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武闘大会

カトレアと食事をとってから二日が経った。そしてついに


「ついにこの日がやってきた!」


俺はワクワクしてたまらなかった。


「レティシアはずっと今日を楽しみにしていたからな。」


ハンスがそう言って、みんなが頷いた。カトレアと食事をとって二日後に大会。本来なら申し込みや予選と言ったものがあるが、大会自体はずっと前から知られていたことで、予選もすでに終わっていたとの事。なので、本日から本戦が始まる。俺は貴族枠で本戦に出場するので予選は無かった。一応カトレア様は5名の本戦枠を確保してくれていたみたいだけど、俺以外は辞退したので結局、俺だけの出場となった。ちなみに、大会自体は2日に渡って開催されるとの事。なるほど、大会が終わってからのパーティーという事か。


「みなさん。おはようございます。」


カトレアがあいさつをする。


「おはようございます。カトレア様。」


ハンスが言い、みんなが頭を下げる。


「レティシアはもう準備ができていますか?」


「はい!ばっちりです!」


俺はカトレアに言った。武闘大会のルールは何でもあり、武器も魔法も自由で戦闘不能、降参はもちろんの事、たとえ腕を斬り飛ばしたり、大怪我をしてしまっても、舞台に設置してある、古代の魔法陣によって、戦う前の状態に戻してくれるからだ。最悪、殺してしまっても無かったことになるので、参加者全員が己の得意とする武器、魔法をもって全力で戦うことができる。


「それで、今回の本戦に出る人はどれくらいいるのですか?」


サーシャが聞いた


「はい、予選を勝ち抜いたのが12名で貴族枠からは4名です。」


「あれ?結構少なくない?」


「予選では何組かに分かれてバトルロイヤル形式で行ったようで、最後に残った2名が本戦に出ると言った形をとっています。今回は1000名を超える人が登録したと言われてます。」


カトレアはそんなことを言った。1000名以上とは思ったより多いと俺は思うと同時に本戦に出る12名はバトルロイヤルで生き残った強者だという事に俺は喜びを隠せなかった。しかし


「貴族枠は4名って少なくないですか?」


リーシャが俺と同じ疑問を持ったようでカトレアに聞いた。


「ええ、貴族枠は本来であればもっとあるのですけど、今回は、ほとんどの貴族は不参加を決め込みまして・・・」


カトレアはそう言った。まあ、貴族枠で参加した者が負ければ貴族のプライドに傷がつくとでも考えたのだろう。また、今回はどこの貴族か知らないけど、代表者を出して戦わせるようなことを言っていたので、よほど自信がある貴族くらいしか参加していないだろう。


「(貴族側の参加が少ないが、もしかすると権力を使って脅しに来るかもしれないな?)」


俺は今回の大会では派閥も関わってきていると考え、カトレアやハンスたちにこのことを伝えた。


「なるほど、確かに考えられるね。」


「ええ、権力で脅してくる貴族がいてもおかしくありません。」


ハンスとサーシャが言う。


「すまないが、万が一に備えて、ハンスたちはカトレア様についていてくれ。」


俺はそう言った。その後ハンスたちはカトレアの護衛につくこととなる。ルークたち騎士団もいるけど保険はあった方がいい、それにハンスなら相手が貴族でも容赦しないだろう。俺の方は相手が貴族でも敵対するのであればぶっ倒すつもりだ。勿論、カトレア様にはその事で迷惑がかかるのであれば俺たちを専属冒険者から外してもらっても構わないことは既に伝えてある。


「で、俺の試合は・・・最後か。」


どうやら俺の試合は最後のようだ。まあ、最後なのであれば、その間はハンスたちと一緒にカトレアの護衛につくことにした。そして、貴族ルームヘ案内され、俺たちも護衛と言うことで問題なく通される。


「さて、どのような強者がいるかワクワクするな。」


俺は貴族の特等席で大会を見届ける。


「レティシア少しは落ち着いたら?」


ハンスが言うが、それは不可能なことだ。俺は強者と戦いたいからな。隣ではカトレアが笑っていた。


「失礼しました。勝手に盛り上がってしまい・・・」


「構いませんよ。しかしレティシアは本当に戦いが好きですね。」


「あははは」


俺は笑うのであった。そんな中


「カトレア~!」


いきなり一人の少女がカトレアに抱き着いた。


「エレノア様!」


さすがのカトレアも驚いたようだ。まあ、いきなり王女が来ればそうなるわな。エレノア以外にも数名の護衛がそこにいた。


「エレノア様。」


一人の男性が言った。


「ごめんなさい。ローゼン公。」


エレノアが謝る。ローゼン公爵、この国の三大貴族の一角らしい。見たところ人当たりのよさそうな、おじいちゃんだけど・・・そんなことを考えていると、エレノアは俺たち向かって


「始めました。護衛の方々、私はロワイス王国第一王女、エレノア=ロワイスと申します。」


エレノアが俺たちにお辞儀したので、「初めまして。我々は「暁」というパーティーを組んでいる冒険者です。」とそう言った。まあ、王族に対しての挨拶としては微妙だけど・・・


「こちらこそ。よろしくお願いします。」


笑顔で返された。その後、エレノアはカトレアと手紙の話などをして、楽しんでした。そんな中


「あら、あなたは?」


俺は聞き覚えのある声がしたので後ろを振り向いた。そこには聖女と称えられる、アリシア=ファーレンガルドの姿があった。

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