鬱憤
僕達は再び闘技場に立っている。なんて言っても僕とクロスは初めてだけど。
どうやらトゥアハーデシャッハさんの行動に不満があるそうなので、その不満持ってる人VSヴェルゴーニュ学園生徒という試合を行うことに。
見た感じ379人。結構いるのか少ないのかは微妙な所かな?
こっちは22人。それでも負ける気はしない。
ねぇクロス。手加減してよ、じゃないと一瞬で終わっちゃう。
前向きに善処しながら出来たらやるわ。
クロス様だけじゃなくてアットンもですわ!3分、それだけ二人は我慢なさって。近距離得意な人は最初の1分半、遠距離の人は後の1分半に怒りや不満全てを注いでいきましょう。
不満が溜まってるのはどちらか思い知らせますわよ。
その言葉に僕等は最後列に行く。もう少しで開始時間。今大会では禁止されてたけど、この戦いは開始前に魔法を使って強化を使っても許される。あ、今クロスが、皆にこっそり魔法をかけて底上げしてあげてる。優しいな。
そして開始と同時に喧騒に包まれる。
ねえ、3分経ってもクロスは10秒位待っててくれない?
ズルいぞワイアット。俺達の仲だろ?
仕方ないなぁ。それじゃあさ、もし僕がツーちゃんみたいに教会から狙われたら、守ってやるって言ってくれる?
はぁ?何言ってんだワイアット。
えっ、
教会だろうと神様だろうとワイアットが危険な目に合うんなら全力で守ってやるに決まってんだろ。言わせんなばか。
うん。ありがと。
よし、交代だね。まだ半分は残ってるか、レトスラの生徒も残ってる。あの時の恨みぶつけてやる!
僕は久しぶりにガトーショコラと魔法を全力で使って暴れた。怒りに任せて戦ったのはもしかして初めてかもしれない。
こうして僕達の対抗戦は終わった。結果は当然圧勝で、クロスは半分を残してくれた。ありがと、クロス。
歓迎されてない順位発表には出ずにそのままヴェルゴーニュへ帰ることになった。門の所まで行くとそこにはレリュートさん親子がいた。
まさか君達二人を温存してたなんてね。来年も再来年も出場するからその時は決着をつけよう。負けないよ。
ところで君、なんであの時後ろからの奇襲に気づいたんだい?
ワイアット様の声が聞こえました。いえ、実際には聞こえてないんですけど、呼ばれた気がしたんです。
なんか嬉しいな。リリウスちゃんに通じたんだね。
しかし少年よ、本当に君一人で教会を敵に回しても戦える力があるとは。
4年程前から教会の暗部が力を失い、やっと動けるようになった私が言うのもなんだが。
今の教会を快く思わない者もそれなりにいる。教会と一括にしないでもらえると助かるよ。そしてツデーレ王女様。
王家と教会は今の形ではなく、そのうち良きライバルとして有りたいものだ、このままではいづれ……。
いや、今は言うまい。
手を振り別れを告げ、僕達は今度こそこの街キッサを出た。ヴェルゴーニュまでトレーニングしながらだけど。
相変わらずの拙い文ですので誤字脱脂あれば報告お願いします。
本作は私の文章力の低さに相まって、カギ括弧を使わない構成になっていますので余計にわかりにくいと思います、




