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仲直り

ハンスはサーシャが目を覚ましたと報告を受け彼女のもとへ向かう。


「サーシャ入るよ。」


部屋から返事は返ってこなかったが、ハンスは扉を開けた。そこにはベッドから体を起こしたサーシャがいた。なんか随分とやつれている気がした。


「もう、起きてもいいの?」


サーシャに聞くと


「うん、大丈夫。」とサーシャが返してきた。


「そっか・・・」


ハンスが言った。その後、二人は会話がなくただ、時間だけが過ぎる。


「ごめんね。ハンス。あのとき、貴方に酷いことを言ってしまって。」


サーシャがハンスにそう言う。


「覚えてるのか?」


「うん。」


操られている状態でも記憶の方は確りと残っていたようで、サーシャはハンスに謝る。


「操られていたのであれば仕方ないよ。」


ハンスはサーシャを慰め


「それに、僕も決闘のときサーシャに酷いことを言った。こっちこそごめん。」


「ううん、いいの。でも、ハンスすごく強くなったね。」


サーシャが微笑んだ。


「あれから、いろいろあったからね!」


ハンスは「青の翼」を抜けてからのことサーシャに話した。


「そっか、ハンスは勇者だったんだね。通りで強いわけだよ。」


サーシャは納得した。


「僕一人の力だけじゃないよ。皆がいてくれたから僕はここまでこれたんだ。」


「ハンスはもうから頼れる仲間に出会えたんだね。」


サーシャは嬉しそうで悲しい顔をする。


「サーシャ・・・」


ハンスはなんて言えばいいのか悩む。そして


「サーシャもう一度、友達として、やり直さないか?」


ハンスは勇気を出してサーシャに言う。


「いいの?私、ハンスに酷いことしたのに。」


「いいよ、あの時は仕方なかったことだから、だからもう一回、やり直そう。」


ハンスはそう言った。ただし、恋人ではなく友としてだ。もう、ハンスにとってはサーシャは恋人ではない。サーシャと距離を取ってしまった事によりハンスの心が変わったのかもしれない。


「うん、ありがとう。」


「とりあえず、今後のことを皆に確認してくるよ。」


そう言って、席を立とうとするとコンコンと扉を叩く音がした。


「俺だ。入ってもいいか?」


声の主はレティシアだった。


「開いてるよ!どうぞ。」


ハンスが言った。ハンスに言われ俺は扉を開ける。


「もう起きても大丈夫なのか?」


俺はサーシャに聞く。


「はい。ご迷惑をおかけしました。」


と頭を下げるサーシャ。


「気にしなくていい。俺はハンスに頼まれたからだ。」


「レティシアも動いて大丈夫?」


ハンスが言う。


「ああ。もう大丈夫だ。」


「それより、ハンスの方は終わったのか?」


「うん、友達として一からやり直すことにした。」


「そうか・・・」


俺は頷いた。その後、俺はサーシャに自己紹介しハンスと出会った時のことを話した。ただ、見返してやろうと言った内容は伏せて・・・


「そろそろ、本題に入ろうかと思うがいいか?」


俺はサーシャとハンスに確認する。サーシャは分かっていたように


「ええ、お願いします。」


とだけ言った。結論から言うとサーシャはカトレアに魔眼を使って操ろうとした仲間にされている事。また、偽名を使ってギルドカードを作ったこと。ギルドでは一人の人間が二枚のカードを持つことを原則禁止している。今のサーシャは犯罪者として扱われていることを説明した。


「これが、今の君の置かれている状態だ。」


「・・・」


「じゃあ、サーシャはこの後どうなってしまうの?」


ハンスが俺に聞いてきたので、俺はハンスに説明する。


「このままだと、犯罪者として裁かれるだろう。」


「そんな!サーシャは操られていただけじゃないか。」


ハンスはそう言うも、相手は貴族だ。ギルドの方は何とかなっても、貴族の方はどうしようもない。しかし


「今回の件はカトレア様も罪に問うつもりはないらしい。」


「え?」


サーシャが驚く。


「カトレア様は君の状況をしてくださった、という事だろう。そして、カトレア様から君の身柄は「暁」預かるよう言われている。大丈夫だと思うが、くれぐれも勝手な行動は控えてくれ。」


「はい・・・ありがとうございます。」


サーシャは下を向き泣き出す。その後、ギルドの方からは降格処分だけとなった。すでに俺がギルドの方に魔道具で報告していたため、ギルドマスターの権限で降格だけで収まった。ただし、「貸し一つな!」と言われてしまったが・・・


「で?ハンス彼女をどうするの?」


俺はハンスに聞いた


「俺はサーシャを仲間にしたい。」


ハンスは俺の目を見てはっきりと言った。


「まあ、ハンスならそう言うと思った。」


「え?」


「もう、すでにリーシャとアリアに話はしている。カトレア様とギルドマスターからも承認済みだ!」


俺は親指を立ててハンスに言った。リーシャとアリアもこうなる事は予想していたのだろう。だから反対も無かった。カトレアもギルドマスターも何も言わずに承認してくれた!きっと、ハンスとサーシャの事を思ってのことだろう。こうして、サーシャが「暁」に加わった。

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