表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/35

21

その21です。

 扉が開いた途端、泰地はさっきとは比べ物にならないほどの不快感にさらされた。口内に酸っぱい何かが広がるが、瀬戸際で噴出を阻止できた。


 やはり悪霊めいた存在がいるのだろうけど、プレッシャーが段違いだ。正直なところ、最初がこれだったら即座に気絶していただろう。


 ある意味、見えなくてよかった――と自らの鈍さを感謝する泰地に、頭上から無慈悲な一言が浴びせられる。




「そういえば、見られるようにするのを忘れていたのだ。不便をかけたのだ」




 こういう時だけ何故か優しく察しの良い魔王サマの囁きとともに、少年の視界が暗転する。だけど、それはほんの一秒にも満たない間であり、無意識に瞬きを繰り返した直後には、今までとは完全に違う光景があった。


 殺風景で何もなかったはずの部屋に、いかにもな「幽霊」がいた。


 しかも、一つや二つではない。二十か三十……もしかしたら百以上も、ぎっちりと密集していたのである。


「いわゆるレギオンってやつだな」


 ヴェリヨの出した単語は聞き覚えがある。確か「軍団」という意味だったはずだ。


「さっきのアレでも分かっただろうが、幽霊なんて単体じゃ大した力はない。物理攻撃が効かないのが厄介って程度だ。そんな非力なのでも、数を集めて融合すると力も相対的に上がってくる」


 説明よりも、本能で理解できた。これは、泰地のような素人が相手になる敵ではない。死んだことを認識するよりも早くレギオンの末席に加わっていた――なんて笑えない冗談が現実になっても不思議じゃなかった。


 真面目な話、この先輩が同行してくれて幸運だった、と少年は心の底から実感する。適材適所という四字熟語の素晴らしさを噛みしめざるを得ない。


「で、更に厄介なのが半実体化というか――」


 ヴェリヨが説明を続けようとした刹那、事態は一変した。


 部屋にすし詰め状態だった幽霊の群体が、堰を切ったようにドアへ殺到し、ヴェリヨの巨体へ突貫したのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