Re:member after story04
私は悪い女
世間一般に考えても
してはいけない事をしてしまった。
きっと嫌われると思ってた。
そう、これは罰なのよ・・・だけど
あなた達は今でも優しくしてくれる。
だから・・・・・
『みあ、最初で最後のわがまま聞いて・・・』
~ Re:member after story04 ~
30分前
「は?あんた何を言ってるの?」
「まだ引っ張るのか?これ以上は彼氏に」
「どうせ今日は暇なんでしょ?行くわよ!」
僕の意見はまるで聞く耳を持たず
彼女は車に乗り込んだ。
おいおい・・・僕はアイツに怒られないか心配だ。
彼女の思いのまま、車を走らせる。
しかし何故、僕に会いに来たのだろう?
さっき店で話してたように、昔話がしたかったのか?
でも、まだ帰らないとこを見ると彼女の目的は他にあるようだな。
「ねぇ?聞いてるの?」
彼女の不機嫌な声が車内に響く。
「ごめん。聞いてなかった。なんだい?」
「だから・・・私ってウザイ?」
「突然どうしたのさ?」
「あんたの”本当”の答えを聞きたいのよ」
その言葉を言い終わる時
不機嫌だった彼女はうつむき
両手は少し震えているように見えた。
「まぁ、正直みあは何を考えてるかわからない時はある。でもね、ウザイなんて思った事は無いな」
出来るだけ優しく彼女に素直な意見を述べる。
「・・・そぅ、わかった」
少し安心したのか
顔を上げて深呼吸をする彼女。そして
「1つだけあんたの言う事、何でも聞いてあげるわ」
またまたどうした?
これは何かの罠なのか?またからかう気か?
「そんな見え透いた冗談は」
「何言ってるの?今回は私も本当に聞いてるの」
「そ、そか。じゃ~少し考えてみる」
「ええ、あ、でも私が叶えられる範囲内よ」
なんと言うか
世の中の男がこんな言葉を聞かされて
真っ先に浮かぶ事は、ほぼエッチな事であろう。
でも
僕はどうしても”本当”の彼女が見たかったんだ。
「今日だけでいいから、僕にありのままの姿で接してくれる?」
その言葉を聞いて彼女はまたうつむき
「裸は無理よ!だって彼に悪いし」
「待て待て待て!何か言い方が間違えてたのか?」
「だ、だってありのままって、あんたバカなの?」
いや、だからなんでそうなる?
「そうじゃなくて、あれ?ここ右でいい?」
「あ、ええ。右であってる」
「了解。みあは僕と話してる時は学校の時と同じで演じてるでしょ?」
「・・・多少はね」
「ならそれを今日だけでいいから彼と同じように接してくれない?」
「う・・・ん、わかった」
ところが
この言葉の中でまた勘違いをしている事がわかるのは
今から数十分後の事であるが
今はまだ勘違いをお楽しみ下さい。
時が戻り現在。彼女の案内で目的地に到着したのだけれど
「ほら、着いたよヒロぽん」
「ヒロぽん?なんで人を味ぽんみたいな呼び方をする?」
「え?だってヒロぽんが言ってたお願いを守ってるだけなの」
なんか・・・鳥肌が立つ。しかもココって
「みあの家だよね?さっき送るって言った時は帰らない的な発言しなかった?」
「えーと、何処か行こうと思ってたんだけどね、時間的に家に居てもらった方が都合いいからここにしたの!ごめんね」
正直違和感があり過ぎて自分の言った発言を悔やんでいます。
でもこの言葉使いとテンション・・・あの子と似てる感じがする。
「ね~みあ、悪いが僕は上がれないよ」
「えーなんで?遠慮しなくていいからさ」
「そうじゃなくて、彼氏いる子の家に他の男連れ込んでるなんて親に思われたらまずいでしょ?」
「心配しなくていいよ。今日は両親、母の実家に泊まりだから」
いやいや、それこそ余計に上がれないよな。
「アキトに悪いし、こんな事知られたらみあも怒られない?」
「もぅ、ヒロぽんは心配し過ぎ!彼氏は知ってるから」
・・・・・へ?
どう言う事?もしかして完全に仕組まれてたりする?
結局、お邪魔する事になってしまった・・・
案内された部屋は何処かと言えば
壁紙が一面薄いピンクで覆われていて
ベットと勉強に使っていたであろうテーブル、その上に時計があり
部屋の真ん中に少し楕円系のテーブル、その周りにクッションが3つ。
後はコードレス電話がベットの上に1個。
きっちり整理整頓されている。正に女の子の部屋。
そう、みあの部屋に通されたのだ。
「はいどうぞ」
「あ、うん、ありがとう」
曇りない笑顔を僕に魅せる彼女。
まだ慣れてないせいか緊張してしまう僕。
彼女の右手からレモン入りのティーカップが離れる。
「レモンティーだね?」
当たり前の質問をしてしまった時
彼女がすぐ隣に座り
「そうよ、苦手だった?」
そう言って少し上目遣いで僕を見る。
「あの~、みあさん。近いんですけど?」
「なぁに?ちゃんとみあって呼んでよ」
・・・これが本当の”みあ”なのか?
