表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/9

第三章~神、祓魔部へ~

「コホン……イテテ……何で本当に滑ったんだ」

「だから申したではないか」

正人は何処か気恥ずかしそうにして、二階で蒼夜と別れ「後で」と言って後の合流の約束をした。

「まぁ良いや!何か來斗からの圧が凄くて先生おしっこチビりそうだ」

そりゃ神だから?全世界の神々の頂点に立つ神だから?

「うむ、そうか……気配を少し薄くしとかねばならぬな……」

「そんな事出来るのか!?來斗はやっぱりただ者でないな!俺には無礼講で構わねーけど真弓先生には敬語使えよ?」

「覚えておこう、気が強い女は嫌いではないからな」

それを聞いて正人はギョッとする!他の生徒が真弓を毛嫌いするのは生徒はあくまでも……どこまで行っても子供で大人に従う者と言う少し古くさい考えがあるからだ今は生徒だって教師に意見を言える良い時代だ。

「お、お前……許容範囲広いな……あっここだ教室!二年二組だ二年は五組までしか無いからな?」

「私は心は広いつもりだ。そうかここが私の教室とやらか!私は今まで一人で勉学を(たしな)んで来た故少し寂しかったのでな!嬉しき日よ」

ルンルンとした表情で教室のドアの前に立つ。

「來斗って不思議な生徒だな」

中からは若々しい声が聞こえる。ふざけて友人をからかっている声やそのからかわれた生徒を笑い飛ばしたり「もう先生来るから座りなさい!」と怒る声もする。來斗に取っては全てが新鮮で賑やかな縁日の様にも思えた。


ガラッ!


「ほーら、お前達静かにしろー」

正人が教室に入る前に來斗に「少し待っててくれ」と伝えて先に入る。來斗は閉められた戸の前で待っていた。

「今日は皆に転入生を紹介しようと思う」

「キャー!?もしかして今朝のイケメン??どっち?赤い目の彼?蒼い髪の彼?」

中ではキャーキャーと女子の黄色い声が止めどなく聞こえる。男子も「女子ウルセー」と言っているのが聞こえる。

「気になるだろ~?じゃ!入ってくれ」

そう言われて來斗はガラリと戸を開けて中に入る。黒いが光が当たると青紫っ気のある後ろで結わえている髪が(なび)く、そしてその顔は明らかに日本人なのに目だけ緋色の燃えるような瞳を蓄えて入って来ると教壇の隣に立ちその隣に正人が来て黒板に『天内來斗』と書く。女子達が騒いでいる声がなかなか止まない。正人が落ち着かせようと口を開くと右側に立っていた來斗が正人の前に手を伸ばす。

「静粛にして貰いたい」

來斗がそう言葉を発しただけで一気に騒いでいた女子達もそれを宥めていて逆に五月蝿くなっていた男子達もシン……ッ!と静まり返る、來斗の言葉には言霊が宿る。女子も男子も口がパクパクといってはいるが言葉が出てこない。

「うむ、少し言葉に言霊を込めて悪かったな……私はエリ……天内來斗である今まで他人と学んだ事が無い故色々と教授させて貰いたい」

「來斗……は窓側の空いてる席な」

やっと正人が口を利ける様になり何とか声を振り絞る。


一方……


「真弓殿は、この学園に就いて長いのか?」

「『殿』じゃなく『先生』あと敬語を使いなさい!」

蒼夜は面倒臭い……と思いながら來斗以外の敬語など四大天使の方々にしか使わない為難儀だなと思う。

「私のクラスと言うことは蒼夜さんは頭が良いのでしょうか?三年は一組と二組が比較的大人しく頭が切れる生徒が集まっていると思います」

「分かり兼ねます。人と学んだ事はなく剣術や聖術、学問を習うときは私一人だったので」

「そうですか」

真弓は眼鏡をクイッと上げ表情一つ変えない。蒼夜は真弓が余りに固く詰まらない女とも取れた。しかし來斗は「守りの固い女程照れた顔が可愛らしい時があるのだ」とも言っていたのを思い出す。この固い女を崩したらどれ程愉快だろう?

