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Re:member  作者: 五流工房
高校3年編
39/53

Re:member 3rd I will tell from my heart...03

沢山の人と出会い、沢山の人と別れる。

人は、それを繰り返して成長して行くのだと、僕はそう思ってならない・・・

時間に追われながら暮らしている中で、ふと過去を振り返る事もあるだろう。

その心の中に光る物は様々

あの時の喜び

あの時の栄光

あの時の挫折

あの時の後悔

あの時の言葉

あの時の行動

いい事も悪い事も、積み重なり思い出(人生)となり

それを背負って生きていく・・・

って、大袈裟かな。


ただ、僕が最後に言いたい事・・・

いいえ、僕達がでしょ?

・・・ああ。僕達が最後に言いたい事。

それは・・・



出会いとは────本当に大切なもの────



「んじゃ~連絡してくるから」

「了解」「いってら~」


彼女を誘いに公衆電話に向かうアキト


朝の約束通り、初詣に行くことになった僕達

向かう場所は、バイト先から約1時間半もかかる、とある神社。

実は、僕の住んでいる町の神社である。

毎年、初詣には大勢の人が集まる所であり、昼夜問わず

正月はかなりにぎわいを見せる。


とはいえ、”賑やかさ” いや。この場合、”騒がしさ”なら

こちらのメンバーも負けてはいなかった・・・



~ Re:member 3rd I will tell from my heart...03 ~



「連絡ついたぜ」

「おつ。で、待ち合わせ場所に行くのかい?」

「いや、ここに来るって」

「そか。なら少し時間あるよね?」

「ああ、今からだと15分くらい待たせる事になるが」

「ならさ、彼女を着替えさせてあげたいんだ。バイト用の服じゃ・・・ね」

そう言って、彼女の肩に手を置く僕。

「うん。このままじゃ、アキトの相方が何言い出すか」


アキトの相方。

すなわち彼女は、しよの友達である。

以前、バイト先で僕も会った事はあったけれど

まともに話した事は1度も無い。

ま、事が事だったしね・・・


「いいよ。ヒロも一緒に行って来な。後でそっち向かうから」

「悪いね。なら近くの公園に来てくれる?」

「ああ。わかったよ」

「んじゃ。行こっか」「ほいな」


こうして、しばしアキトと別れた僕と彼女。

彼女の家に向かう途中

「ね。先に謝っておいていい?」

「いや、先に謝るのは僕の方だよ」

「ほへ?どうして?」

「きっと、しよが予想してる通りになりそうだから」

「あ~・・・やっぱり?」

「でも、何もなければ平穏無事だ」

「そ、だね」


彼女が着替え終わり、待ち合わせの公園に着いた時

アキトとアキトの彼女(しよ友)は先に着いて待っていた。


「お待たせ」「しました~」

「いや、俺らもさっき来たばかりだから」

「・・・・・・・」

「久しぶりだね?」「・・・・・」

「元気そう・・・だね」「・・・・・」

「・・・あは・・・」「・・・・・」

「初詣、楽しみだね」「・・・どうして?」

「え?」

「どうして、しよの相手がコイツなの?」

相変わらずの不機嫌な態度の友達。

その子が指差した先にいたのは、言うまでもないが僕であった。

「・・・・・・・」

「ま、この話は後でゆっくりと」「アキトは黙ってて」

「・・・はい」

彼氏の声を一喝するが如く、見事に黙らせた彼女。

苦労してんだな・・・アキト

「こんなヤツのどこがいいん?」

「・・・・・・・」

随分な言われようだな・・・とにかく我慢だ

「単純に答えたら”自然な関係でいられる所”だよ」

「へぇ、なるほどな(よかったなヒロ)」

「ふーん。で、さっきから黙ってないで何か言えば?」

「なら、喋るけど、そろそろ行かない?」

僕は、本来の目的を忘れる展開から修正すべく皆に言った。

「そうだな、行こうか」

「賛成~」

「んじゃ、出発しよう」

「こら、勝手に話をまとめるなー」



そんなわけで、人生初のダブルデートが始まったのだが・・・


「言っとくけど、私はまだ、あんたを認めてないからね」

「何がだよ?アンタに認めてもらいたくもないがね」

なにかと僕に絡んでくるアキトの彼女。

「ねー。なんでコイツが友達なの?」

「え?ヒロはお前が思ってるほど悪いヤツじゃないよ」

「そうだよ。私も認める人なんだし~」

「しよが認める人なんて当てにならないもん」

「おい。それなら、アキトは当てにならない人になるぞ?」

「・・・・・あ、アキトは特別」

自分の発言で墓穴を掘ってしまったアキトの彼女。

やれやれ、これでやっと落ち着け・・・・

「ちょっと?私はそんなにダメなの?」

いや・・・そうじゃないんですよね・・・

「そんな事は・・・」

「はぁ。俺も当てにならんか。だよなー」

おいアキトもなのか?

