Re:member winter piece01
────それは告白を決意した夜の事。
『ねえ?1つだけ変な質問していい?』
『え?うん。いいよ?』
『ヒロくんが告白したとして、上手くいった時、私が現れたら・・・・・・どう?』
『う~ん。別に大丈夫でしょ?君にはいい彼が出来てるし』
『え?あ~え~と・・・そうじゃなくて』
『あれ?答え方が間違ってたかな?』
『あの、あのね。私に会っても迷惑じゃない?』
『ん?僕は迷惑じゃないよ?ってあれ?なんか話しが逸れてるような・・・』
『そう?本題にもう入ってるんだけどなー』
『だってお正月辺りって・・・・・・・あ、もしかして』
『気づいた?そっちに行こうかなって』
『実家に帰るって事かな?』
『この場合は実家と言うのかは微妙だけどね』
『なる。じゃ~会えたら会おうよ』
『いいの?なら来年のお正月辺りに約束だよ?』
『ああ。必ず』
『久しぶりに会えるんだね。楽しみだなー』
『僕もしのと彼氏さんに会えるのが楽しみだ』
『残念、今回は家族のみなんだぁ』
『そっか~どんな人か見たかったんだけどな』
『写真なら見せれるよ?』
『んじゃ、その方向でよろしく』
『はい。私もヒロくんの彼女さんに会えるのが楽しみだな』
『う、仕返しですか?』
『まさか。応援してますよ』
こうして僕は、君との再会を"約束"する────
~Re:member winter piece01 ~
告白終えてから数日の事。
ぷるるる~♪ ぷるるる~♪
ぷるるる~♪ ぷるるる~♪
電話のベルが部屋に響く。時計の針はいつもの時間。
左手にコードレスの子機を握り、親指で通話ボタンを押した。
「もしもし?」
「やっほ~私だよ」
ハイテンションで元気な声 間違いなく”あの子”だ。
「お、今日も元気だね~」
「そう?元気なのは疲れる?」
「そんな事はないよ」
「そっか。あのね、今日電話したのは・・・」
数分後。
「ってわけなんだ。だから一緒にいいでしょ?」
「ああ、いいよ。ならバイト休みの日に一緒に行こう」
「ホント?絶対だよ?」
「うん、約束するよ」
「うっす。それじゃ~また明日」
「ほい。また明日」
ぷるるる~♪ ぷるるる~♪
ぷるるる~♪ ぷるるる~♪
さっき話を終えたばかりなのに鳴り出す電話。
右手にコードレスの子機を握り、親指で通話ボタンを押した。
「はい~もしもし?」
「・・・こんばんは」
今度はぎこちない声、それでいて控えめな態度。
間違いなく”あの子”だ。
「あ~こんばんは。もしかして、さっき電話してくれた?」
「え?あ、ええ。でも話中だったみたいで」
「あ、ごめんね。さっきまで電話してたからさ」
「ううん。別に謝る事ないから」
「そっか、今日はどうしたのかな?彼氏の悩み相談?」
「ふふふ。残念でした。今日はヒロくんの恋愛報告の日でしょ」
「へ?そんな事いつ決めたっけ?」
「え?もちろん、今です」
「なんだかすっかり君のキャラ路線がずれて行ってる気が・・・」
「何それ?(笑)お互い変わり者同士なんだから普通でしょ」
「それ言われるとなぁ~・・・んじゃ報告しますよ」
「うん。楽しみ」
・・・・・
・・・
・
「ってなわけなのさ」
「へぇ~。おめでとう」
「ありがとう。でもね・・・」
「ん?どうしたの?」
「期間限定なんだ」
「え?何で期間限定なの?」
「ああ、ま~簡単に言うと、旅立つって事かな」
「それは・・・私みたいにって事?」
「しのとよく似てるけど、正式には県外就職って事かな」
「あ・・・なるほど。・・・ヒロくんは追いかけないの?」
「そうしたいのだけど、こっちも就職決まってるし・・・」
「今からでも遅くないんじゃない?」
彼女の言う事は一理ある。
僕も出来ればそうしたかった・・・でも
『やっぱキミは、ワタシを優先してくれるんだね』
「・・・・・夢を叶えさせてあげたいんだ」
「夢?」
「ああ、あの子には自分の夢があるんだ」
「・・・ヒロくんはそれでほんとに納得”してる”の?いや納得”できる”?」
「・・・・・・・・・・」
「あっ・・・ごめんなさい」
「君は悪くない。単に自分が恋愛下手なだけなんだ」
「下手ではないよ?」
「そうなのかな・・・でも、卒業までは決して不幸にはさせないよ」
「ふふ。頑張ってね」
「ああ」
「あ、そうそう。お正月の話しなんだけどね」
「うん。日にちが決まったのかな?」
「決まったよ。1月3日の夕方にはそっちに帰るんだ」
「ほう、何日くらいまでこっちでいれそう?」
「多分1月7日までいるよ、それまでに会えたら」
「了解。こっちも予定わかれば報告するから」
「お願いね。バイト先にも顔出すかもよ?」
「そりゃ~楽しみだな」
「私の知ってる人はまだいる?」
「ああ。だから安心して来てくれても構わないよ」
「そっか。わたった。じゃー今日は切ろうかな」
「うん、じゃ〜おやすみなさい」
「おやすみなさい。ヒロくん」
・・・・・
・・・
・
百八つの鐘が鳴り終わり新年を迎える。
そして、君は帰って来た。




