警告とラルクの接触
カトレアが指示を出し現在俺たちは休憩中である。そして今、カトレアは俺たちと一緒にお茶を飲んでいた。
「まさか、移動中でこんな温かい飲み物を飲むことができるなんて思いもよりませんでした。」
カトレアが言う。俺のアイテムボックスは時間経過が無いので温かいままである。まあ、魔道具などで温めることも可能であるが・・・
「そうでもないでしょう?カトレアであれば火を沸かす魔道具くらい持っているのでは?」
俺は聞くも
「火を沸かす魔道具は確かにありますけど、時間がかかってしまいます。」
カトレアが言う。まあ、確かにそうだが・・・
「そういえば、カトレアはギルマスから魔道具を預かったか?」
俺はカトレアに聞いた。
「お祖父様からですか?ええ、何でも魅力の耐性があるとか」
そうカトレアが頬に手を当てて言う。
「ギルマスから魔道具をもらっているのであれば問題ないけど、カトレアには話しておくね。」
俺はカトレアにそう言った。ラルクが魔眼を持っている可能性とカトレアが狙われる可能性。そして、魔眼の能力について。その話を聞いたカトレアは
「ひどい!そのようなやり方で無理やり従わせるなんて!」
と怒ったのである。
「それでは、ハンスさんの幼馴染は・・・」
カトレアがハンスの方を見て言った。
「あくまで可能性の話だからね!ただ、魅了されていたら助けたいと思う。」
とハンスは言う。俺たちはカトレアと話をしている中、少し離れたところにフードを被った二人組がいた。
「ハンスのヤツ!領主の娘と仲良くしやがって!」
「ホントね!」
何を隠そうこの二人組は「青の翼」の二人だった。勿論、「青の翼」はギルドから信頼を失っているため、二人は偽名を使ってFランクから初め、そしてEランクになり、今回の依頼に滑り込んだのである。
「今に見ていろ!最後に笑うのは、この俺様だ!」
とそんなセリフを言っていたのである。
その後、休憩を取ったカトレアたちは、大きな問題もなく進んでいくのだった。オークやゴブリンなどが出たが、冒険者や騎士団が片付けてしまったため、「暁」の出番じゃなかった。戦えなかったのはちょっと残念だ!俺はそんなことを思いながら、カトレアの近くで護衛していた。そして、日が傾き出して
「今日はここまで!各自野営の準備を行え!」
ルークがそう言った。ルークの言葉で、他の冒険者や騎士たちが野営の準備をしだす。勿論、俺たちもと言いたいけど
「俺たちはこれだね!」
俺はそう言って、アイテムボックスから、魔法のテントを出す!このテントは魔道具で何と見た目によらず中は広い。これも、オネェがくれたものだ!
「レティシアって、いろいろ持っているな!」
ハンスが感心する。
「ホントですね。アイテムボックスだけでも羨ましいのに、このような魔道具まで!」
アリアが言った。
「うんうん」
リーシャが頷く。
「そして、アイテムボックスから温かい料理!」
俺はそう言って料理を出す!
「美味しそうな匂いがしますね。」
匂いに釣られてカトレアがやって来る。
「カトレアも一緒にどう?」
とハンスが誘う。
「え?いいんですか?」
「ええ、構いませんよ。」
俺も同意し
「みんなで食べたほうが美味しいです。」
リーシャがいい
「だね~。」
とアリアが言う。
「ありがとうございます。正直、野営食はおいしくないと聞いていたので・・・」
カトレアが言う。まあ、野営食なんて固いパンと冷めたスープなどが多い。温かい料理なんて普通はありつけないだろう・・・
「まあ、レティシアがアイテムボックスを持っていてくれたから、僕たちもこうして温かい料理にありつけるんだけどね。」
とハンスが言った。
「そういえば、レティシアはアイテムボックス持ちでしたね。」
カトレアが言う。
「ええ」
と俺は返した。アイテムボックスは俺の持っているスキルの一つでレアスキルになる。ファンタジー小説によく出てくる能力で生き物以外を亜空間に収納するという能力だ。商人には大変人気のスキルでもある。
「アイテムボックス持ちなんて、私たちの知っている中ではレティシアだけじゃないの?」
アリアが聞いていた。
「どうだろうな?今までソロだったから、他の人は知らないな。」
と俺はそう返した。その後、俺たちは食事を済ませ、夜の見張りの準備をする。
「見張りの順番は確か2番目だったね。」
ハンスが聞いてきて
「ええ、そうです。」
とリーシャが答える。今回はパーティー単位で見張りを行うことになっている。そのため俺たちは4人で夜の見張りをすることになる。
「カトレア。そろそろ俺たちは少し休むよ。」
とカトレアに言った。
「ええ、夜の見張りお願いします。」
そうカトレアが言う。そして、カトレアと別れようとしたとき、フードを被った二人組が近づいてきた。確か、最初の見張り役の冒険者だ。
「カトレア様、少しよろしいですか?」
と二人組の一人が言った。
「はい?何でしょうか?」
カトレアはそう言い。二人組に近づいて行った。俺たちは見張りの話かと思い近くでカトレアを見ていた。しかし、いきなりカトレアの持っていた魔道具が光りだす。
「カトレア!」
俺たちは急ぎカトレアの方へ走った。
「な!魔道具だと!」
二人組の一人が驚く。カトレアから光っているのは魅力耐性のある魔道具だ!という事は・・・
「ちっ、どこまでも邪魔をする。」
二組がフードをとり、ラルクとサーシャが顔を出したのである。




