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Re:member  作者: 五流工房
Only one day
46/53

Re:member after story01

それはとても静かな朝


いつもなら、当たり前のように食事を済ませ

学校へと自転車を走らせる。

でも、それも終わってしまった。

そう、僕は卒業したのであった。


思い起せば毎日が騒がしい日々。

気の合う仲間との会話

放課後の部活

そして・・・バイト仲間との・・・

何もかも僕にとってはいい思い出。


君と僕は別々の道を歩み出す・・・

例え周りが望んでいない結果だったとしても。



~ Re:member after story01 ~



「ありがとうございました」


業務用のスマイルと明るさで僕を見送るバイトの()

朝食を買いにコンビニへ立ち寄り帰宅しようとしていた僕。

あの明るさと笑顔を見るとふと思い出す。


「今も元気いっぱい胸いっぱいだろうか」


歩みを止め東の空を見上げ呟く。

当然答えてくれることも無いよな

は!?

僕は思わず後を振り返る。

が、誰もいない。

大体このパターンはいつも誰かが後にいる事が多い。

「毎回はないよね」

と、また独り言を笑いながら言って顔を前に向けた時

僕の目の前に”見知らぬ女性”が立っていた。

その姿はランニングタイツの上にショートパンツを着用し

ランニング用Tシャツの上にナイロンパーカーを装備。

無論ランニングシューズも忘れていない。

そしてポニーテール。

まさに!

私、走ってます的なランニングウーマンがそこにいたのだ。

あ~きっと僕がよそ見をしてる時に彼女の進路を邪魔したのかな?とりあえず謝ろう。

「すみませんお邪魔でしたね」

軽く頭を下げて再び歩き出す。

「あら、そんな弱気じゃ私のライバル失格ね」

は?

初対面なのに何をとちくるった発言をしてるんだ?

ま~いい、多分人違いだろう。

そう思い無視して再度歩き出す。

「あ、ちょっと!わざとなの?」

今度は若干慌て気味な声が僕の背後から聞こえてくる。

「どなたか知りませんが人違いでは?」

歩みを止めず振り返りもせず僕は問を投げた。

「何よ?まだ2ヶ月半も経ってないのにもう忘れたってわけ?ねぇ?それとも無視なの?そう、無視なのね?」

さっきから何を言いたいのかわからないけれど

僕は新手の詐欺のような手口で話してくる子なんて知らないし

バイト仲間以外で女の知り合いなんていないのだ。


「ふーん、そうやって私を忘れて”彼女(しよ)”まで忘れる気なんだ」


その言葉を耳にした瞬間

僕の鼓動は早くなり慌てて後ろを振り向いた。

「やっと、気がついた?」

「どうして?あの子の名を?」

「え?いや、本当に私の事わからない?」

その質問で、もう1度彼女の顔をじっくりと見てしまった僕。

さっきも言ったが、僕はバイト仲間以外の女の知り合いなんて

・・・いたな

「みあ・・・だよね?」

「やっとわかった?遅いわよ」


そう、彼女の名は”みあ”

僕の友達”アキト”の彼女であり”しよ”の友達である。

が、どうしても納得できない所が1つ

「本当にみあなの?」

「それ、どういう意味なのよ?」

「いや、ちょっと雰囲気違うし、髪型だって」

「あーポニテ?走ってる時にまとめてないと邪魔なのよね」

なるほど、女の子は服装や髪型で見え方変わるんだ。

「そっか。気づかなかったのは謝る、ごめん」

「や、やめてよね。あんたがこんなんじゃ調子狂うわよ」

僕が頭を下げた行動が恥ずかしかったのか少し小声で返答する彼女。

「で、ここにいるって事は昨日アキトの家に泊まった?」

「な、なんでそうなるのよ?」

「だって、この辺は彼氏の家だろ?朝早くここにいるって事は自然に考えたらそうじゃない?」

「え?確かにそうだけど、誤解しないでよね!私は走って来たの」

「走って来た?ここまで来るのにかなり距離あるよね?」

「これくらいなんともないわ」

「なる。彼氏に会いたい一心で?」

「違うわよ」

「じゃあ何?荒手の特殊プレイなのか?」


僕の的外れの質問攻めに、少しイラついた彼女が僕の目の前まで全力疾走しながら


「1度しか言わないから理解して! 私はあんたに会いに来たのよ!」


その言葉が僕の目の前を通り過ぎる。

それと同時に少しいい匂いが鼻をくすぐり

持っていたコンビニの袋を奪い取られていた。


唖然とする僕。


季節は冬から春へ

早咲きの桜が花を咲かせていた。

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