Re:member after story03
前回のあらすじ
長距離走って疲れてるし
汗もかいたし
缶ジュースでパーカー汚れたし
家に帰ってシャワーして着替えてこよう。
てな感じで
全然あらすじにもなってないが
とにかく2人はお腹が空いたのである。
~ Re:member after story03 ~
「今度こそ着いたわ」
彼女の諸々の用事で、時刻は11時を過ぎていた。
午前に食べるはずのモーニングが
午後のランチに変ってしまっていた。
「懐しいな」
ここは駅前の洋食屋。
そう、僕の友達アキトが
前の彼女と付き合い始めた頃に訪れた場所。
「何?食後の一声がこれなの?」
とにかく空腹だった僕らは
店に入ると、会話もなく、ただひたすらに、食事をしていたのである。
「ああ、ここはアキトと来た事あってね」
「知ってるわよ、あんたの好きな子を聞かれたんでしょ?」
「ああ。正式には答えてなかったけどな」
「友達同士で同じ子を好きになるってどんな気持ち?」
「それは聞かなくてもお互いわからない?」
「・・・私は・・・」
彼女が言葉を詰まらせ、それと同時に視線を逸らす。
なんか落ち込ませてしまったのかな?
「正直驚いたし、先に告白されたのは辛かったなぁ」
と、話を修正して彼女が答えるのを止めさせた。
何か言いたそうだったけど大体の想像はつく。
きっと彼女は同じ子を好きになるのではく
好きになった子は友達の彼氏。
すなわち、彼女は友達から彼を”略奪した”のだ。
彼女からの質問に結局答えた僕。
逸らした視線を戻し、柔らかい表情になり
「やっぱあんたは優しいんだ」
「それだけが取り柄ですんで」
「でもね、そういうとこ嫌いだわ」
「そりゃどうも」
お互い笑顔になる。
「アキトの事は嫌いにならなかった?」
「それはないよ。でも、お互い好きな子が同じなのを知ってて、告白されたら嫌いなってたかもしれないかな」
「まぁその気持ちはわかるわ」
「だけど、最終的に決めるのは”女の子”の方だけどね」
その言葉を聞いて彼女はため息をつき
「モテモテだったのねあの子」
「でもさ、当時は本人知らなかったからな」
「知ってたらきっと2人ともダメだったわね」
「かもしれないね」
もしあの時
先に僕が告白していたら
彼女の答えはどうだったのだろうか?
初めから彼の事が好きでいたのなら
きっと今の僕は
こんなに笑ってはいなかったのかもしれない。
会話が弾み、僕はこんな質問を彼女にしてみた。
「あの子とはいつから友達になった?」
「え?しよから聞かなかったの?」
「悪いね、聞いてる暇なんてなかった」
「随分な言い方だわね、まぁそれだけ夢中だったわけね」
なんか照れる言い方をされてしまったが、実際そうだった。
僕と彼女は時間が限られていたから。
「まーな、みあがアキトに夢中なのと同じだよ」
「しよとは高校で知り合ったのよ、あんた達と同じ時期じゃない?」
「夢中はスルーかよ!幼馴染みではなかったんだ」
「そうね、でも仲良くはさせてもらってたわ」
「僕とアキトも知らない彼女の話ってある?」
「それはあるけど聞きたいの?」
何故か強気になって胸の所で両腕を組んだ。
男だからか、少し女の人を知ったせいなのか
無意識に目線が膨らみに行ってしまう。
当然みあもその仕草はお見通しだろう
とりあえず水でも飲んでまた謝っておこう。
「あんた、元気いっぱい胸いっぱいの子と比べたでしょ?」
飲んでいた水を吹き出しそうになる僕。
「違う!」
慌てて否定する僕を見てまた口元を二ヤつかす彼女。
「あんたのリアクション楽しいわ!」
「お前わざとだな?」
「で、結局知りたいのは2人のサイズなの?」
「ほぉ、教えてくれるモノなら聞きたいね」
「・・・なら言ってあげるわよ!よく聞きなさい!私は」
「あぁぁぁ悪かったから、聞きたいのはそれじゃない」
みあの暴走に自分のペースを乱されもう疲れ果てた頃
ようやく話は修正され、語ってくれた。
「学校にいた私達は、ほんと地味なの」
「またからかってる?」
「話は最後まで聞きなさいよ」
「すまない、続けて」
「何故地味かと言うと・・・」
要するに。
学校生活を送っている彼女達は
個性を抑え、表向きは目立たない控え目な態度
学校から出ると本当の自分に戻ると言う。
すなわち
彼女達は、僕達の前では”本当の自分”で接してたと言う事。
ま、”みあ”は僕の前ではまだ演じてると思うけど
そこは後で突っ込むとして
何故そうなったのか?と問うと
地味な方がやりやすいと答えが返って来たけども
「でも2人はモテたでしょ?目立たなくしても」
「お世辞はいいわよ」
「告白して来た男は本当にいなかった?」
「正直言えば少しはいたわ。勿論しよも言い寄られてたわね」
「そうだろうね、僕達もそうなったんだし」
「そう!問題はそこなのよ!あんた達はしよに何をしたの?」
・・・・・・・え?
どういう意味か理解できない。
こっちが質問しているのに何故か質問されている。
「何って、ただバイトして話して少し遊び行ったくらいかな」
「それだけ?」
「少なくとも僕はそれくらい、後はアキトだけど」
「アキトはあんた抜きでしよと会った事は?」
「わからない。けど告白する時は電話番号知ってたな」
右手の甲を顎につけて考えてる彼女。
しばらくして途切れていた話を続けた。
「しよは告白してきた全ての男には見向きもしなかったのよね」
「それって、ガードが固いって言い方で合ってる?」
「そうかもね。だとしたら尚更あんた達は・・・」
なんとなく理解はできた。
が、アキトはともかく、僕は何もしていない。
とは言え、確認するにも本人はいない。
ただ1つだけ僕らと彼ら(学校の男達)との違いはわかる。
「学校では演じてバイトは本当の自分なんだよね?」
「ええ、間違いないわよ」
「ならさ、僕達と会ってる時は自然に接してたからチャンスがあったのかもよ?」
単純に考えたらその答えくらいしか出てこない。
真相は今の所は知る事はできないけれど
みあはそれで納得してくれた。
話も一段落した所で僕と彼女は席を立つ。
「じゃ、そろそろ送るよ」
そう言って会計伝票を手に取った時
「送るって何処へ?」
「え?それはみあの家にだけど?」
「は?あんた何を言ってるの?」




