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耳
子猫は可愛い。
何より天真爛漫の目に
映る世界は何色だろうか?
これは、
独占欲に塗れた醜い物語。
さぁ、小鞠のお話が始まるよー!
小鞠の耳は少しだけ
折れている。
垂れている、と言える。
更に耳が毛でもっふりしてるので
肉厚な耳に見えてしまう。
しかも、耳の先だけが黒い。
なんて可愛い。
パーツの一つでも語れるのが
猫である。
いや、動物はパーツの一つで
語り合えるか。
そんな可愛い罪作りな耳を
もふっても
軟骨の固い触り具合で
複雑になるが、
将来は美猫ちゃんになりそうで
楽しみである。
さぁ、魔法を使おう。
誰もが使える
一番簡単で難しい魔法を使おう。
シュレーディンガーの猫のような
絶対的な二択の結果はまだ先である。
人間らしい欲が
私を突き動かす。
魔法のような結果が欲しい。
その為に私は人を巻き込んだ。