俺さ。結構前から気づいてたが、実は脇役だよなぁー

サラっと裏事情をこの場で公表するなよ・・・

「違うんだって。さっきのは、言葉のアヤと言うか・・・もしかして怒ってます?」

「せっかくヒロを褒めたのにぃぃぃ」

「どうせ俺は当てにならない(脇役だ)よ」

「だから・・・2人を否定したんじゃなく・・・」

「「問答無用」」

「なんでさぁぁぁ」


元日の夜にこだまする雄叫び

その声は、夜風に乗って空に舞った。


・・・・・

・・・


一波乱?・・・あったが、神社に到着した僕達4人。

初日の夜だけあって、人の波は途絶えていなかった。


「わお~夜でも屋台してるね~」

「初日だしね。何か先に食べる?」

「うんうん。たこ焼きがいい」

「そか。なら買ってくるよ」

「え?私も行くよ」

「いや、みんなと待ってていいよ。な~アキト」

「なんだ?」

「お前も食うか?ついでに彼女さんも」

「ああ、頼むよ」

「・・・・・」

「じゃ、行って来る」

「うん」


3分後


「いや~やっぱ並んでたら時間かかるね」

「お帰り」「お疲れ」

「待たされたわ」

相変わらずの態度

「ま~そう言わずに、ほら」

笑顔でたこ焼きをアキトの彼女に差し出す。

その行動が、予想外だったらしく、戸惑うアキトの彼女。

「貰ってやれって」

彼氏が優しく声を掛ける。

「・・・・・言っとくけど、これで仲直りは・・・」

「はいはい。そんなつもりで買ったわけじゃないから」

差し出すたこ焼きを無言で受け取るアキトの彼女。

「ほい、アキト」「サンキュー」

「これは、僕らね」「うっす」

「ここじゃ人多すぎるな。場所を移動しようぜ」

「「そだね」」

「あそこの店の間に駐車場あるわよ」

そう言って、アキトの彼女が穴場を見つけてくれた。

「ほんとだ。ならそこで食べようぜ」

「そうね、行きましょう」「「了解~」」


たこ焼きを食べ終わり再び神社へ戻った僕達。

初詣と言えばやはり参拝。それぞれの願いを胸に秘め、目を閉じ、手を合わせる。

「夢、叶う時より 今、生きる喜びを~」

「今、感じる幸せを・・・えっと。先、急ぐ未来(じぶん)へと」

2人の不気味な言葉に驚くアキト

「おい。大丈夫か?何か宗教っぽいぞ」

「気にしない方がいいわよ。しよ特有の御呪いみたいなものだから」

「そうみたいだね。ちょいと抵抗あったけども・・・」

「そ、そか・・・俺なら絶対言わない」

「な、ほんとアキトはノリが悪いんだから」

「てか、この場合乗ノリなのかが疑問だわね」

「じゃ~みんなでおみくじでも引かない?」

「「賛成」」

「え?夜はおみくじ売ってないんじゃない?」

「そうだけどな。こっち見てみ」

彼が指差す先に見える物、それは・・・おみくじ専用の自動販売機。

4人は順番に、おみくじを買って開けた。

「お、中吉だ」

「私、大吉~」

「お、やったな。僕はなんだろう」

ゆっくりとおみくじを広げる僕

そこに書いてあったのは・・・吉

「ははは。吉だって」

「ま、こんな事もあるだろう。そういうアンタは何だよ?」