「もうすぐ着きます。蒼夜さん?聞いていますか?」

振り返ると、蒼夜が急に真弓の側に寄る。

「先生は、女なのですからもう少し微笑むと美しいと思いますよ?」

廊下の壁にドンと手を付いて……世に言う壁ドンをした形になるとそのまま身を屈めて身長の低い真弓に迫る。

「ちょっ止めなさい!蒼夜……さ……、ん」

頬を真っ赤に染めて目をギッチリと瞑る。蒼夜の整頓された顔が近付いて来るのが息遣いで分かり思わず体を強張らせる。

「良い匂いですね?真弓先生は……」

「~~~っ!!」

恐る恐る目を開けると両肩に手を乗せている蒼夜の金眼に心まで見透かされている様な気がしてなら無い。今まで生徒にこんな事をされた事がない。自分はしっかりとした大人であると自負していたが……。

「このまま唇を奪ってしまっても私は構いませんよ?」

蒼夜にとって長い人生を生きてきた為キスなどなんの抵抗もなく出来る。真弓にとってはこんなに緊張するキスを朝から!?と思うが、心の何処かでこんなチャンスもう無いかもしれない。ゴクリと真弓は生唾を飲む。

「なんて!冗談ですよ?」

「なっ!私をからかったのですか!?」

「おや?期待していましたか?可愛い所もありますね『真弓先生』?」

ケラケラと笑う蒼夜……。真弓は耳まで赤くして、思い切りビンタをしようと手を振り上げる、だが蒼夜はスッと躱してそのまま手を引く。

「怒ると幸せ、逃げますよ?」

「~~~!!知りません!?」

ツカツカと歩いて行き蒼夜は一泡吹かせてやったと面白気に笑った。教室に着くと……他の生徒に紹介され。

「一ノ葉葉月さんの隣の席です!蒼夜さんの事を頼みましたよ!葉月さん」

「はい……?」

「ククッ……」

「よろしくね?天内くん」

葉月が一番後ろの席で隣の蒼夜に話し掛ける。

「弟……來斗様が()られるので私の事は名前で読んでくれ」

「わ……分かりました」

だが、葉月は蒼夜の胸にある日祓のバッジを見逃さなかった『もしかして……?』と思ったがなかなか訊けずにいた。


「來斗、お前どっから来たんだ?」

「うむ、何しろ遠くてな聖域と言うか何と言えば良いのやら?」

「うーむ」と悩む來斗。他の生徒からすれば『聖域』などは未知の世界である。すると來斗は人混みに混ざった風花の姿を見付ける。

「おお!?風花ではないか?同じクラスであったか!」

「よ、よろしくね……來斗くん」

質問攻めに遭っているのを見て居たたまれない目で見てて、來斗もそろそろ疲れて来ている所に風花を見付けたのだが……。

「どこでも良いだろ?來斗はもう俺らのクラスメイトなんだからよ」

「……でも一樹だって気になるだろ?」

「別に?半分は日本人なんだし気にすることねーだろ?」

立ったら同じくらいの目線の人間が肩を組んで来る。來斗は?マークだったがその『一樹』と呼ばれた少年がハキハキと話すから周囲は少し落ち着く。

「來斗!俺は安道一樹よろしくな!」

「あぁ助かった、一樹か良い名だな」

二人はぎゅっと手を握る。風花もあたふたとしていたが微笑ましそうな笑みを浮かべている。

「ほう……一樹はスポーツとやらをしているのか?」

「分かるのか?スゲーな」

「一樹はエースピッチャーなんだよ?」

今度は少しバラけた人混みの間を縫って来て風花が教える。まるで自分の事のように自慢してくる。どうやら仲は良いようだ。

「なんだよ、風花!ッセーな、なんでオメーが自慢するんだよ」

「一樹は自分の自慢殆どしないじゃん!自慢すべき事じゃん!二年でエースピッチャーって」

「二人は恋仲なのか?」

