表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Re:member  作者: 五流工房
高校3年 もうひとつの────終幕編
43/53

Re:member winter piece03

お疲れ様でした!!


久しぶりの再開から一夜明け

バイトを終えたヒロ・しよ・アキト。

3人はそれぞれ解散し

再び約束の場所で再開するのだけど・・・


「お疲れさま」

「さんきゅ~。ほんとは彼氏と行きたかったんじゃない?」

「んー、そこを突かれたら痛いけど、今日はみんなと・・・ね?」

「そっか。ならいいんだ~」

「ヒロくんこそ、私がいたら迷惑じゃない?」

「何をおっしゃいますか。大丈夫ですよ」

「私はもう過去の女?」

「おいおい・・・」

「ふふふ。冗談ですよー」


「今日だけは・・・少しくらい許してやれよな?」

「ぶぅ~・・・」

「アイツはあの子に借りがあるんだ」

「借り?」

「ああ。アイツにとっては大切な借りがな・・・」


「そう!!借りがあるのよ!!」

「ってか、やっぱ来たか・・・」

「すまんな」

「ははは・・・しのちゃんごめんね」

「はい?あ、ああーなんだか楽しくなりそうですね・・・」

「今日こそ!おみくじ勝負に決着を・・・」「何でそうなるんだ!」



~Re:member winter piece03 ~



2度目の初詣。

前回は散々だったのだが

今回もまた・・・ってなわけには行かないな。


「へぇー。しよちゃんの友達さんとアキトくんが」

「そうなのよ。私は捨てられたってわけ」

「う・・・ごめん」

「こらアキト。謝らないでよね」

「な。色々あったんだよ」

「ふふ・・・なんとなくわかった・・・」

「ところでさぁ、あんた何者?」

何処となく警戒態勢をとりつつも、興味津々の眼差しを

彼女(しの)に向けるトラブルメーカー(しよ友)

「へ?私ですか?えっと・・・」

若干おどおどしつつ返答に苦しんでいる。

ま、無理も無い。

アイツ(しよ友)に”まとも”に答えたら”危険”だと踏んだのだろう。

アイツは色んな意味で危ない。

「↑こらぁー 誰が危ないんだ」

「え?何故わかったんだよ?」

「おもいっきり声に出して言ったでしょうに」

「まぁ落ち着けよ」

お約束?の”駆け引き”の手前で流れをせき止めるかの如く、話に割って入る彼。

「この子はしのちゃん。私たちと同じバイト仲間だった子だよ」

「うわ~ベタで正当な答えだがそれしか言いようがないかも」

「よろしく。しよ友さん」

ご丁寧に一礼する彼女。

意表を突かれたアクションに、今度は彼女(しよ友)がおどおどし出す。

「ふ~ん、こんな反応もするんだな」

小声で彼女(しよ)に呟いた。

「ああ見えて結構可愛いとこあるのよね」

少し笑いながら僕に呟く彼女。

「”みあ”でいいよ」

みあ!?

そういやアキトの彼女の名前なんて聞いたことなかった。

「みあ?・・・さん?」

「そう。私の名前」

「んじゃ、改めてよろしく。みあさん」

挨拶と共にしのが右手を差し出す。

みあは一瞬、右手を差し出そうか迷ったが

「よ、よろしく・・・しの」

ぎこちなさが残るが2人の右手が交わった・・・


・・・・・

・・・


「ね?ヒロくんとみあさん、何かあったの?」

「あーなんて言えばいいんだか・・・とにかく色々と」

「かなり複雑?」

「う~ん・・・原因は私とアキトだったりするんだよね・・・」

この言葉に無言で頷くアキト。

「アキトくんとしよちゃん?・・・あ、なるほどね」

大体の事情は頭の中で理解した彼女。

「だからヒロくん・・・」


微笑みながら僕とみあの光景を見る(しの)


「勝負しなさい」「嫌だ」

「さては私に怖気づいたんでしょ?」「別に」

「なら今日で白黒はっきりさせるべきよ」「・・・・・」

「どうせあんたもやるんでしょ?」「・・・みあ」

「なっ・・・何よ?」

「アキトの事、好きか?」


「ほ~」(しよがアキトに視線を向ける)

