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新たな仲間

俺はいつもより少し早く起きた。リーシャとアリアはまだ寝ているようだが、ハンスの姿が見当たらなかった。


「(もう、起きているのか?)」


俺はそう思い、二人を起こさないように部屋を出る。そして、裏庭でハンスを見つけた。どうやら剣を振っているようだ。


「おはよう。ハンス今日は早いね。」


「レティシアか、おはよう。」


「珍しいね。こんなに早く起きるなんて。」


「うん、何だか眠れなくてね。」


「あの二人のことを、考えていた?」


「うん。それでね、相談なんだけど・・・」


「いいよ。」


「え?まだ何も言ってないけど。」


「あの二人をパーティーに入れたいって言いたいのだろう。」


「うん、そうなんだけど、よくわかったね。」


「君の顔を見たらわかるよ。」


俺はそう言った。


その後、しばらくハンスと一緒に訓練をして、部屋に戻った。部屋に戻ったらすでに二人は起きていて、俺たちが帰ってくるのを待っていた。


「待っていてくれたのかい?」


俺が言うと


「はい、窓からお二人が木剣で戦っているのが見えましたので。」


リーシャが言い


「なので、私たちはここで待たせてもらいました。」


とアリアが言う。そして「「昨日はありがとうございました。」」二人からお礼を言われる。


「おかげで野宿せずにすみました。」


とアリアに言われた。


「気にする必要はない、ハンスもいいと言ったのだからな。」


「そうだね。だから気にする必要はないよ。」


ハンスが二人に言った。


「でも、私たちお金が・・・」


リーシャの言葉に


「お金のことは気にしなくてもいい、それよりも・・・」


俺が言おうと思ったが


「いや、今回はハンスから言った方がいいね。」


俺はその後のことをハンスに任せた。


「え?僕が?」


ハンスはそう言うも


「君がリーダーでしょう?」


と俺は言い返した。


「そうだね。わかった。」


ハンスはそう言い、二人に向いて


「良かったら、僕たちのパーティーに入らないか?」と誘った。


「「え?」」


二人は驚き


「私たちは下級職のDランクですよ。」


とサリアが言うが


「ランクや職業なんて関係ないよ。そんなこと言ったら僕なんて最初はFランクでSランクのレティシアとパーティー組んだし・・・」


ハンスは二人に言う。二人は俺の方を見るも


「ああ、大丈夫。すでにハンスとは話を済ませている。」


俺も了承していることを伝える。


「すぐに答えを聞かせてもらわなくてもいい、時間をかけて考えてくれ。」


ハンスは二人に言うも


「いえ、パーティーに入れて下さい。」


とアリアが言う。


「アリア?」


「リーシャ、入れてもらおう。このままだと私たち・・・」


その言葉の後は言わなくてもリーシャにも分かった。今の二人は「青の翼」を追放されただけでなく、指名依頼失敗の噂と決闘の時のラルクの態度で「青の翼」の悪い噂ばかりだ。当然、「青の翼」のメンバーてあった私たちもあまりいい噂がない。そのため誰ともパーティーを組んでもらえない状態だった。そんな彼女たちは、自分たちのこれからの事が心配でたまらなかった。


「そ、そうだね。ご迷惑でなければお願いします。」


とリーシャは頭を下げる。


「うん、これからよろしく。二人とも。」


ハンスがそう言った。こうして、リーシャとアリアがメンバーに加わった。


「二人がパーティーに加わったので、ちゃんとしたパーティー名を決めないとね。」


俺がそう言う。


「そういえば、僕たちパーティー組んでいたけど名前決めてなかったね。」


ハンス言う。


「二人は何かいい名前ある?」


俺が二人に聞いた。


「ごめんなさい。いきなりなので・・・」


リーシャがいい


「私もすぐには・・・」


とアリアが言う。まあ、いきなり言われても困るわな。


「じゃあ、「却下!」」


「言う前に却下ってひどくない。」


「レティシアの事だからどうせ、碌な名前ではない。」


ハンスがきっぱり言う。確かに「ハンスと愉快な仲間たち」は却下されそうだ。


「仕方ない。真面目な話で・・・」


俺が言う隣で


「やっぱ碌なことを考えていなかったか。」とハンスに呆れられる。


「・・・「暁」でどうだ?」


「暁か・・・」


ハンスがそう言った。


「暁とは夜明けという意味を持つ。暗い過去を持つ俺たちがこれから明るい未来に向かうという意味で「暁」でどうだろうか?」


「なるほど、いいんじゃないかそれで。」


ハンスも答え


「私たちもいいと思います。」


二人も賛成してくれた。こうして俺たちのパーティー名が「暁」となった。俺は三人の方をみて密かにほほ笑んだ。


「(何だかんだあったけれど、気が付いたら四人パーティーになったな。少し前の俺であれば絶対にありえなかったことだろう。)」


俺はハンスと出会わなければ、今もずっとソロで冒険者をしていただろうと思った。そして、こんな状態も悪くないと思う自分がいた事を気づかされたのである。

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