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盗賊退治

「盗賊だー!」


俺たちが見張っているのとは別の場所から声がした。


「本当に、盗賊が出たね。」


ハンスが言う。


「これは、お約束?」


俺がハンスにそう言った。


「二人とも、変な事と言わないで、早く私たちも行くわよ。」


アリアがそう言って走り出す。その後を、俺たちがついていくように走った。今回は内通者がいると言った線は無かったようだ。俺たちが声のした場所に駆け付けると、すでに冒険者と騎士団が盗賊と戦っていた。大体、盗賊の数は30人程度であった。俺たちの方が若干少ないくらいで、このままだと問題なく盗賊を倒せるだろう。しかし


「伏兵がいるかもしれない。俺たちはカトレアの方へ行こう。」


俺は伏兵がいる可能性をみんなに言って、カトレアの方へ向かった。カトレアの方は今のところは問題なく、ルークを先頭に、冒険者と騎士団の戦いを見ていた。


「ん?レティシアではないか?どうしてここに?」


ルークに問われたので、俺は伏兵がいる可能性をルークに伝えた。


「なるほど、今戦っている賊は囮か。確かに数が少ないと思った。」


ルークは納得し、現在待機している騎士団に伏兵がいる可能性を伝え、騎士団も伏兵に対応できるように準備をする。そして、俺の予想どおり、背後から20名くらいの賊が姿を現した。


「レティシアの予想通りだったな。」


ルークはそう言って騎士団に指示を出す。そして、俺たちも盗賊の相手をするために、前に出た。


「ふっふっふ。久々の戦いだ!ワクワクしてきたな!」


俺は、腕を回しながらそう言った。


「いやいや、聖女がなんでいきなり前線に出ようとするの?」


ハンスがツッコミを入れてくるが


「何を言っている、聖女とはそう言ったものだ!」


「意味わかんないし!」


俺はハンスの言葉を無視し、メイン武器の大鎌を構え敵に突っ込んでいった。俺の意外な行動にサーシャだけが取り残され、他のメンバーは「いつもの事か。」って感じで前線に出て行った。サーシャも遅れて前線に向かおうとしたとき、盗賊が弓を放ってきた。しかもカトレアのいる方にだ!


「あぶない!」


サーシャは急いでカトレアの方に走り、カトレアの前に立った。


「数が多すぎる。捌ききれない!」


サーシャはこのままだと不味いと思った。


「(せめて、カトレア様だけでも。)」


サーシャはカトレアの盾になる覚悟をした。しかし


「プロテクション!」


いきなり、目の前に見えない壁が現れた。そして


「エリアヒール!」


カトレアとサーシャを中心に回復魔法人が現れた。そうレティシアが魔法を使ったのである。そのおかげで、サーシャとカトレアは無事だった。もちろん傷も治っていた。


「己の身を犠牲にしてまで、カトレア様を守ろうとしたその覚悟。見事である!そして、卑怯な事しかできない賊共め!覚悟はできているだろうな!」


俺は大鎌をもって賊どもに言った。これからは一方的な戦いだ。すでに、この辺り一帯に支援魔法を施している、護衛の冒険者や騎士たちはいつも以上の力を出せるだろう。


「テメーら!何チンタラやってやがる!」


盗賊の指示を取っているであろう男を発見。俺は男の方へ向かった!


「ああ?誰だテメー?」


男が俺に向かってそう言い


「うひょう!コイツは上玉だ!」


そう言って男は舐めずり回す様に俺を見た。普通であれば嫌な気分になるのが普通だが、俺の場合は違った。


「(いいね~。完全に相手をなめくさったあの目!ああいう、男を叩き潰したときの爽快感がたまんない!)」


俺は場違いな事を考えていた。


「レティシア!大丈夫か?」


俺はあの男をどうやって痛めつけようか考えていたら、ハンスが盗賊共を倒しながら駆けつけてきた。なお、リーシャとアリは騎士団の人たちと盗賊の掃討に当たり、サーシャはカトレアを守っていた。


「ハンスか?ああ、大丈夫だ。それより、あの男は俺の獲物だからあげないぞ!」


俺はハンスにそう言った。


「こんな時に何って言って・・・って、今更か・・・わかった。周りはこっちで片付けておく。」


そう言って、ハンスは、周りの盗賊を掃討しだす。


「おいおい、随分と舐めたこと言ってくれるじゃねぇか、小娘!俺様はこれでも元Bランク冒険者だぜ!」


「別にどうでもいい!俺は、お前みたいな見下した奴を痛めつけるのが大好きなんだ。」


「テメェ!舐めた口ききやがって!決めた。テメェは、犯すだけじゃなく、生まれてきた事じたい後悔させてやる!」


「いいね~!その眼!ゾクゾクしちゃう。早くやろうよ!この俺を楽しませておくれ。」


俺はそう言って、大鎌を構える。これから、この男と死闘を繰り広げるというのに、俺はただ、この男をどうやって叩きのめすか、そのような事ばかり考えているのであった。

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