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聖女

俺たちはルークに案内され貴族街に入った。先ほどまでの雰囲気とかわり、高価なものがいくつかある。また門には警備兵が配置されていて許可がない者は入ることができないようになっていた。俺たちはそんな風景を見ながら、カトレアのいる屋敷へと向かったのである。


「ようこそいらっしゃいました。お客様。」


メイドや執事たちが出迎えてくれた。


「さまに、ファンタジー小説に出てくる雰囲気そのものだ!」


「確かにね。」


俺とハンスがそんなことを言っていたら


「ファンタジー?何ですかそれは?」


サーシャが聞くも


「たまにあの二人、訳の分からないことを言うのよ。気にしない方がいいわ。」


とアリアがサーシャに言ったのである。その後、俺たちは食堂の方へ案内された。そこにはすでにカトレアが俺たちを待ってくれていた。


「皆さま、来てくださってありがとうございます。」


カトレアが俺たちに言ったのである。


「こちらこそ、ご招待いただき光栄でございます。」


「レティシアもう少し気楽になってください。」


カトレアにそういわれてしまったので、少しだけ気を楽にした。そして、俺たちは席に着き食事をいただくのであった。


「そういえば、カトレア様の方がどうでした?確か交友のある貴族たちと、あいさつをされていたとか?」


俺はカトレアに聞いた。


「ええ、交友のある貴族の方々との挨拶は一通り済んであります。あとは三日後に行われる王城でのパーティーで他の貴族とのあいさつ回りをするくらいです。」


そうカトレアが言いい


「皆さんは、今日はどのように過ごしていましたか?」


カトレアに聞かれたので、俺たちはギルドで依頼完了報告をして、ハンスとサーシャのランクアップの報告をした。そのときサーシャがカトレアにお礼を言ったものの、「気にしなくてもいいですよ。」とカトレアに言われてしまった。その後は、俺がSランクになった話し、自由時間には、ハンスたちが買い物と食事をとったことを話、俺は一人で王都をブラブラしていたことを話す。


「そういえば、教会に言ったとき、アリシア=ファーレンガルドと名乗る聖女にあったけど?カトレア様はご存じですか?」


俺の言葉にみんな絶句する。


「どうしたの?みんな?」


「いやいや、どうしたの?じゃないよ!なんでレティシアは彼女の事知らないの?」


ハンスが言ってきた。もしかして結構な有名人?


「この国に住んでいる人なら、みんな知っていますよ。彼女の事なら。」


カトレアが言うには、彼女はこの国の三大貴族の一つファーレンガルド公爵家の令嬢であると共に教会に所属している聖女らしい。カトレアの説明にみんなが「うんうん」と頷いている。


「ほう・・・結構、有名人なんだ。」


「むしろ知らない方がすごいよ。」


「いや、興味なかったからね!」


俺はハンスにそう言った。その後、カトレアがアリシア=ファーレンガルドについていろいろ教えてくれた。なんでも、天職の義で聖女の職業を手に入れて、その後、すぐに教会に所属し、日々、聖女としての修行をしているとの事。そして、貴族や平民に対して平等に接し、誰にでも優しいとのこと。また回復魔法の効果も高く、この国の第一王子の婚約者でもあるようだ。うん、全く知らなかった。


「へ~、すごいね。」


俺は、ただ感心するだけだった。正直、彼女のような生き方は出来ないと心から思ったからである。


「でも、アリシア様って回復魔法はすごいって聞いていたけど、それ以外の話って聞かないのよね。」


カトレアが続きを話す。なんでも、回復魔法はすごいらしいが、それ以外の話は出てきたことが無いらしい。


「その事なら私も知っています。それに、部位欠損などの大怪我は、魔法ではなく高価なポーションを使って直したとか。」


リーシャが不思議そうにそう言った。


「純粋に魔力量が足りないだけじゃないのか?」


ハンスがそう言った。確かにエクストラヒールは部位欠損も治せるが、それなりに魔力を消費する。なので、彼女の魔力量が足りなかった場合は発動することができない。だから俺は、ハンスの言葉に


「そうだな。部位欠損などを治すエクストラヒールは消費魔力が多い。だからポーションで治したのだろう。幸い、切れてしまった部位さえあれば、ポーションで何とかなるからな。」


そう、エクストラヒールは失ってしまった部位を元の状態に戻せるけど、ポーションの場合は切れてしまった部位をポーションで繋ぐといった感じで治すことができる。勿論、切れてしまった部位が無ければ元に戻すことはできないけど・・・


「なるほど、それなら納得ですね。」


サーシャが言う。


「そういう理由があったのですね。同じ聖女であるレティシアが言うのであればそうなのでしょう。」


そう言ってカトレアがこの話をしめる。そして


「そうでした、レティシア少しお願いがあるのですが?」


カトレアが俺に聞いてきた。


「なんでしょう?」


「実は、パーティーの前日に、数年に一度開催される武闘大会が行われるんですけど、貴族枠でレティシアにその大会に出てほしいんです。」


カトレアはそう言った。その言葉に


「武闘大会だと!!」


俺はその言葉に反応する。

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