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17

その17です。

 扉の向こうにあったのは、三十畳はありそうな広くて殺風景な部屋だった。空間全体がわずかに揺らいで見えるのが「異界化」というイメージにしっくりくる。


「前と左右に一つずつ扉か。まるでゲームだな。なぁ?」


(……いつか仕事に慣れたとしても、ここまで軽く対応できるようになるとは思えんなぁ)


 鼻歌を歌いながら、またもや無造作にヴェリヨが正面の扉を勢いよく開く。せめて一言くらいは相談しろよ、とツッコミを入れる暇もない。




 途端に、泰地はゾッと鳥肌が立った。




 ヴェリヨの広い背中越しに、この世ならざるモノが覗き見えた。


 一言で説明するなら「小鬼」が三匹、そして視認はできないが気配はある――おそらく悪霊の類なのだろう。霊感など縁のない少年ですら怖気で膝が震えそうになる。


 事前に説明は受けていたし、異界化した建物にいるのだから、この手の怪物と遭遇するのは予想の範疇だった。だからといって、現実として向き合ってパニックにならない道理はない。


 はうはう、と声帯がマヒしてしまっている少年を尻目に、白い巨漢は好物を山盛りで用意されたかのように弾んだ口調で呟く。




「雑魚も雑魚だな。サクッと片付けるとするかね」




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