表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/35

11

その11です。

「で、死因云々の件だが」


 ヴェリヨは死体の上半身をぐいっと引き起こす。泰地は目を逸らしそうになるが、今度は必要があってやっていることだろうと思い直し、恐る恐る死体を観察した。



 浮浪者なのか、衣服はもちろん肌や髪も薄汚い。まだ若いよう気もするが、正直なところまじまじと凝視する勇気など持てるはずがない。


 数秒しか見られなかったが、それでも何か発言しなければならないだろう。



「……特に傷とかはないように見えますけど」


「そのとおり。この場合だと、鑑識やら医者やらが調べても、ただの突発性心不全くらいの結果しか書けんだろう」


 無論、異界化した場所であっても、怪異とは一切関係のない普通の事件(もしくは事故)である可能性は捨てられない。だからといって、普通の事件として捜査を進めた後で異界化による案件だと判明したのでは、対処が後手後手に回ってしまい被害が拡大してしまう。


 ならば思い切って、特定の場所で起こった事件は全てヴェリヨたちが引き取ってしまった方が手っ取り早い――と、なってしまったわけである。


「まあ、後から違ってたって分かっても、警察の初動ミスなんて今に始まった話じゃないからな。ウチは知らんよ、と」


 ひどい話だ。


 まあ、本当は色々と手続きなどがあるのだろう。そう信じたい。


 今回のケースでは、既に全て済ませていたか、明確に怪異の仕業であると判断されたから、こういう対処をしているのだろう――と、泰地は極力ポジティブに納得することにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