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第1話 わたしがひとでいられるあいだに。

 ミド 奇妙な病気 ある北の神様に忘れられた孤島にて


 ミド 体が石になってしまう奇妙な病気の可愛らしい少女


 ネル 旅の医者 神様を信じている美しい女性


 わたしがひとでいられるあいだに。


 ありがとう。優しくしてくれて。ずっとそばにいてくれて。それだけでいいの。それだけで嬉しいの。


 子供が夜の中で迷子になっている。そんな子供に、そっちは危ないよ。ほら、大丈夫なのはこっちだよって言ってあげることができる。手をつかんで、助けることができるような人になりたかったんです。


 寒い冬の日。小さな孤児院のある北の忘れられた孤島にて。


 初めてあったときに、ミドは大きめのフードを深くかぶって顔を隠していて、それだけではなくて、大きなローブを着てその体を全部誰にも見られないようにしていた。

 そのフードを脱いで、可愛らしい素顔になってミドはネルの前で古い小さな孤児院の中で、古い木の椅子に座ってじっとしている。

「ねえ。ネルさん。幸せってなんですか?」

 じっとネルを見ながらミドは言った。

「毎朝、早い時間に起きて、お仕事をして、美味しいご飯を食べて、暗くなる前に安心できるお家に帰って、ベットの中でぐっすりと眠ることだよ。神様。今日もなにも怖いことがない一日をありがとうございます。ってお祈りをしながらね」

 にっこりと笑ってネルは言った。

「ねえ。ネルさん」

「なに? ミド」

 ミドの(とっても硬くなってしまった)手をゆっくりと揉むようにして治療をしながらネルは言う。

「どうして神様は私をこんな苦しくて辛い病気にしたんでしょう?」

 ミドの言葉を聞いて、一瞬ネルの手が止まった。

「私が悪い子だからでしょうか? 私が悪魔の子だからでしょうか?」

 じっと(ミドのことを見ている)ネルの目を見ながらミドは言った。

「それは違う。絶対に違うよ。ミド」

 そう言って、ネルはぎゅっとミドの石のように硬い体を抱きしめた。

「あ、ネルさん。だめです。病気がうつってしまいますよ」

 とっても優しい声で、少しだけあわてながらミドは言った。(本当にネルのことを心配してくれているのがわかった。ミドはとっても優しい子だから)

 ネルはそのミドの小さな子供の声を聞いて思わず泣いてしまった。

 ……、神様。どうかミドをお救いください。この子はなにも悪いことはしていません。……、この子は、まだ十二歳なんです。

 ネルは心の底から神様にお願いをした。

 見たこともないミドの奇妙な病気に旅の医者のネルはなにもすることができなかったから。(本当に、本当に悔しいくらいに、なにもできなかったから)

「泣かないでください。ネルさん」

 ネルを抱きしめながらミドが自分も泣きながらそう言った。

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