表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/52

王都到着

第四章スタートです

盗賊退治をした後は特に問題もなく王都に到着したのである。


「護衛の依頼を受けていただき、冒険者様の皆さま、ありがとうございました。」


カトレアは俺たち冒険者にそう言って、依頼完了の証明書を渡した。その後、俺たちは一旦、カトレアと別れ王都のギルドに向かった。ちなみに捕虜になった盗賊たちは既に警備兵に渡してある、そして賞金首であった、ガベールの死体も。ガベールの死体を確認し俺たちは賞金を貰った。賞金はみんなで山分けしようと言ったが、みんなは「それはレティシア倒したのだからレティシアの物」と言って、受け取ってくれなかった。


「お疲れ様です。これで護衛任務は完了となります。」


受付でそう言われ、俺たちの護衛任務が終了となる。ちなみにギルドカードを提出したときに「え?Sランク!」って受付嬢に驚かれてしまい、ちょっとした騒ぎになってしまった。どうやらこの王都にはSランクはいないらしい。まあSランクは10人くらいだし仕方ないか・・・


その後、依頼完了と共にハンスがAランクとなった。リーシャとアリアはCランクのままだったが、今回の護衛依頼でギルドに対しての実績が増えた。近いうちに二人ともBランクになるのではないかと思う。そして、何よりも驚いたのがサーシャでDランクとなった。サーシャは以前のことでFランクに降格したが、今回、自分の身を挺してカトレアを守ろうとしたことが功をなし、カトレア、ニコラス、そしてギルドマスターからの評価を貰いDランクになったのである。


「さて、依頼は完了したし、とりあえず宿探しでもしようか?」


俺はそう言い、みんなが頷いた。その後、受付嬢にオススメの宿を手配してもらい、ギルドを出たのである。


「へ~、いい部屋じゃない。」


アリアが言い


「そうですね。確りと手入れがされていて、とても清潔感があります。」


サーシャが言う。


「あわわ、私たちがここに泊まってもいいんですか?」


リーシャは若干混乱していた。


「いいんじゃない?今回のことで結構お金たまったし。」


「そうそう。足りなくなれば、適当にギルドで依頼を受けたらいいし、俺としてはオーク辺りがいいかな~。」


「ほんと好きだね。レティシアはオークが。」


とまあ、こんな会話をするのであった。


「さて、これでハンスはAランクになった。ここまで来れば、ハンスが勇者とばれても大抵のことは何とか出来るが、やはりSランクが望ましいだろう。」


俺はハンスや他の仲間にそう言った。すでにハンスが勇者であることは俺たち全員が知っていることだ。


「Sランクですか。でもSランクってどうやったらなれるものなんですか?」


サーシャが聞いてきて


「そうですね。普通に功績をあげてもAランクが限界だって聞いたことがあります。」


リーシャがそう言った。


「うん、そうだね。功績だけならAランクが限界。Sランクになるには誰もできないようなことをして、そしてそれがギルドに認められることが条件。ゆえにSランクになるのが難しいとされている。」


「じゃあさ、レティシアはどうやってSランクになったの?」


アリアが聞いてきた。


「俺の場合は一年前の大波乱の時に、聖女の力を使って町全体にプロテクションを張って、エリアヒールと支援魔法を冒険者全員にかけつつ、軽く千体くらいの魔物を屠ったくらいかな?あまり大した事はしてないけど、それで何故かSランクになったわ。」


そう言って俺はその時のことを言ったのである。ちなみに大波乱とは、簡単に言うと魔物の大群が押し寄せてくることだ。何十年もしくは何百年に一回、大量の魔物が押しよせて来ることがある。そして、その魔物の群れを指示する親玉すなわち上位種が存在する。


当時は、ギルドマスターが先陣を切る形で魔物の群れを薙ぎ払い、そして、数が減ったところを、俺や他の冒険者が攻め込み上位種を倒したのである。大体3日くらい戦ったような気がする。勿論その間もプロテクションなどは発動しっぱなしであった。


「とまあ、こんな感じで俺の場合はSランクになったわけよ。」


「「「「・・・」」」」


みんな黙り込むのであった。


「どうしたの?」


俺は疑問に思って聞いた。


「いやいや、レティシア。君、自分がどれだけすごい事をしたかわかってない?」


ハンスが言い


「うんうん、普通3日なんて魔力が持たない・・・」


さらにリーシャが言い


「魔法だけでもすごいのに、千体の魔物を倒すなんて・・・」


サーシャが言い


「うん、規格外にもほどがある。」


アリアが最後に言った。


「ふむ、俺としては納得してないけどね。できれば上位種と殴り合いがしたかった。」


「「「「いやいやいや!」」」」


「何を言っている!男なら拳で語り合うものだろ!」


「「「いや、レティシアは女でしょう!!!」」」


リーシャ、アリア、サーシャの言葉が重なったのである。レティシアの正体を知るハンスだけが何とも言えない顔をするのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