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エピローグ

一年後


カランッ


ギルドの扉が開く音がした。


「見ろ!「暁」の奴らだ。」


冒険者の誰かがそう言った。王城での決戦から一年。俺たちは王国でも有名な冒険者になった。ラルクを倒した後は、陛下とレオンハルトの二人によって事態は収拾された。そして、この件で、エレノアは自分には王としての器は自分にないと判断し、王位を辞退する。勿論、支持していた貴族からはいろいろあったがローゼン公爵がエレノアを支持したことにより自然と派閥は解散された。アリシアに関しては、自分は聖女ではなく、ヒーラーであることを公表する。最初は批判があるかと思ったが、案外そう言ったことはなく、民たちは彼女の真摯に向き合う姿に共感したのであって聖女だから、慕っていたわけではなかった。そう言ったことから、教会もアリシアに聖女の称号を与えることになった。勿論、ファーレンガルド公爵の当主にはそれなりの罰が下ったとか何とか・・・

そしてハンスは、勇者であることを公表した。それは今回の件でSランクにハンスがなったからだ。ハンスが勇者であることが公表されたときはいろいろあったけど、すでにハンスの実力は本物で、ギルドも彼を守る形をとった。それだけではなく、陛下自身がギルドを支持したのである。そのことによって、表向きはハンスを勧誘する国はなくなった。まあ、それでも多少の問題はあるけれど・・・


「今日も依頼、終わったね。」


アリアがそう言った。


あれから、アリアとリーシャは転職を果たし、忍者と賢者に転職した。


「みんな。依頼完了の報告お願い。」


俺は三人に言った。三人が行ってから俺たちは空いているテーブルに座る。


「あれから一年か・・・」


「そうだね。いろいろあったね。」


「そうだね、ハンスはハーレム作るし。」


「いや、ハーレムって・・・」


あれから、ハンスとサーシャはよりを戻し正式に付き合うことになった。それだけでなくアリアとリーシャからも告白を受け、今では三人と付き合っている。まったくハーレム野郎が・・・


「でも、こうしてみんなと一緒にいられるのもレティシアのおかげだよ。だから、改めてありがとう。レティシア。」


ハンスにそう言われるも


「いや、礼を言うのは俺の方だ。俺は今まで一人で生きてきた。仲のいい人たちはいたけれどずっと一緒にいたわけではない。そして、これからも俺は一人で生きていくものだと思っていた。でも、ハンスやみんなに出会って、こういった生き方も・・・いや、きっと俺は本当の仲間に出会いたかったんだと思う。」


この世界に来てから仲良くなった人はいたけれど、冒険中はずっと一人だった。でもハンスたちと出会って、俺は、本当は心から笑える仲間が欲しかったのだと気づかされた。


「だから、俺の方こそありがとう。みんなに出会えて俺は本当によかった。」


そう言って俺はハンスに笑った。


「・・・君のその笑顔を見るのは初めてかな。」


ハンスはなぜか顔を赤くした。そんなとき


「なになに、二人していい雰囲気だして。もしかしてレティシアもハンスに惚れちゃったの?」


アリアたちが戻ってきた。


「いや、ただお礼を言いたかっただけさ。」


「お礼ですか?」


リーシャが首をかしげる。


「ああ、最高の仲間にであえて、ありがとうって。」


「「「・・・」」」


三人は呆然とする。


「どうしたの?」


俺は呆然とする三人に話しかける


「いや、レティシアさんってそんな笑顔もできるのだなって、思いまして。」


「ええ正直、同性の私でも惚れてしまいそうです。」


リーシャとサーシャにそう言われた。


「そんなに、おかしかっただろうか?」


「いいえ、今の方がずっといいです。」


サーシャにそういわれ、二人は「「うんうん」」と頷いていた。


「そうか・・・」


俺は目を閉じた。思えばいろいろあったけれど、今となってはいい思い出だったのかもしれない。俺は、これからもみんなと一緒に冒険していくだろう。きっと・・・


「そういえば、カトレア様が今度、話があるって言ってましたよ。」


リーシャがそう言った。


「カトレア様が?」


俺はリーシャに聞く


「ええ、なんでも王族がらみの依頼だとか・・・」


俺たちは今もファブレ伯爵の専属冒険者をしている。ニコラスからはもう解除してもいいよって言われているが、俺たちはそのつもりがなく、今も専属冒険者をしている。そのため、たまに貴族がらみの依頼が来る。


「今回は王族か・・・」


俺はそんなことを言うが


「まあ、いいじゃない。知らない仲じゃないし。」


「まあ、そうだな。」


アリアに俺も同意した。


「じゃあ、近いうちにカトレア様のもとに行くか。」


俺はそう言ってみんなが頷く。そんなとき


「あの~、仲間に入れてもらえないでしょうか?」


1人の女の子が声をかけてくる。


「この子は?」


「ああ、最近冒険者になったヒーラーの子だよ。」


アリアの言葉で俺はなんとなく察した。俺は言葉に出さなかったが、みんな同じ顔をしている。きっとこの子も、パーティーを組んでくれなかったのだろう。だから俺は


「なあ、みんな・・・」


「いいよ。」


「うん。」


「そうですね。」


「レティシアさんにお任せます。」


ハンス、アリア、リーシャ、サーシャからそう言われた。みんな俺が言いたいことが分かったようだ。ヒーラーという理由で辛い思いをするのはもう、俺一人で十分だ。だから


「ようこそ、「暁」へ」


俺は彼女に手を差し伸べるのであった。




~fin~


これで、「死神聖女!ざまぁを執行するサポートをしよう!」完結となります。今後は本編とは別の物語を書こうか検討しています。もし機会があればまた、読んでいただければ嬉しいです。それでは最後になりましたが、最後まで読んでくださった。読者のみなさん、まことにありがとうございました。

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