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巡礼の護衛⑤

「何だ、これは・・・」


ヨハンは呟いた。いや、ヨハンだけでなく他の冒険者や騎士たちですら同じことを思っただろう。それも仕方無いことだ。たった二人の冒険者によって1000を超える魔物を圧倒しているのだから。


「相変わらず、あの二人はでたらめだわ。」


「そうですね。本当に・・・」


アリアとサーシャがそう言った。


「すごい・・・これがSランクと呼ばれる人たちの強さ。」


「ええ、そうですよ。」


感動しているアリスにリーシャがそう言った。


「本当にすごいですね。」


「ああ、全くだ。彼らが今回の依頼を受けてくれて本当に助かった。」


隣ではアリシアとレオンハルトがそう言ってた。




「レティシア。大丈夫?殿下たちに魔法を使いつつ、魔物討伐なんて。」


「大丈夫さ。そもそも、殿下たちに使っている魔法だけなら3日以上は使いっぱなしでも行ける。」


「相変わらずの魔力量だね。」


俺たちはそんな会話をしながら魔物たちを討伐していった。俺自身は大鎌の能力を使って300は軽く屠ったが、魔力消費が多いのであまり使えない。ハンスに関しては一振りで10以上の魔物を消し飛ばしている。さすが勇者というだけの事はある。その結果、1000の魔物を倒すのに、そんなに時間はかからなかった。


「意外と簡単に終わったね。」


「その方がいいけどね。」


俺の問いにハンスが答えた。俺としてはもう少し手ごたえのある魔物が出てきてほしかったが、今回は雑魚ばっかりだった。まあ、レオンハルトとアリシアがいるから、この方がいいか・・・俺はそう思いながら、みんながいるところに戻った。




「お疲れ様でした。」


アリシアが俺たちを出迎えてくれた。


「いや、雑魚ばかりで正直つまらなかった。」


俺はそう言った。


「レティシアは相変わらずだね。」


アリアがそう言って近づいてきた。その後


「ありがとう。二人とも。君たちのおかげで、被害がなく済むことができた。」


レオンハルトにそう言われる。そして、冒険者や騎士たちからは様々な感情をこめた目を向けられた。羨望のまなざし、恐怖のまなざしなどだ。まあ、仕方ないことだが・・・


「お疲れさん。なるほど・・・これがSランクか。俺じゃあ到底届かない高見だわ。」


リオンが俺にそう言ってきた。その後、魔物の処理をみんなで行ったのである。処理が終わった後は俺が魔法で辺りを綺麗に浄化し、少し移動した場所で本日は休むことになった。アリシアとレオンハルトは俺が持っていた魔道具のテントに入ってもらい一泊してもらった。魔道具のテントの方が馬車よりも豪華なんでね。ただ、俺たちも一緒だが・・・区切りは確りしてあるから大丈夫・・・多分。


翌日


「ヨハン。お前にはこの後、王都へ帰り次第、裁判を受けてもらう。」


捕らわれていたヨハンはレオンハルトに言われ、ヨハンはうなだれる。その後は特に大きな問題はなく無事に巡回を終えることができた。今回の依頼でリオンを初め王都の冒険者や騎士たちともそれなりに交流を深めることも出来た。王都に帰還し次第、レオンハルトは騎士団と共にヨハン取り調べとアドバンス商会の調査に向かった。一応、俺たちも護衛という事でレオンハルトに同行した。




「思ったより、王都に長居してしまったな。」


「仕方ないよ。今回の件が終わるまでは協力するって言ったし。」


ハンスが俺にそう言った。今回の依頼でアリシアとレオンハルトとも仲良くなったので、ある程度は協力してもいいかなって思ってしまった。その結果、調査の協力依頼を受けたのだから仕方ないけどね。


「二人ともここにいたんですね。」


サーシャが他のメンバーを連れて現れた。


「サーシャ何かあったの?」


ハンスがサーシャに聞いた。


「ええ、今日の新聞にヨハンとアドバンス商会の事が載ってあるの。」


そう言われ新聞を渡された。何々・・・その後、ヨハンの取り調べによりアドバンス商会では、禁止されている魔道具などの製造工場を発見、証拠物の押収。ヨハンに関しては、女性への脅迫および使用禁止の薬の使用。中には精神が壊れてしまった女性もいるようだ。裁判の結果、アドバンス商会は取り潰し。ヨハンとその父および関係者は犯罪者奴隷堕ちとなった。


「ふ~ん、ヨハンってホント、クズだったんだね。」


「女の敵ですね。」


「死ねばいいのに。」


「私もちょっと・・・」


女性陣からものすごい非難が殺到する。


「レティシアもそう思うでしょ?」


アリアの問いに


「まあね・・・」


とだけ返した。中身が男なので彼女たちの怒りのレベルがわかりません。ごめんね・・・そう心の中で謝っていると


「あ、レティシアさん。お願いがあります。」


後ろから護衛を連れたアリシアが現れた。なんでも精神が壊れてしまった女性の治療をしてほしいとか・・・


「ごめんなさい。本物の聖女の貴女しか頼る人がいなくて。」


アリシアは申し訳なく言ってくるが


「いや、別に謝る必要はない。わかった協力しよう。」


俺はそう言って、みんなと一緒に教会に向かった。


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