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71.静かな幕開け

大変ご迷惑をおかけいたしました。

ある程度は体力が回復いたしました。


「今日こそ、話してもらうわよ?」


 マーキュリーは対面に座るフランクウッドに対し、強気に出る。

 場所は、リリステナ。他には、シェリーとユニ・フローラが席に座っており、アンリーが傍に立っている。


 フランクウッドはただ、意を決したかのように虚ろを見つめた後、マーキュリーの方へと視線を移す。


「分かった。その代わり、このことについては理解してほしい。事態は、我々の目的と大きく逸脱してしまったということを」


 フランクウッドの前置きに、マーキュリーは眉をしかめる。


「逸脱?」

「私は、魔女を救うこと、君は魔女について知り、何故狩らねばならぬのかを探ること……それが目的だったね?」

「…………ええ」


 「全てを話すつもりはなかった」そう、フランクウッドは口にした後、ユニ・フローラの方へと視線を移した。


「魔女については、彼女に聞いてくれた方が早いだろう。ユニ・フローラさん、それでも大丈夫ですか?」

「ええ……シェリーちゃんを保護していてくれたとのことですから……一応は」


 数時間前、彼女たちの前にフランクウッドが現れ、今日のマーキュリーとの話し合いに参加してほしいと打診を受けたのだ。

 元々、シェリーはフランクウッドと話を進め、何処へ逃げるかを決める必要があった。

 だから、その予定が多少早くなる分にはシェリーとしては問題ない。


 しかし、ユニ・フローラからすればそうとも限らない。

 問題というわけではない。ただ、少し不安なのだ。


 シェリーを保護してくれていた事実には変わりない。

 それが利用するためだったことも、今は信頼に足るものであることも分かる。

 しかし、焦り……とも違うが、彼のポジティブではない感情と現状、そして何より、彼を知らない自身の心情。


 それがどことない不安を駆り立てる。


「ねえ、前置きは良いからささっと話してよ……」


 マーキュリーが言う。


「……そうともいかないさ。我々には既に選択肢が残されていないんだ……」

「……ねえ。また色々と、はぐらかそうとしているわけじゃないでしょうね?」

「いや、すまない。そうだな……話そうか、全てを――」



 ◇



「陛下……あまりご無理はなさらずに……」


 一人がカレディアを支え、その周囲を複数の兵士が護衛する。

 しかしながら、カレディアの様子は、高熱にうなされながらも無理をしているかのように足がふらついており、目からも覇気を全くと言っていいほど感じられない。


「ああ、大丈夫だ……すまない。コートル」

「いえ。問題ありません」


 歩き、ふらつき、全体重がカレディアを支えていた男、コートルへと乗る。

 しかし、コートルは平然と笑って見せるのだ。


 その様子にカレディアは少し心を痛めてみせる。


 カレディアがディガードから施された術式は【保存】。

 それは文字通り、現状を保存するための術式であると同時に、現在のどの系統の魔術にも属さない未知の技術とも言うべきもの。


 それの出自をディガードは知らないと言う。


 しかし、カレディアはそれに縋る他なかったのだ。


 ただ、今になって思う。あれは少し軽率が過ぎたのではないかと。

 もし今後、ディガードと対峙することになったさい、この術式を解かれる可能性なども考えられるのじゃないか。

 最も、本当に解除できるのかは分からない。しかし、魔術と言うものを知らずに生きてきた無知の王として、できることをしなければならないだろう。


「王位を信頼に足る者に譲渡できるかも分からない現状で……倒れるわけにはいかないんだ……!」

「ええ、心得ておりますとも……」


 その細い声を聞き、コートルはただ正面を見据え――


「皆! 臨戦態勢を取れ! 陛下をお守りするぞ」

「「「はッ!」」」


 痺れるような覇気が王城内へと響きを聞かせ、正面に見える柱の一つ、その影から仮面の男が一人、拍手を送りながら姿を現す。


「いやはやbravo、bravo……流石はあの人外魔境を生き抜いただけはある……これくらいは朝飯前とでも言うべきか……」

「名と目的を明かせ……」

「ヘケロン。ヘケロン・オディクスだ。目的としてはそこのカレディア王へと、助言を呈しに来たのだよ」


 ヘケロンは胸に手を当て、前のめりに話す。

 その様子にコートルの表情はより真剣なものとなる。


 コートルから見て、カレディアは左手に居る。

 周囲には味方が三名、目の前の男はおそらく一人。


 ゆっくりと、右の腰へと携えた剣に手をかけ、その持ち方を変える。

 このまま抜けば逆手持ちになるだろう。しかし、今はこれでいい――


「……私も、腕が鈍っているのではないかと常々思っていた所だ……ちょうどいい。魔術師の危険性を肌で理解していただくとしよう」

「……何を……貴様は戦いたくてうずうずしている。そういう気概だ」

「ご名答。では……始めようか――」

正直、戦闘描写はまだまだ苦手なのですが、少し休みながら頑張ります。

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