「まぁー」(しのがアキトに視線を向ける)

「おいおい・・・」(アキトが2人から視線を逸らす)


「突然・・はな・・話をすり返るな!なんでそんな事・・・」

「その反応なら聞かなくてもわかったよ」

どうやら彼女(みあ)は予想外の言葉や態度に弱いらしい。

「変なこと言って悪かったな。さ、そろそろ行こう」

「行くって何処よ?」

「おみくじ引くんだろ?言っとくが勝負はこれが最後だからな」

その言葉を聞き、みあの表情が明るくなった。

「ええ、絶対に勝つんだから覚悟しときなさいよ」


「ヒロのやつ・・・」

「でも、少しは仲良くなれた気がしない?」

「みあの事が少し理解出来たのかもね」

「きっとしよちゃんの為だね」

「私の?なんで?」

「お前の友達だからだろ?アイツは色々と気を遣うから」

「そっか・・・私ももっとヒロの事、理解しなきゃね」


・・・・・

・・・


「「「「「せーの」」」」」


5人が作った円の内側で、おみくじを一斉に開けた。


アキト「吉」 しよ「中吉」 しの「大吉」 ヒロ「凶」 みあ「大吉」


「どうやら勝負ありだな」

「ああ。みあの勝ちだ」

「・・・・・」

「しかも、また凶だなんてついてないねヒロ」

「所詮あんたは私には敵わないって事よ」

勝負に勝った事がよほど嬉しかったのか。

それとも、ただ”大吉”だった事が嬉しかったのか。

どちらにしても嬉しそうな彼女(みあ)

「さてと、んじゃ俺達は別行動していいか?」

「ん?わかったよん」

「彼女とゆっくり楽しんできな」

「はは。しのはどうする?」

「え?・・・あっ・・・私」

戸惑っている彼女にハイテンションな彼女が優しく手をとり

「しのちゃんは私らと一緒に行こう」

「で、でも・・・」

「僕も構わないよ。それにしよもしのと話したかったもんね?」

「うん。だから、ね?」

優しく微笑む彼女

「わかった」

笑顔で答えるしの

「じゃ、30分でいいか?時間もあまりないし」

「いいよ。んじゃまた後で~」


・・・・・

・・・


「・・・・・って事なのよ~」

「そうなんだぁ」


まるで仲の良い姉妹が、楽しく話しているような光景を僕は見ている。


思い起こせば”しの”は僕が最初に恋愛対象となった人。

結局の所、”彼女”という存在にまでは行かなかったのだが

君のおかげで人を好きになる喜びを知り

今の自分がいるわけで・・・

”しよ”と出会い”恋愛の複雑さや難しさ”を知り

また1歩、成長した自分がいる。

バイト生活を通じて、僕が女の子に惹かれて行く状況になろうとは

誰が予想したであろうか?

これも運命と言うべきなのであろうか?

それとも人生の試練?

それは考え過ぎか・・・

しかし

2人には本当に感謝しているのです。


「ねえ?聞いてる?ヒロくん」

「・・・へ?」

「やっぱり聞いてない。変な妄想してたんでしょ?」

変な妄想・・・なる。仲の良い姉妹が1つのりんご飴を一緒に・・・

って、今はそんな場合じゃない。

「違うよ。ちょっと考え事をね」

「じゃーもう1回言うからちゃんと聞いてね?」

「ああ、ごめん」

「ヒロくん、おみくじ勝負の時さ」「わざと負けたよね?」

「な、何で?」

「さっきおみくじ開ける前にポケットにおみくじを閉まったでしょ?」

「ヒロは前に勝負したおみくじと差し替える為にポケットに入れた」

「2人の読みは当ってるが、どちらにしても僕は負けてたさ」


「「どうして?」」


僕はポケットからおみくじを差し出し2人に見せた。

「あーなるほど。でも愛を感じるのは私だけかしら?」

「あは、でもなんか嬉しいかも」


僕が開けたおみくじには”中吉”と記されていた。


・・・・・

・・・


日付が変わろうとしていた頃

僕らは別れを告げて家路に向かう。

寒空の(もと)でそれぞれの想いは

光となってあの星のように小さく強く輝き続ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