「私?まだ見てないけど、”あんた”よりは上でしょーね」

その自信はどっから来るんだよ?

「ほ~。なら見せてもらいたいものだ」

「いいわよ。ほら」

アキトの彼女が僕らに見えるようにおみくじを広げた。

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・吉・・・だね」

「な、なんですってー」

慌てておみくじを確認するアキトの彼女。

「ふっ。残念だったな、引き分けだ」

「認めない、絶対に認めない」

そう言って、持っているおみくじを投げ捨てた。

そして・・・

「勝負しなさい」「何でさ?」

「いいから、もう1回おみくじ引くの」「・・・・・ああ」


というわけで、もう1度おみくじを引いた(買った)のだが


「「・・・・・・・・・・」」

「・・・声、掛けてやれって」

「いや・・・今はそっとしときましょ」

「なんだよ・・・・コレは」

「あんた、マネしないでよ」

2人が引き当てたのは”凶”。しかも、勝敗も引き分け。

「おめ~のせいで運気が下がっただろ」

「何よ?あんたが同じ物引くのが悪いんでしょ?」

「なんだと」「何よー」

まるで子供の喧嘩みたいに言い合う2人

その光景をそっと見守る元カップル

「おい、コイツいつもこんな感じなのか?」

僕はアキトに問う。

「いや。普段はそんな子じゃないんだがな」

「だったら、普段道りになるように言えよ」

「あーそれは無理だな」

「何で?」

「ってか、もう1回勝負しなさい」

「ってか、もう僕に絡んでくるな」

「あのさ・・・私、思うんだけどね」

僕とアキトの彼女の間に割って入ってきた彼女。

「「なに?」」

「傍から見てたら、2人は”ホントは仲いい”のかも」

その言葉を聞いた直後。

僕とアキトの彼女は、一瞬、お互いの顔を見た。

そして、直ぐにしよに顔を向け一言。


「いいわけね~よ」「いいわけないわよ」


僕とアキトの彼女が、同時に否定する。

「はう~」

「もうそれくらいにしとけ」

彼の一言で、とりあえず事は納まったのだけど・・・


どうやら、僕とアキトの彼女とは相性が悪いらしい。

でも、アキトの彼氏でもあり、しよの友達ある以上

いつまでもこんな感じじゃダメだろうな・・・

今度会った時は、もう少し普通に接しよう。


・・・・・

・・・


2月。


残り1ヶ月となったバイト生活

旅立ちの時期も・・・もうすぐそこに・・・


「な、今日はアレだな」

「あ、ああ。そうだけど?」

「今年は貰えるから安心だな」

「さ~どうだろうね」

「はいはい。んじゃ、邪魔者は退散しますか」

「って、彼女の所なんだろ?」

「ま、そういう事だ。またな」

「ああ。お疲れ」

さて、僕も行きますか。

いつものように彼女を待つ僕。

「ほい。お待たせ」

「んじゃ、帰ろっか」

「うん、あ。ちょっと近くの公園寄ってこうよ?」

「あ、いいよ」


街灯の光が公園のベンチを照らす。

その光の(もと)、僕と彼女は肩を寄せ合い座る。

寒さのせいなのだろうか?

