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15/35

15

その15です。


 先に説明した異界化の侵食具合を示す段階の指標は、二段階回目以降ももちろん定義されている。


 第三段階とされているのは、異界との境界が歪んで滲んで曖昧になってしまい、いわゆる「迷宮」のような状態と化してしまった場合などを指すのだそうだ。


 いま、泰地たちの目の前には、廃ビルの外観から考えたら絶対にありえない、百メートルはありそうな長い廊下がほの暗く広がっていた。


 呆然とする少年を横目に、ヴェリヨは「いやぁ、予想外予想外」などと明るく笑っている。その軽薄さに「もしかして重大な事態ではないのかも」と楽観的に考えたくなるが、生物としての本能はそれを許してくれない。


 実際のところ、この廊下から漂ってくる空気は、今いる部屋とは完全に違っている。カビやら鼠のフンやらの悪臭は感じないが、ひんやりと頬を撫でていく微風は肌を粟立たせるのに十分だった。




「……ちなみに、第四段階ってどうなってしまうんですか?」


「無論、完全に異界と融合した状態だな」




 まさに現状がそれではないのか、とは泰地は口に出す勇気がなかった。


キリが良いので、今日はここまでとさせていただきます。

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