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魔人ラルク

ハンスは悪魔を一刀両断する。


「・・・人間ごときに・・・」


悪魔はこのままでは終われないといったように残りの力を使って一つの魔法陣を作り出す。その魔法陣がラルクの足元に広がった。




「ラルク!いい加減に観念しなさい。三対一じゃあ、あんたに勝ち目はないのだから。」


アリアがラルクに言った。現在ラルクは、アリア、リーシャそしてサーシャの三人を相手していた。実力的にも三人に劣るラルクが初めから勝てる見込みはなかったのである。しかし


「ふざけるな!俺様がお前らごときに負けるわけねぇんだよ!」


傷だらけのラルクは三人にそう言って剣を構える。


「ここまでくると、呆れてしますね。」


リーシャがそう言った。


「もう、終わりにしましょう。」


サーシャが剣を振り上げたそのとき


「な、なに?」


「これは?」


「とにかく離れましょう!」


リーシャの言葉にサーシャとアリアがラルクから距離を取る。


「なんか、ヤバい事になっているね。」


俺とハンスが三人に合流する。


「な、何だ!これわぁぁぁぁぁ」


ラルクが魔法陣に飲み込まれていく。そして魔法陣が消えたときには




「くくく、あははは・・・」


そこには変わり果てた姿のラルクがいた。見た目はラルクそのものだが、頭から角が生え、背中には黒い翼、そして尻尾が生えていて肌が黒色になり、目が真赤に輝いていた。


「力が足りない・・・」


ラルクはそう言って足元から黒い霧を吹きだす。


「ヤバい!」


俺は咄嗟にサンクチュアリーを発動させた。それによって、カトレアや他の味方は自分の発動した聖域内に入れることができたが、敵側は


「ぐわ、何だ。これは」


「たすけてくれ~」


「まて、私はこんなところで・・・」


「俺は第二王子であるぞ。」


シュバイツ公爵と第二王子も巻き込まれてしまった。どうやらリヒトからはうまく逃げたようだが結局はこうなる運命だったようだ。そして黒い霧がなくなった後には敵の姿が一人もいなかった。


「ふうう。まあこんなものか・・・」


黒い霧を消してラルクがそう言った。


「ラルク!」


ハンスが剣を構える。


「ハンスか・・・ちょうどいい。お前には俺の邪魔をした罪をここで償ってもらおう。」


ラルクがそう言ってハンスに攻撃を仕掛ける。


「はやい!」


ハンスは咄嗟に剣でラルクの攻撃を防ぐも勢いを殺せずに飛ばされてしまう。俺たちはハンスを助けようとするも


「邪魔だ!」


ラルクは足元から黒い人影を出す。先ほどラルクが吸収した者たちだ。ただし、すでに死んでいるようで、いわばアンデットのようなものだ。


「ちっ、邪魔な!」


一体一体はたいしたことが無いが、数が多すぎる。


「ターンアンデット。」


俺は魔法を唱え。アンデットたちを浄化する。しかし


「マジか!」


アンデットを浄化してもまたアンデットが出てくる。


「また、アンデットが出たよ。」


「でも、先ほどと同じくらいの数ですね。」


アリアが驚き。サーシャは冷静に分析する。


「おそらくですけど、ラルクは出せるアンデットの数に上限があるのでは?」


リーシャがそう言った。


「なるほど、でもどうする?こうも数が多いと、めんどくさい。もう一回、魔法で・・・」


「でも、それだとレティシアさんの魔力が尽きてしまうのでは?」


「そうだよ、ラルクが後、どれだけアンデットを出せるか分からないのに・・・」


サーシャとアリアが言う。確かにその通りなのだが・・・


「では、アンデットは我々が引き受けよう。」


そう言ったのは王国最強のリヒトだった。


「いいのか?」


俺はリヒトに聞くも、「君たちだけに任せるわけにはいかない。」そう言われてしまった。勿論、ヒリトだけではなくルークや他の護衛達も武器を構えていた。


「わかった。ここは任せる。」


俺はそう言って、俺たちはハンスのもとに向かう。




「ぎゃははは。どうしたハンス!こんなものなのか?」


「くっ!」


ハンスはラルクの猛攻に防戦一方であった。そして


「しまった!」


ラルクがハンスの剣を弾き飛ばす。


「終わりだ!ハンスぅぅぅぅぅぅ!!!」


ラルクが腕を振り下ろす。


「させない!」


ラルクの攻撃をサーシャが間一髪のところで防ぎ


「フレイムランス!」


「これでもくらえ!」


リーシャが魔法で、アリアは短剣をラルクに投げつける。


「ちっ!」


ラルクは後ろに下がり距離を取った。


「ハンス大丈夫か?」


俺はハンスの剣を拾い、ハンスのもとに駆け寄った。


「ああ、大丈夫だ。」


ハンスはかすり傷を負っているものの、大きな傷はなかった。


「とりあえず、ハイヒールっと。」


「ありがとう。」


ハンスは俺を言って、剣を受け取った。


「ハンス。あのラルクは強い。」


「ああ、わかっている。正直、僕一人では勝てない。」


珍しく弱音を吐くハンスだったが


「何、言ってんの?私たちは仲間でしょう?」


「そうです。困ったときは助け合うのが仲間です。」


「今度は私がハンスを守ります。」


アリア、リーシャそしてサーシャの三人がハンスに言う。


「みんな・・・」


「まあ、そういう事だ。」


俺はハンスの肩に手を置く。


「行こうぜ!ハンス!」


「うん。」


俺たちはラルクに向けて武器を構える。


「ラルク!今度こそ決着をつけてよう。」


「なめんなよ!!雑魚がどれだけ群がろうが俺には勝てないんだよ!!」


ラルクが叫ぶ。


「行くよ!みんな!」


ハンスが言い


「「「「おう!!」」」」


ラルクとの最終決戦が始まった。


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