冬の空気はなんだか澄んでいるように思える。

2人吐く息は白く、手は冷たく冷えていたけれど

お互いが側にいるだけで、心は暖かかった。

「う~寒いのにごめんね」

「いや、しよこそ大丈夫か?」

「なんとかね」

「とりあえずコレ使いな」

彼女に差し出したのは、手のひらサイズのカイロ。

「わ~ありがとね」

両手で包み込むようにカイロを受け取る彼女。

「ないよりはましでしょ?」

「うん、温かいよ。んじゃお返しに」

そう言ってコートのポケットから白い紙袋を取り出す彼女。

そして、紙袋の中を確認し、僕に差し出した。

「はい、コレ」

「お、さんきゅ~」

彼女から白い紙袋を受け取り、そっと中を覗き込んだ・・・

「こ、これは・・・」

「こんなの・・・あまり作らないから自信ないけどね」

彼女が僕に作ってくれた物。

それは、若干楕円の形をしている”ドーナツ”であった。

「嬉しい」

心の底から出た言葉である。

「あ、味は・・・保障しないよ?」

「いや~しよが作ってくれたんだ。きっと美味しいはず」

かなりの期待を胸に、早速一口食べてみる僕。


モグモグモグ・・・


「ど、どう?」

心配そうに僕を見つめる彼女。


もぐもぐもぐ・・・


「やっぱ美味しくない?」

「お、美味しいよ。うん、"大丈夫"」

「そかぁ。安心したよ~」

「ありがとうな。しよ」

「喜んで貰えてよかったよ」

満面の笑みを見せる彼女。その笑顔を見て僕も笑顔になる。

(あ~そんな顔されたら、本当の事なんて言えないよな~)

などと、心の中で思いながら、僕は”若干、粉っぽいのドーナツ”を

美味しく?いただいたのである・・・


・・・・・

・・・


3月。


私達の長かったバイト生活も終わりを迎える。

僕達がお世話になった店長を始め。社員さん、バイト仲間に別れを告げる。


そして・・・もう1人

旅立つ彼女(見送る彼)に・・・別れの挨拶をしなきゃならなかったんだ・・・



──思い出の場所にて──


「なんだか・・・あっという間だったね」

「・・・うん。ほんとにこれでよかったの?」

罪悪感を持つような顔で僕を見つめる君。

「そんな顔しないで。これでいいんだ。こうなる事は最初から・・・"あの日"からの約束だろ?」

笑顔で見つめ僕は優しく君を包む。

「・・・・・ごめんね・・・・・」

両手一杯に力を込めて僕を包み返す。

「謝る事はないって、君はこれから夢を叶えに行くんだ。僕は一緒には行けなかったけど、こっちで応援させてもらうから」

僕の胸の中で静かに頷く君。

「絶対に叶えてみせるからね」

「ああ。信じてるからな」

僕の右手が君の後頭部を軽く撫でる。

胸の辺りに伝わってくる温かく広がる君の涙


ほんとは僕も泣きたかった。

でも、笑ってあげることが・・・君への思いやりだと・・・


そして・・・


「そろそろ・・・行かなきゃ」

「・・・・・ああ」

(ヒロ)とバイトで会えて、本当によかった」

「僕も(しよ)と会えて、好きになれた事、感謝してる」


互いに見詰合い・・・軽く微笑んで・・・僕は君と唇を重ねた


「それじゃ・・・またね」

「ああ・・・また会おう」


君は手を振り、背を向けて歩き出す。

その姿を最後まで見届ける僕。

最後に君は振り返り、一言告げる・・・


「大好きだよ」


僕もありのままの気持ちを君に伝える


「僕も大好きだよ」



そう。()は君を愛してる────




春夏秋冬。

その季節の色に染まり、その季節の風に惑わされ、その季節と共に恋は生まれる。

私達の過ごして来たこの3年間は

俺達が走り続けて来たこの3年間は

僕達にとってかけがえのない青春(じかん)


その大切な出会いと青春(じかん)を決して────



うん。忘れてないよ!

ねぇ?



Do you remember me?.....




~ Re:member 3rd season END ~





















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