もし本当なら、色々と勘違いする男はいるはずだ。
僕も気を抜くとそうなりかねん。
「な~みあ、これが本当の君なの?」
「ええ、何で?」
「あまりにも変わり過ぎてて驚いてるよ」
「だって、これは特別だもの」
特別?まあ、僕に対してはそんな言葉や態度はとらないよな。
ぷるるる♪
ぷるるる♪
部屋の角にあるベットから電話の音が聴こえてくる。
席を立ち電話に出る彼女。
しばらく電話の相手と話している間、レモンティーを頂く僕。
「ヒロぽん・・じゃなかった、ヒロ電話よ!」
突然の呼び出し、しかもいつもの態度に戻る彼女。
「え?僕に?なんで?」
「いいから代わりなさい」
とりあえず言われるがまま電話に出た。
「やっほ~ヒロ、元気してるかね?」
その声は元気いっぱいのハイテンション。
君は僕にとってはとても大切な人。
「ああ、元気だよ!そっちの生活は順調かい?」
「ま~ね、まだ仕事始まってないからとりあえず遊んでるわ」
今更だけど、彼女の名は”しよ”
高校の時、僕とその友達”アキト”が同時期に好きになった人。
アキトの元彼女であり、現彼女みあの友達
そして、僕の彼女・・・であった。
この話を詳しく語るとなると約24話分頂く事になるので
ここはカットさせてもらうとして、話を進めよう。
コードレス電話を右耳にあててしばらく彼女と話していると
僕の左耳に吐息混じりの声でみあが囁く。
「じゃ、邪魔者は一旦退散するから、ゆっくり話してね」
「え?ちょっとみあ」
「え?みあがどうしたの?」
「ごめーん!ちょっと買い物して来るから!」
そう言い残し・・・みあは本当に出かけてしまった・・・
「みあ、買い物に行ったみたいです」
「ははは、気を遣ってくれたのかもね」
「ま~そんなとこだと思うけど、そろそろ白状する気になった?」
「え?あは、解っちゃいましたか”ヒロぽん”」
「な、その言い方はやめてくれ」
「でも何で?ヒロぽんって(笑)、みあを虐めたの?」
「それはないって」
「ならなんかあったんでしょ?あの子がそんな呼び方するはずないもの」
そんな呼び方はしない?なんか話がズレて来たぞ。
とりあえず説明してみよう。
「実はさっき・・・」
僕は彼女にみあとのやり取りを話した。
彼女曰く
どうやら僕の言った言葉に問題があったらしく
結論を言ってしまえば、みあは僕と話す言葉や仕草は、彼氏に対する行動。
すなわちアキトといる時にのみ魅せる姿であり、普段の彼女ではないとの事だった。
「なるほどな、だから特別と言ったんだ」
「可哀想なみあ、でも可愛かったでしょ?」
「いや、疲れるだけだって」
その後、彼女から今回の件を説明され
「みあと仲直りさせたかった?」
「正式にはもっと仲良くなってほしかった・・・かな」
「別に今でも仲は悪くないよ?今のバランスがお互いいいんじゃない?」
「そうなの?なら安心した・・・あともう1個あって」
後半の声が少し小声になって行く。
でも僕はなんとなく言いたい事はわかった。
「僕も声聴きたかったから・・・君は”約束”を守ってるよ」
約束
そう。君と別れるあの日に
僕と彼女が交わした事が1つ・・・それは
-僕から君に電話をしない-
彼女の電話番号を知ってしまえば、毎日のように電話を掛けてしまいたくなる。
それは彼女の夢の妨げになると思いそう決めた。
しかし、彼女は僕の電話番号を知っている。
だから、本当に僕を頼ってくる時があれば、話をしようと決めたんだ。
ま、今回彼女がみあの家に電話をかけて来たのは、僕との約束を守っていて、彼女に自分のわがままを聞いてもらった。
そんな所であろう。
「やっぱよく見抜くねぇ~さすがですよ」
「はは、後でみあにお礼言っとくよ」
・・・・・
・・・
・
約1時間くらい話しただろうか
『それじゃ~後の2人にも宜しくね~』
と言い残して彼女は電話を切った。
静まり返る部屋。
みあはまだ帰って来ていないのか?
とりあえず、すっかり冷めてしまったレモンティーを飲み干す。
「僕はまだ・・・いや、とりあえずその考えは無しだ」
彼女の事を考え過ぎると悲しくなってくる。
あの子は前を見て笑っているんだ。
僕も笑わなきゃな・・・
今1度、彼女の事を整理して決意を改める。
空がすっかりオレンジ色に染まる頃
玄関のドアが開く音がした。
やっと帰って来たのかな?では、そろそろ本当に帰ろう。
そう考えながらドアノブを握る手前
先にドアが開いた。
「まだ帰るのは早いぜ!」
「あ~やっぱここで登場なのか・・・」
「ま、そう言う事ね」
・・・長い1日になりそうだな




