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自由時間

「さて、どこに行こうか。」


俺はそんなことを言いながら一人で王都を周っていた。


数時間前


「とりあえず、現状でSランクになるのは難しいという事だけ分かった。」


ハンスがそう言い、みんなが同意する。大波乱なんてものはそう簡単に襲ってこない。なので、今の時点ではSランクになる機会はそうそうないだろうと、みんなが結論付けた。


「まあ、それでも強くなるために訓練は必要だ。」


「そうね。私も聖騎士としての力をまだ、使いこなせていないわ。」


「私は魔法使いだけど、レティシアさんみたいに接近戦もできるようにならないと。」


「私は盗賊としてもっと能力を上げないと。」


みんながそれぞれの目標と立てて強くなろうとしていた。いい傾向だ。


「さて、この話はここまでにして。せっかく王都に来たんだ。観光でもして来たらどうだ?」


俺はみんなにそう言った。


「観光か、いいわね。」


アリアが言う。


「じゃあ、夕方まで自由時間にしよう。」


俺はそう言って立ち上がる。夕方にはルークが迎えに来る予定になっている。


「あれ?レティシアは、これからどこか行くの?」


ハンスが聞いてきたので、「たまには一人で、ブラブラしたいのさ。」と言って宿を出た。


「(さて、夕方まで時間はある。どこに行こうかな。)」


俺はどこに行こうか考えながら、王都をブラブラ歩き出す。


「(王都に来たけど、どこを見ればいいのか分からん。こんな事なら、もう少し、調べておけばよかった。)」


俺は本気でそう思ってしまった。


「(ここは?教会か?)」


俺は適当にブラブラしていると教会らしき大きな建物を見つけた。


「(教会ね?正直あまり好きじゃないけど。まあ、ちょっと覗いてみるか。)」


俺が聖女になったときに教会関係の連中がしつこく勧誘してきた。勿論ギルドの後ろ盾と伯爵様の後ろ盾があったおかげで、そこまで面倒ごとにはならなかったけど。


「(さて、中はどうなっていのかな~)」


中に入ると、普通に神の形を模った石像。そして多くの長椅子が並んでいた。まあ、予想通りの教会であった。そして、そこそこの人が教会に訪れていた。


「へぇ~、意外と人がいるな~。」


「ええ、そうでしょう。」


「!!」


俺は慌てて後ろを向いた。そこには一人の女性と数人の護衛らしき男女の姿があった。


「あら、ごめんなさい。驚かせてしまったみたいね。」


「いや・・・、それよりあんたは?」


「無礼者!このお方は・・・」


護衛の一人が言うが


「やめなさい!失礼しました。私は、アリシア=ファーレンガルドと申します。」


そう言ってアリシアが頭を下げる。


「な!アリシア様!」


「聖女様が頭を下げることなど!」


彼女の護衛達がそのような事を言う。


「(聖女か・・・)」


俺はアリシアを見る。彼女は白い服を着ている。そして手には杖を持っている。確かに聖女と言われてもおかしくない雰囲気を出している。なら、護衛の者は教会の騎士と言ったところか・・・俺はそんなことを思いながらとりあえず頭を下げる。


「これは聖女様とは知らず、失礼しました。」


「いえ、気にしないでいください。驚かせてしまった私が悪いのです。」


アリシアはほほ笑む。


「それで、聖女様は俺に何かようですか?」


「せっかく綺麗な顔立ちなのに俺とは・・・」


アリシアはそう言うが、これは癖みたいなものだ。勿論、直す気もないが・・・


「失礼。先ほどの話ですが、貴女が教会の入口で立っていたので気になりまして。」


「ああ、少し教会の中が気になっただけですよ。」


「そうでしたか!良ければ入っていただいて結構ですよ。冒険者の方も結構いますので。」


アリシアが笑顔でそう言った。


「いや、もう中は見たのでこの辺りで失礼します。」


俺はそう言って彼女のから離れる。


「そうですか・・・また、何かあればお越しください。」


彼女もそう言って中に入って行った。俺がアリシアと話している間、ずっと騎士は俺を睨んでいた。まあ、どうでもいいけど・・・


それから俺はいろいろなところを周ったのである。


「そろそろ時間か?戻るとしよう。」


俺はそう言って宿に戻った。宿に戻るとちょうど、みんなが揃っていてルークの姿もあった。


「あれ?もうみんな帰ってきてたんだ?」


「うん、ちょうど帰ってきたところだよ。」


ハンスが言う。ハンスたちが帰ってきて、すぐにルークが来たとの事。どうやら俺が最後だったようだ。


「では、みな揃ったようだし、これからカトレア様のいらっしゃる屋敷に案内します。」


ルークがそう言い、俺たちをカトレアの屋敷に案内する。


「そういえば、レティシアはどこに行っていたの?」


ハンスが聞いてきたので「教会や他の場所をブラブラしてきた」と言った。


「あれ?教会嫌いじゃなかった?」


昔、教会の勧誘がしつこかったことをハンスは知っているので俺にそう聞いてきた。


「ああ、たまたま歩いていたら教会があったから中を少しだけ覗いただけだ。」


俺はそんなことを言った。ちなみにハンスと他のみんなは一緒にご飯や買い物をしていたようだ。

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