Re:member shino's side01
今から3週間くらい前の事です。
「アキトくん」
「お、しの。どうした?」
「人材募集の調子はどうです?」
「あー1人なら確保したぞ」
「あらー早いね。その子はアキトくんの知り合い?」
「ん?そうだな。”幼馴染み”さ」
~ Re:member shino's side01 ~
そして彼はこのバイト先にやって来ました。
「ヒロと言います。どうぞ宜しくお願いします」
あらあら。
かなり緊張してる様子
でもなんか優しそうな人だな・・・
「そう緊張するな。さぁ、これでも食べなさい」
店長が彼に”恒例のアレ”を持って来ました。
てことは準備しなくちゃ
私は急いでコップに水を入れスタンバイ完了。
「いただきます」
彼がなんのためらいもなく食したモノ
それは・・・
中トロのお寿司なのだけれど
実はその中にはワサビが大量に入ってるの
大体の人はこんなリアクションをするのです。
『んぅぅぅぅん痛い』
ほらね、でも彼は少し違っていて
「あ〜鼻がよく通りますね」
まぁ、以外と面白いリアクション
とりあえず水を渡しましょう。
「はい、飲んで下さいね」
「あ、ありがとうございます」
彼は軽く頭を下げて水を一気飲み
それを見て満足した店長が一言。
「改めて、ようこそ。これから頑張って下さい」
と言うわけで、新人の歓迎(儀式)はこれにておしまい。
1週間前の事です。
「しの、おつかれ」
「あ、アキトくん。お疲れ様」
「今日はヒロ休みだから途中まで一緒に帰らない?」
「うん。じゃ、行こっか」
自転車を走らせること数分
アキトくんが私に、こんな質問をしてきました。
「しのはさ、付き合っている人いる?」
「え?いないよ。アキトくんは彼女いるよね?」
「ああ。残念だがしのとは付き合えない」
「なに?もしかして自信過剰なの?」
悪戯っぽく笑う私
「いや、そうじゃないけど、しのは気になる人はいない?」
「何でそんな事を聞きたいのかなぁ?」
「ま、興味があるって事にしといてくれ」
気になる人ね。
正直に答えたらいるんだけどね
「んー、そこは秘密にしときませんか?」
「そっか、すまないね。いないなら紹介したいヤツがいたんだがな」
「それは誰ですか!?」
「おいおい、喰い気味で来たな」
「あ、ごめんなさい」
「まーいいよ。とりあえず名前だけでも聞くか?」
「お願いします」
そして、現在・・・
バイト帰りにアキトくんが、彼を紹介してくれました。
その人の名は”ヒロくん”
アキトくんの幼馴染みであり私のバイト仲間。
実は私の気になってる人です。
私は彼に、簡単なメッセージと電話番号を書いた
”メモ用紙”を渡して帰りました。
胸のドキドキを気づかれないように
その場から逃げるように帰りました。
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