來斗は余りに仲良さげなので思わず訊いてしまった。その言葉に物凄い早さで反応する二人。

「ら、來斗くん!一樹とは幼馴染みなだけ!」

「そうだぜ!誰がこんなチンチクリンとなんか!」

「來斗くんの方が全然格好いいからね!」

だが一樹の前だと風花は生き生きしていた。まるで水を得た魚の様に口が達者になって行った。來斗は『元気な娘だったのだな?』考えてみるとまだ一七年程しか生きていないのだと人間はやはり元気があった方が可愛いな……と頬杖を付きながら二人を見ていた。

「來斗は何か部活入るのか?」

まじまじと來斗を見る一樹は「野球は向いてねーしな」などと言っている。

「うむ、私は祓魔師故に祓魔部に入る予定である」

「「え!ええーー!!」」

二人の声が者の見事に重なる。他の生徒も目を丸くしている。何しろ來斗は優男に見える様で魔族にすぐ負けてしまう様な気がするからだ……(それなりに筋肉を付けているのだが)

「冗談言うなよ來斗?あそこの部は魔族退治にだって行くんだぞ?」

「ほう、益々興味が湧くな」

ポンッ!と片手で掌を打つ。魔族は誰だって怖い、しかも興味本意では怪我をするのが分かる。そもそも祓魔師は持っている神力で向き不向きが決まる。部活紹介で様々な術を披露してくれるから神力だけ計りにでも行ってみようか?と新入生は行って来る者もいる。そこで神力を計られ低級の魔族を倒せる程の神力を持っていれば「入らない?」と勧められる者も居る。

「こ、怖くねーのか?魔族だぞ?」

「ここの生徒会長も祓魔部だけど頭良すぎて学校来るだけで全授業免除されてるし……」

「……マジかよ」

「うん」と小さく頷く風花、祓魔師だけでも大変なのに、生徒会長まで勤めるのは大変だなぁと思う風花に來斗は……。

「では、今朝一階からの視線はもしや……まぁ良い」

「?」

「??」

「……いや楽しくなって来た」

ニヤリと笑う來斗が居た。


「蒼夜くん」

「?何だ?」

一人の女子が蒼夜に話し掛ける。一組の連中から質問攻めに遭う事もなく來斗は大丈夫だろうかなど考えていると隣から声がした。

「蒼夜くんって……祓魔師なの」

「……私か?一応そう言う事になっている」

隣に体を向けて女子の方を向く。

「あんたは?」

「私は一応祓魔部の副部長をしているの、一ノ葉葉月!覚えてね?」

「葉月……」

すると葉月が更に食い込んだ事を訊いて来る。

「蒼夜くんってもしかして小さい頃から祓魔師の側で手伝いとかしてた?」

祓魔師ではなく神……つまり來斗なのだが今は來斗が神と言うのは日祓の人と校長と……と考えるとバレたら面倒だと思い。

「祓魔師の上を行ってらっしゃる方のお側でお仕えしている」

「いた」ではなく「いる」と言う事はその人は健在なのだと葉月は思うと無性に会いたいと言う気持ちが強くなる。

「やっぱりその人は外国のお父さん?」

「いや二年の天内來斗様だ。私は兄だがその人が主人だから幼い頃よりお仕えさせて頂いて居る」

年下で主人?兄弟で主従関係?などとヒソヒソと声が聞こえる。

「外国のお家柄なのね?じゃその來斗くんの方が強いのかしら?」

「当たり前だ……」

『戦ってみたい』と闘争心を刺激する。思わず右足のホルスターに手が行く。ただ目の前に居る蒼夜からもただ者ではない神気を感じる。

神力とは元々魔族以外の生き物全てに存在する力で戦闘など経験を積む事で少しずつ強くなる、その人の存在する能力値である。神気も同様で体の能力値と言ったところだ体術の鍛練で強固なモノのになって行く。葉月は神気を感じる力に長けている様だ。

