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閑話~青の翼編②~

「ちくしょう!!」

俺は、ベッドの上で叫んだ。


今の俺は病院だ。指名依頼でけがをし、ベッドで入院だ。元々、貯金をほとんどしていない俺が今回の治療費で底をつきかける。これもすべて、しっかり準備をしなかった、あいつらのせいだ。ラルクは今回失敗した原因はパーティーメンバーにあると考えている。

「サーシャは俺と同じ上級職だからいいとして、リーシャとアリアだ。あいつらは下級職のくせに何の準備もしていない。下級職ならそれくらいは、しろっての!」ラルクの怒りは収まらない。今回の件、俺たち「青の翼」の評価はガタ落ちだ。なんの準備もせずに失敗した愚か者。周りからはそう言われえる。中には「ハンスがいたから今まで上手くいっていた。」なんて言うものもいる。ありえないことだ。あいつは村人の役立たずだ!俺のイライラは収まらないでいた。



「ねえ、アリア。」


「ん、何?リーシャ。」


今、別の場所で二人が話をしていた。二人は同じ村の幼馴染で、冒険者なろうと言って村を出た。そこで、「青の翼」のメンバーに出会った。最初はリーダーの見た目が良く、そして、上位職が二人もいるってことから加入を決めただけである。だが、前回の指名依頼を失敗して、ラルクとサーシャがケガをしてからは、二人だけで依頼を受けていた。ラルクは入院。サーシャは腕の骨折で武器を振るえないためである。そして、二人だけと言うこともあり、難しい依頼は受けることが出来ず、簡単な依頼をこなしてお金を稼いでいる。そのため、以前のような生活が難しくなっている。それだけでなく、前回の依頼失敗がギルドで噂になっていることもあり二人は気を病んでいる状態だ!


「はぁ〜」

リーシャがため息をつく。


「ため息つくと幸せが逃げるよ。」


「ため息くらいつきたくなるよ。」

そうリーシャが言った。


依頼失敗だけなら問題ないが、準備もせず、ちゃんとした情報収集も出来ず、ただ、けがをして逃げ帰って来ただけ。周りからはこれが噂の「青の翼」かって、笑い者にされている。中にはハンスが一番優秀だったんじゃないかって声も聞こえる。確かにハンスはよく気が利いて事前に色々準備をしてくれてた。私たちにも色々してくれていた。正直、私達はハンスを嫌っていなかった。


「もう遅いのかな〜」

アリアが言う。


「ハンスのこと?」


「うん。正直、彼がいなくなってから、このパーティーは悪くなってきている。」


「彼のおかげで、今まで何とかなっていたんじゃないかなって?」


「私もそう思う。」

アリアが言った。


「戻って来てもらう事って出来ないのかな?」


「難しいと思う。何よりラルクがね。」


「サーシャとは幼馴染だったんだよね。」


「うん、そう言っていたけど、今はどうなのかな?」


サーシャは変わった。ラルクと一緒にいるようになってから。理由はわからないけど・・・


「「はぁ~」」

二人はため息をつくのであった。



しばらくして、サーシャとラルクの怪我が治り、いつのもメンバーで依頼を受けようとギルドに向かった。まあ、ラルクは相変わらずイライラしているみたいだが。

ギルドに入ると、例の依頼が達成されたと話題になっている。その事にラルクはピクリと反応。そしてトドメの話が、達成したのが、あのハンスである。


「(あいつが、依頼を達成!?あの役にも立たない村人が!ふざけんな!)」


ラルクはこれまでに無い怒りを覚えた!


「ハンスが依頼達成ね。ありえないわ。」

サーシャが言う


二人がそんなことを言っていたが、さらに追い打ちがかかる。今回の功績で何とかハンスがBランクに上がったと言われている。そう、ラルクたちはDランクに対してハンスはBランク!その事がラルクをさらにイライラさせる。そして、ハンスは今パーティーを組んでいるとのことだ!しかもこのギルドで唯一のSランク冒険者にして聖女の職業を持つ彼女と!


「(おのれ!ハンス!俺の邪魔をするばかりか、よりによって俺が狙っていた聖女とパーティーを組むだと!どこまでも俺をイライラさせるやつだ!)」

ラルクはそんなことを思っていた。


「(なぜ、英雄になるはずの俺がこんな所で躓かなければならない。本来なら、すでにAランクになって、聖女をパーティーに入れ、オレはハーレムを築き、そして俺の英雄伝で有名になっている筈なのに!)」


ラルクは一体何処で間違えたのかそんなことを考えていた。ラルクがイライラしているのを見て、アリアとリーシャは、ラルクはただ見た目だけだったのではないかと思うようになっていた。



ガタッ、ギルドの扉が開く音がした。


「ふう~、今日もなかなかいい依頼だったね~」


「いや、レティシア・・・毎回、思うのだけど、何で聖女なのにオークと殴り合うの?」


そこには聞き覚えのある声がした。


「だって、大鎌だとあっさり終わっちゃうでしょう?俺は、バトルがしたいんだ!」


「どこかで聞いたセリフだね~」


俺と言う変わった少女と、そしてハンスが楽しそうに話していた。

ハンスを見つけたラルクはニヤついた笑みを見せ、ハンスに近づくのであった。

ここで第1章は終了です。すでにストックがなくなっているので、第2章以降は時間がかかるかも、しれませんがご了承ください。

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