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その3です。

「失礼する」


 やや粗野な響きを持つ低い声に、間米と箕山は振り返りつつライトを向ける。


 事件現場であるこの廃ビルは、既に警察が封鎖していて関係者以外は立ち入り禁止だ。では相手は警察関係者か――と問われると、頭を捻ってしまう。


 一人は、声の主らしい筋骨隆々の巨漢。二メートル前後の身長と子供の胴くらいありそうな太い首や腕などは、警官よりも格闘家が天職だっただろう。加えて、正確な日本語を喋っているが、白い肌に金髪碧眼で明らかに外人(北欧系?)だ。


 その後ろに控えているのは、こちらはやや細身の男。黒のインバネスコートを羽織っているせいか、大正時代の学生などを連想させる。


 人を外見で判断するのは愚かであるというのは刑事としては大前提なのだが、それでもこの二人――特に細身の男の方は、どう考えても違和感が強い。


(何かがおかしいんだよなぁ)


 箕山は素早く相手を一瞥し、特徴を頭の中で羅列する。




 修羅場をくぐった経験のなさそうな、高校生くらいの顔。


 真新しい――おそらくは今日はじめて着た黒のコート。


 同じく、使い込んでいないピカピカの黒い革靴。


 頭の上に鎮座する、軍帽のような厳めしい帽子とキラキラした勲章を付けた子犬らしきぬいぐるみ。




(……どこもおかしくないな。でも、なんか引っかかる)

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