「蒼夜くんって神気も鍛えてた?」

「当たり前だ來斗様に無礼をする気なら私直々に葉月の相手をしてやっても良い」

「うーん……私……入部試験の時……來斗くんに当たれば良いんだけど、それは先生が決めることだから」

「無礼を働く気は無いのよ?」と付け足したが何処か腑に落ちない所があったりで戦ってみたい。部活の顧問も確かに強いし、練習に来ている現役の祓魔師の人も強いのだが蒼夜はもっと強いと言う圧がビリビリ伝わって来る。

祓魔師の人達は強ければならないじゃなきゃご飯を食べて行けないし誰にも自分の戦闘経験を継承出来ない。なので大抵の祓魔師は高校や中には附属大学まで行って、その後日本祓魔師協会に席を置く。だが日本は魔族が原因ではないかと言う事件に対して派遣するのは人材費や滞在費などかなりの費用を用する。

そこで自治体には聖術を特殊な技術で施した武器を置いている所が多い勿論買うと高いので日祓からのレンタルだ。聖術の施し方も企業秘密だ。

「私は今朝……來斗様に威嚇した無礼な人間を見付けたいのだが……」

「あ……はは……見つかると良いね」

外って事は生徒会室から校庭が丸見えだから心当たりがあったから蒼夜の眉間の皺から察するにまだ苛々してるから、言えなかった。

『ごめん!隆二くん』


お昼を知らせる鐘が鳴り弁当を持って来ていない生徒が購買に詰め掛ける何とか來斗は人の間をすり抜けて取り敢えず顧問に会うため職員室に向かった(スクールバッグを持って)

「蒼夜も来るだろ」


「蒼夜くん、高橋先生に会いに行くんでしょ?」

教室でパンを食べている葉月に気付く。蒼夜はパンなど味の無いパンくらいしか食べた事がない為、不思議な甘い香りに鼻孔を擽られる。

「葉月……お前……美味そうな匂いがするな」

立っている蒼夜が葉月の顔に唇が触れる程に近付く。蒼夜は鼻が良い為、鼻を近付けてるつもりだがキスしそうなシルエットに見える。

「そ、そそ蒼夜……きゅん???!!!」

頬を真っ赤にして慌てる。声は何だか裏返る、そしてパンをポロリと落としそうになり……遂に滑り落ちると。

「落とすなよ?勿体ない」

ちゃんとキャッチしてポムッと葉月の掌に乗せる。そして金眼を少し細める。「人と言う者はすぐ赤くなる者なのか?」ニヤリと笑って去って行った。そして「可愛らしい」と呟くものだから……クラスの皆は『あざとい』と思っていた。葉月は終始デコまで赤かった。


「來斗様、スミマセン遅くなりました」

「気にするな。今顧問の先生とやらを待っているのだ」

職員室に行くと校長室に通され「お昼があるなら食べていて欲しい」と正人に言われ待っていた。來斗は今朝楓が握ってラップに包んでくれたおにぎりを食べている。そして蒼夜も來斗の真似をして(いるつもり)ラップを不器用に剥く。

「はむっ!」

もぐもぐと咀嚼(そしゃく)し口に三口程で食べ終わり次のおにぎりに手を付ける。來斗は最後の一個を食べ終わり出されていたお茶を静かに飲んでいる。

「楓様のおにぎりが一番落ち着きますね。私先程人間界のパンを見たのですが神界にあるような質素なものではありませんでした!とても甘い香りがしました」

「成る程、学校の帰りに買って帰るか?」

「良いですね!?」

そして蒼夜も食べ終わり手をペロリと舐めると(ぬる)くなったお茶を啜る。そしてそれから一、二分程待っていると一人の男性が入ってくる。

「初めまして。俺が日祓から任命されている祓魔部顧問の高橋龍介だよろしくな!俺が教えることなんて無いかもしれないがと校長に言われたが部員の良い刺激になってくれれば嬉しい」

