もしくは自分のは見えないとかか?」
そうつぶやくと雪沢はキッチンへと向かった。
「あら今日ははやく起きたわね。」
やってきた雪沢を見て、キッチンで朝食の支度をしながら母親が言った。
「ああ、うん」
適当に答えながら雪沢は母親を見つめた。
やはりオーラは見えない。ケースの持ち方を変えてみたり、強く握ってみたりしたが結果は変わらなかった。
「駄目か。持ってるだけじゃなくてなにかしないといけないとかなのかな。」
雪沢はあえて作成失敗や作成方法自体が嘘の可能性を排除して、その他の失敗理由を考えていた。本にわざわざ別の紙をいれてあるのが、イタズラだとは思いたくなかった。
「はい、朝ごはんよ。」
そうこうしているうちに朝食が出来上がってきた。
「いただきます」
雪沢はケースをポケットに入れると、朝食を食べはじめた。
「とりあえず学校に行ってためしてみるか」
朝食を食べ終わってなにもすることもないので、いつもより早いが学校に行くことにした。
「ハンカチはちゃんと持ったの?」
そんな母親の声を後に家を出た。家から最寄りの駅まで歩いて10分ほど。時間が早いせいか見慣れた道も何となく新鮮に思えた。