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呼吸するように書いた日々 2025

卯月、雨に足をとめながら

 新年度が始まったというのに、四月は雨が多かった。

 花冷え、花時雨、桜雨。言葉だけはやさしいが、体と心は正直で、思うようには動いてくれない。

 朝は家の片付けをし、娘の美容室に付き添う。喫茶店で一時間ほど待ち、ドーナツを買って帰る。それだけのことなのに、外に出るだけで一日分の力を使った気がした。寒さのせいか、腰も重く、家に戻るとまた本の整理を始める。絵本は段ボールにしまうことにした。いつかまた手に取る日まで、少し眠っていてもらう。

 雨の日が続き、娘はお腹の調子を崩して部活を休む。無理をしないでほしいと思いながら、温かいものを用意する。日記は少しだけ進める。たくさん書けなくても、書くという動作を忘れないことが大事だと思っている。

 誕生日や記念日には、喫茶店でケーキを食べ、本屋に寄る。読み慣れた作家の新刊を手に取ると、時間がゆっくり戻ってくる。晴れた日は久しぶりで、子どもたちは学校へ行き、私は掃除と新学期の準備をする。書店の棚を眺める時間は、外の世界とつながっている感覚を思い出させてくれた。

 腰痛で病院に行った日もあった。大事には至らず、様子見。それだけで十分だと思う。動けない日があっても、完全に止まるわけではない。少しずつ、日常に戻る。

 四月は、前に進むというより、足をとめる月だった。

  雨に濡れながら、立ち止まりながら、それでも生活は続いていく。無理に晴れを待たなくてもいい。ただ、今日を終えればそれでいい。そんなふうに思えるようになった月だった。



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