「天内來斗だ」

「同じく蒼夜だ」

ギュッと握手をする、二人は帰りの話をしてたし急に現れた龍介に出遅れたが自らの名前を自らが名乗る。

「お昼も食べた様だし、部がある棟へ案内しよう!バッグと靴も持っていくから玄関にも立ち寄ろう……今朝は自分の名前がある靴箱がなくて吃驚しただろう?祓魔部は祓魔部のある棟から出入りするんだ、君らは大丈夫だと思うが……入部試験があるからな朝顔合わせもするから靴箱はそっちに設置するんだ」

どうやら朝も帰りもその棟からの出入りになりそうだ。通りで今朝自分の靴箱がなくて適当に空いているスペースに靴を置いたのを思い出す。朝もこちら側の棟からの登校になる様だから道順を忘れない様にしないとなと思っていたが……神殿よりは入り組んでいなそうで覚えやすそうだ。

「あ!來斗さん!蒼夜さん来てましたか!?私も今来たところです!」

朝に会った鈴が靴を持って居たところに出くわし鈴が龍介にペコリと会釈する。それに気付いた龍介も声を掛ける。

「花形も一緒に行くか?」

「ありがとうございます!そうさせていただきますね、棟への行き方が曖昧で……」


四人で渡り廊下を歩いて龍介が三人に問う。

「お前達は武器、適性属性あるか?無いし、解らないなら部で試験前に貸し出すことも可能だ」

鈴はスクールバッグから紙人形を何枚かペラリと出して

「私は火と水、風が適性属性です!武器と言うか式神使いです!?」

「ほう?聖術を施した式神が武器か珍しいものを使うな」

真顔で紙人形に印を施してあるモノをまじまじと見ている龍介。式神とは意志疎通が出来なければ行使出来ないと言うデメリットもあるが器用に使いこなせば良い後方支援が得意と言うメリットがある武器だ。

「來斗と蒼夜は?」

「私は武器なら何でも使える、苦手属性は無いな……魔術も多少なら扱える」

「私も一応全ての属性は使える。が、水が一番得意だ……聖凍術を主に行使する」

その発言に二人はギョッとする。大体の人間ならすべて使える人間は力全体に聖術を施すのに神力配分で得て不得手で全体の力が落ちるがこの二人からはそんな様子は感じ取れないし、來斗の言っていた武器は何でもと言うのも引っ掛かる。武器も聖術を通わせるのに使いやすい武器、そうじゃない武器に分かれる。蒼夜は武器を持っていない様だが蒼夜の言っていた『聖凍術』は聖水術の上級聖術である。

「凄いですね!來斗さん!蒼夜さん!來斗さんは今朝の武器ですか?」

「ああ……!?鈴には今朝見せたな、この手首に巻いているのが私の武器になるオフェロスと言う名だ」

「ん?」と龍介が首を傾げる。

「それって全知全能の神エリセ様の武器と同じ名前だった筈だぞ?知っているのか?」

龍介や他の面々にはいずれ話さなければイケないと思っていたが……不味いことを言ったか?まぁ龍介も日祓の者で校長と同じ雇われ顧問の様な者でもその位の知識はあるようだ。

「うむ、オフェロスは私が持っているのだ」

「なんで?」

「か、家宝だか……らな……?」

取り敢えず聖域に近い所から来たことは知っている様だからその場しのぎの嘘をつく龍介は『じ~~』と來斗の顔を見詰める。

「わ、私達の家は聖域と神域の中間に辺りにあって、そこで作られているのだ」

何とか蒼夜がフォローをすると……

「成る程……本物に近いものか!」

『ふぅ~』と二人で安堵した本当にヒヤリとした。暫く歩くと祓魔部部室と書かれた看板が見えてくる。

「隆二に皆集めておく様にって言ったがいるかな?」


ガラリと戸を開けた。


さてここからが本番だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