表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/35

その9です。


 異界化の原因は大まかに分類して三つだ、とヴェリヨは左手の指を三本立てた。太い割には肌荒れもタコもない、人形のように綺麗な白い指である。


「一つは、場所そのものが悪いってパターン。方角的とか風水的に悪いとかってアレだ」


 いかにもオカルトだな、と思いつつ少年は頷いて続きを促す。


「次が、いわゆる曰くつき。合戦場だったから多くの兵士が死んだ、濡れ衣着せられて死んだ人間の怨念が……なんて感じのだな」


「それもよく聞く話ですね」


「最後が、人の噂が呼び寄せるパターンだ」


「噂が?」といぶかしむ泰地に、ヴェリヨは説明を繋げる。



 第一のパターンはともかく、二番目と三番目は「人間の意志」による部分が大きい。「こういう逸話があるから」「そんな噂に聞いたから」と信じる人が増えていくことで、本来は何もない真っ新な場所でも、現実を覆す「力」を宿してしまう。



「お前さんだってあるだろ? こういう、ちょっと離れたところにある不気味な建物を、お化けが出るとかマッドサイエンティストの実験場だとか魚人間のディスコ会場だとかって噂を聞いたり、自分から流したり」


「いや、秘密結社の基地だとかってのはともかく、魚人間はないです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