Re:member winter piece02
『ってか、もう1回勝負しなさい』
『ってか、もう僕に絡んでくるな』
『あのさ・・・私、思うんだけどね』
僕とアキトの彼女の間に割って入ってきた彼女。
『『なに?』』
『傍から見てたら、2人は”ホントは仲いい”のかも』
その言葉を聞いた直後。
僕とアキトの彼女は、一瞬、お互いの顔を見た。
そして、直ぐにしよに顔を向け一言。
『いいわけね~よ』『いいわけないわよ』
・・・・・
・・・
・
っと。
僕と彼女の今年初めての思い出は
騒がしいゲストと共に幕を閉じたのだけど。
この後すぐに訪れた”再開”が、もう1つの思い出となる。
そう
君は帰って来たんだ。
~Re:member winter piece02 ~
初詣から一夜
相変わらずバイトは大忙しであった。
「どうした少年、気合が足りんぞ~」
「朝からずっとだからな、もう気合だけではもた~ん」
「何を弱気になっとるか。ほれ、これでも食え」
おもむろに僕の口元に彼女が作った”かっぱ巻き”がねじ込まれる。
「おり、こへばはがふび」 訳:おい、これはながすぎ
無情にも僕に食べさせられたかっぱ巻きは
長さ12センチ(1皿分=2センチ×6個)の数式に当てはまる代物
「ほれほれ、これで少しは気合出たかな?」
「へね~ほ」 訳:でね~よ
「おっと、あと少しなんだから頑張りなさいよ~ヒロ」
正に”やっつけ仕事”の勢いで持ち場に戻ったしよ。
まったく、少しぐらいは加減してもらいたいものだ。
あの告白から以降、バイト中での2人の仲は更によくなった?おかげで
彼女は僕に対しての”遠慮”というものがなくなったわけで・・・
しかし
かっぱ巻き1皿分をまるごと1本ってのは。ねぇ・・・
「よ!苦労してんな~」
「ふぅ~。そうでもないさ」
「ま、これもアイツなりの優しさと思ってくれよ」
「ああ。わかってるって」
「いきなりで悪いが、しゃりくれない?」
「あ、わかった」
「はい、しゃりおねがいしま~っす」
「はい、ありがとうございまーす」
・・・・・
・・・
・
閉店1時間前。
ようやくお客も減り始め、忙しさも峠を越えた頃
「いらっしゃい・・・ま・・・・・・あっ!!!!!」
「どうした!?」
彼女の驚いた声で駆けつけた僕。
見ると、彼女がお客に指差ししている。
その指の指す方向に、僕はゆっくり顔を向けた。
「・・・あ!」
思わず自分も驚きの声、しかしそれは一瞬だった。
すぐさま状況が理解できた僕は笑顔になり一言
「お帰りなさい」
その反応に安心の顔を見せ、僕に向かって”君”はこう言った。
「ただいま」
・・・・・
・・・
・
店が閉店してから数分。
誰もいなくなったテーブル席で”懐かしい人”との会話が始まる。
「久しぶりだな。元気だった?」
「うん。アキトくんも元気そうだね」
「も~びっくりしたじゃない。でもなんだか嬉しいな」
「私もしよちゃんに会えて嬉しい」
「予定より早かったんだね?」
「うん。なんか予定を1日ずらしたみたいで」
「「予定?」」
「あ~、しのから年末にこっちに帰ってくる予定を聞いててね」
「家族の用事で一時帰省する事になって」
「なるほど。ほんとなら明日来るはずだったって事だな?」
「うん。ね~ヒロくん」
「はい?」
「もしかして・・・近くにいる?」
彼女の言う言葉はすぐに理解できた。
「ああ、その読みは正しいぞ」
どうやら彼も気づいたみたいだ。
「え?もうその話題になるんだ?」
「へぇー。そうだったんだ」
嬉しそうに”しよ”の方を見て微笑む”しの”
「ほへ?」
彼女はこう言う話題は鈍いのである。
「しよ?しのはヒロとの関係を気づいたみたいだぞ」
「え?えっ?ええ~!?」
「ま~落ち着けって」
「な、なんでわかったの?」
「だって、彼女の悲鳴に近い驚きに、真っ先に駆けつけた彼」
何故かオーバーアクションで状況を説明する彼女。
「「うわぁぁぁ、やめ~い」」
「はいはい、ごちそうさま」
・・・・・
・・・
・
それから30分が過ぎた頃。
「これが彼です」
彼女が差し出した1枚の写真。
そこに映っていた人物は、とても優しく、頼れる顔つきをしていた。
「いや~2人とは比べ物にならない程に、いい男ですな~」
ダメ男達「「うわ~ひどい・・・(ってダメ男達はないだろ)」」
↑(※ヒロ&アキトの事)
「ふふふ。でもヒロくんもアキトくんもいい男じゃない?」
「あはは。お世辞はいいって~」
ダメ男達「「うわ。更に追い討ちだ」」
「でもいいなー。自慢の彼氏がいて」
「しよちゃんもいるじゃない。私の方が・・・うらやましい・・ょ」
「・・・え?しのちゃん、今なんて?」
「ううん、何でもない。それより明日なんだけどね・・・」
「「「明日?」」」
「もう行ったかもしれないけれど、初詣一緒に行きませんか?」
「俺達バイトあるけども、終わってからでいいか?」
「うん。もちろん」
「私も行きたいな~。しのちゃんともっと話たいしね」
「なら決まりだね。みんなで明日の夜に行こう」
「ありがとう。みんな」
ってなわけで
2度目の初詣に行くことになったんだ。




