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短編小説

「とけい」

作者: 雨宮雨霧
掲載日:2026/05/09

中学3年生の冬より。

よく居た掲示板イメージだったりラジバンダリ。

やめて黒歴史。

 ぼくはうごかなくなったとけい

 じかんはとまったまま

 いつから、こんなすがたになったんだろう

 くらやみのなかでなきさけぶぼくのすがた

 そのさきにあるのは、みずからいのちをたとうとする

 だいすきなひとだった

 いやだよ、いかないで

 だめだよ、おいていかないで

  そうぼくはなきさけんだ


 あぁ。ぼくはこれほどむりょくなんだ

 そのときからだろうか

 へたしたらもっとまえかもしれない

  ぼくの「とけい」がとまった


 いろいろあった

 くるしいこと、つらいこと。うれしかったこと、たのしかったこと

 かんじょうさえもなくなるなんておもってなかったよ


 ねえ

 ぼくは

 だれ?


 おはよう


 あさがくる


 いいてんきだね


 そうかな。ぼくにとってはわるいてんきだよ


 こころのなかはどしゃぶりのあめだ


 こうずいがおきてるよ


 ひるがくる

 ねぇ、そとにいこうよ

 こわい。いやだ

 そとはあぶないよ

 ころされるかもしれない

 こわい

 こわい

 おうちにいようよ


 よるがくる

 まっくらなじかんはきがかるくておもい

 ぼくの「じかん」といっしょだね

 ずっと、まっくらなよるなんだ


 いかないで

 どこ

 いくの?

  ひとりにしないでよ

 いやだ

 いやだ

 いかないで


 ちかちかひかるでんき

 そのしたでぼくはなにしてたとおもう?


 からだをきりつけてたの

 ひいた?けいべつする?

 いいよ、それでも


 だってぼくは

 もういたみもかんじないから

 くるしくないよ。だいじょうぶ


 ……ちょっとうそかもね


 よるはながいようでみじかい

 きょうもまた、なにもしなかったな


 さっさと死ねよ

 だれかがさけぶ


 ごめんなさい

 ごめんなさい


 はやくしななきゃ


 あめふるよる

 ここはうみ

 ふゆのつめたいうみかぜがからだをつつむ


 ぼくはきょう

 このばしょで


 いきたえる


 つめたいうみにあしをいれる

 すこし

 こわいかも

 でも

 いかなきゃ


 まえへ

 まえへとつきすすむ


 かたまでうみにつかった

 なみが、おしよせてくる

 こわい

 だれか

 たすけて


「生きろ」だれかがさけんだ


 だれかが

 ぼくを

 ぼくをよんでる


 いやだ

 しにたくない


 生きたいよ


  波に逆らって

 冬の海をもがく


 生きたい

 生きる


 生きるんだよ


 なんとか

 浜辺にたどり着く


 僕の

 僕が


 大好きなみんながそこにいる

 みんな泣いてる

 でも、笑ってる


「生きててよかった」

 そう、言ってくれた


 バスタオルで身体を包む

 その上から毛布をかぶる


 あたたかい


 生きててよかった

 そう思った


 思ったと同時に、時計の針が動き出す


 ありがとうじゃ足りないくらい、ありがとう


 生かしてくれてありがとう


 忘れてたよ。僕も同じように止めてたね


  あぁ、僕は一人じゃないんだ


 うれしいよ

 ありがとう

 

 目を覚ますと、窓から光が差し込んできていた


 おはよう


 おはよう

 僕の大好きな

 大好きな


 みんな


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