調査開始
ここからは、また主人公目線です。
さて、俺たちは今、依頼を受けた森にいる。
「レティシア。今度はどうして森を目の前にして、ポーズを決めているの?」
目の前でレティシアは腕を組んで仁王立ちしていた。
「いや~、何となくしてみただけだ。」
特に意味はない。
「ほんと君は自由だね。」
「何を言うハンス。人は自由であるべきだ!そう、オネェ様も言っていたじゃないか!」
「あの人は、いろいろな意味で自由すぎるわ!」
ハンスが言った。
「ふむ、少しは緊張がほぐれたようだね。」
「ええ、おかげさまで・・・」
そう言いい俺を見る。
ハンスよ!男のジト目はどうかと思うぞ。まあ、とりあえず森に入ってみよう。俺たちは森の入り口に向かった。
「ずいぶんと薄暗いな。この森ってこんなに暗かったのか?」
さすがに俺もここまで奥に来たことがなかったのでそう思ってしまった。
「あ!明かりつけますね。」
そう言ってハンスはリュックからランプを取り出す。
「すまない。ハンス、言ってくれれば俺が持ったのに。」
「いいですよ、一応レティシア女性なのだから。」
ハンス、その言葉どういう意味かな?まあ、自覚はあるけれど・・・
「いや、実はアイテムボックス持ちなのだが・・・・」
そう俺はアイテムボックスを持っているため、基本的に荷物は持ち歩かない。大鎌だってアイテムボックスに入ってある。
「え?アイテムボックス持ちなの?」
ハンスも驚く。
ハンスも言われてみれば、いつの間にか大鎌を持っていたり、無くなっていたりしたことがあったことを思い出していた。
「先に言ってくださいよ。」
「本当にすまない。」
俺はハンスに謝罪する。その後、必要最低限のもの以外は俺のアイテムボックスの中にしまった。
「さて、このあたりが「青の翼」たちが言っていた場所だそうか?」
この辺りでは木々がなぎ倒されている箇所が多々ある。
「ハンス。少しこの辺りを調べてみよう。」
俺たちは少し離れて調べることにした。
「(この木にはひっかき傷?爪でひっかいたような傷があるな。木の折れ方からすると無理やり折ったというところか、力は相当なものかもしれない。)」
俺はそう思った。
次に「(これは獣の足跡?いや、これは獣ではないな。どちらかというと俺たち人間の足跡に近い。しかも大きいか・・・)」俺は思った以上の魔物がこの森にいるのではないかと思った。しばらくして、ハンスと合流し情報共有するも、二人とも同じような内容なもので、大きな進展はなかった。
「これといった、情報はないか。だが、ハンスの話と照らし合わせると、どうやら相当大きな人型の魔物であることに間違いないようだ。そして武器を持っている可能性がある。」
ハンスの話では何か殴った後のようなものがあったそうだ。
「どうします?一度引き上げてギルドに報告した方がいいのでは・・・」
ハンスがいう事は正しい。現時点ではこれ以上の情報収取は難しいだろう。かといって無理に奥まで行ってそれこそ取り返しのつかないことになるかもしれない。そう俺は判断し引返すことを選んだ。ハンスはパーティーリーダーであるが一応、俺の方がランクは上なので確りと俺の意見を聞き入れている。いずれは、ハンスが判断しパーティーを引き連れることになるだろう。
「(そろそろ、仲間も増やさないといけないな。)」
勇者である以上味方は多い方がいい。俺はそう思った。そして、俺たちが引き返そうとしたその時
「GUGAAA」悲鳴が聞こえる。
俺は咄嗟に「リカバリー」の魔法を自分とハンスに使う。おそらく、この咆哮には恐怖の状態異常があるみたいだ。現に「青の翼」のメンバーはこれで動けなかったようだ。
俺は、例の魔物がどこから来るのか警戒していると、いきなり目の前から突っ込んでくる巨体があり、手に持っていた棍棒を俺にめがけて振り下ろしてきた。俺は支援魔法で肉体を強化し棍棒を掻い潜り、魔物に拳を突き出した。しかし、「ぬ!」俺は咄嗟に後ろに飛び距離をとる。
「レティシア!大丈夫か?」
ハンスが慌てて駆け寄ってくる。
「固い・・・」
俺のつぶやきに
「固い?」
とハンスが言った。
「ああ、俺の拳が奴に通じなかった・・・」
能力強化したにも関わらず、ダメージを与えられなかったと考えた。
「いや、聖女は拳使わないだろ。」
ハンスがツッコミを入れた。まあ、その通りなのだが・・・と冗談はここまでにして
「どうやら、見た感じはオーガのようだ。」
俺は謎の魔物をみてそう言った。よくファンタジー小説で出てくるような角の生えた魔物だ。しかし、
「でも、こいつ普通のオーガじゃないね。」ハンスが言う。そう、目の前のオーガは普通のオーガではない。見た目はオーガだが肌が鉄のような色をしている、いやおそらく鉄だろう。さしずめメタルオーガってところか。オーガ自体はBランクになるが、変異種となるとランクは一つあがりAとなる。つまり目の前のオーガはAランク相当と言っていいだろう。
「ふう、Aランクの魔物とは久しぶりだ。油断したらあっさりやられる。気を付けてハンス。」
「ええ、このオーガは今までの魔物とは違うのはわかります。気を引き締めていきます。」
そう言ってハンスはオリハルコンの剣を構え、俺もアイテムボックスから大鎌をだし、ありったけの支援魔法を俺とハンスにかける。メタルオーガも棍棒を強く握り、俺たち二人をにらみつける。