Re:member 3rd I will tell from my heart...03
沢山の人と出会い、沢山の人と別れる。
人は、それを繰り返して成長して行くのだと、僕はそう思ってならない・・・
時間に追われながら暮らしている中で、ふと過去を振り返る事もあるだろう。
その心の中に光る物は様々
あの時の喜び
あの時の栄光
あの時の挫折
あの時の後悔
あの時の言葉
あの時の行動
いい事も悪い事も、積み重なり思い出となり
それを背負って生きていく・・・
って、大袈裟かな。
ただ、僕が最後に言いたい事・・・
いいえ、僕達がでしょ?
・・・ああ。僕達が最後に言いたい事。
それは・・・
出会いとは────本当に大切なもの────
「んじゃ~連絡してくるから」
「了解」「いってら~」
彼女を誘いに公衆電話に向かうアキト
朝の約束通り、初詣に行くことになった僕達
向かう場所は、バイト先から約1時間半もかかる、とある神社。
実は、僕の住んでいる町の神社である。
毎年、初詣には大勢の人が集まる所であり、昼夜問わず
正月はかなりにぎわいを見せる。
とはいえ、”賑やかさ” いや。この場合、”騒がしさ”なら
こちらのメンバーも負けてはいなかった・・・
~ Re:member 3rd I will tell from my heart...03 ~
「連絡ついたぜ」
「おつ。で、待ち合わせ場所に行くのかい?」
「いや、ここに来るって」
「そか。なら少し時間あるよね?」
「ああ、今からだと15分くらい待たせる事になるが」
「ならさ、彼女を着替えさせてあげたいんだ。バイト用の服じゃ・・・ね」
そう言って、彼女の肩に手を置く僕。
「うん。このままじゃ、アキトの相方が何言い出すか」
アキトの相方。
すなわち彼女は、しよの友達である。
以前、バイト先で僕も会った事はあったけれど
まともに話した事は1度も無い。
ま、事が事だったしね・・・
「いいよ。ヒロも一緒に行って来な。後でそっち向かうから」
「悪いね。なら近くの公園に来てくれる?」
「ああ。わかったよ」
「んじゃ。行こっか」「ほいな」
こうして、しばしアキトと別れた僕と彼女。
彼女の家に向かう途中
「ね。先に謝っておいていい?」
「いや、先に謝るのは僕の方だよ」
「ほへ?どうして?」
「きっと、しよが予想してる通りになりそうだから」
「あ~・・・やっぱり?」
「でも、何もなければ平穏無事だ」
「そ、だね」
彼女が着替え終わり、待ち合わせの公園に着いた時
アキトとアキトの彼女(しよ友)は先に着いて待っていた。
「お待たせ」「しました~」
「いや、俺らもさっき来たばかりだから」
「・・・・・・・」
「久しぶりだね?」「・・・・・」
「元気そう・・・だね」「・・・・・」
「・・・あは・・・」「・・・・・」
「初詣、楽しみだね」「・・・どうして?」
「え?」
「どうして、しよの相手がコイツなの?」
相変わらずの不機嫌な態度の友達。
その子が指差した先にいたのは、言うまでもないが僕であった。
「・・・・・・・」
「ま、この話は後でゆっくりと」「アキトは黙ってて」
「・・・はい」
彼氏の声を一喝するが如く、見事に黙らせた彼女。
苦労してんだな・・・アキト
「こんなヤツのどこがいいん?」
「・・・・・・・」
随分な言われようだな・・・とにかく我慢だ
「単純に答えたら”自然な関係でいられる所”だよ」
「へぇ、なるほどな(よかったなヒロ)」
「ふーん。で、さっきから黙ってないで何か言えば?」
「なら、喋るけど、そろそろ行かない?」
僕は、本来の目的を忘れる展開から修正すべく皆に言った。
「そうだな、行こうか」
「賛成~」
「んじゃ、出発しよう」
「こら、勝手に話をまとめるなー」
そんなわけで、人生初のダブルデートが始まったのだが・・・
「言っとくけど、私はまだ、あんたを認めてないからね」
「何がだよ?アンタに認めてもらいたくもないがね」
なにかと僕に絡んでくるアキトの彼女。
「ねー。なんでコイツが友達なの?」
「え?ヒロはお前が思ってるほど悪いヤツじゃないよ」
「そうだよ。私も認める人なんだし~」
「しよが認める人なんて当てにならないもん」
「おい。それなら、アキトは当てにならない人になるぞ?」
「・・・・・あ、アキトは特別」
自分の発言で墓穴を掘ってしまったアキトの彼女。
やれやれ、これでやっと落ち着け・・・・
「ちょっと?私はそんなにダメなの?」
いや・・・そうじゃないんですよね・・・
「そんな事は・・・」
「はぁ。俺も当てにならんか。だよなー」
おいアキトもなのか?
俺さ。結構前から気づいてたが、実は脇役だよなぁー
サラっと裏事情をこの場で公表するなよ・・・
「違うんだって。さっきのは、言葉のアヤと言うか・・・もしかして怒ってます?」
「せっかくヒロを褒めたのにぃぃぃ」
「どうせ俺は当てにならない(脇役だ)よ」
「だから・・・2人を否定したんじゃなく・・・」
「「問答無用」」
「なんでさぁぁぁ」
元日の夜にこだまする雄叫び
その声は、夜風に乗って空に舞った。
・・・・・
・・・
・
一波乱?・・・あったが、神社に到着した僕達4人。
初日の夜だけあって、人の波は途絶えていなかった。
「わお~夜でも屋台してるね~」
「初日だしね。何か先に食べる?」
「うんうん。たこ焼きがいい」
「そか。なら買ってくるよ」
「え?私も行くよ」
「いや、みんなと待ってていいよ。な~アキト」
「なんだ?」
「お前も食うか?ついでに彼女さんも」
「ああ、頼むよ」
「・・・・・」
「じゃ、行って来る」
「うん」
3分後
「いや~やっぱ並んでたら時間かかるね」
「お帰り」「お疲れ」
「待たされたわ」
相変わらずの態度
「ま~そう言わずに、ほら」
笑顔でたこ焼きをアキトの彼女に差し出す。
その行動が、予想外だったらしく、戸惑うアキトの彼女。
「貰ってやれって」
彼氏が優しく声を掛ける。
「・・・・・言っとくけど、これで仲直りは・・・」
「はいはい。そんなつもりで買ったわけじゃないから」
差し出すたこ焼きを無言で受け取るアキトの彼女。
「ほい、アキト」「サンキュー」
「これは、僕らね」「うっす」
「ここじゃ人多すぎるな。場所を移動しようぜ」
「「そだね」」
「あそこの店の間に駐車場あるわよ」
そう言って、アキトの彼女が穴場を見つけてくれた。
「ほんとだ。ならそこで食べようぜ」
「そうね、行きましょう」「「了解~」」
たこ焼きを食べ終わり再び神社へ戻った僕達。
初詣と言えばやはり参拝。それぞれの願いを胸に秘め、目を閉じ、手を合わせる。
「夢、叶う時より 今、生きる喜びを~」
「今、感じる幸せを・・・えっと。先、急ぐ未来へと」
2人の不気味な言葉に驚くアキト
「おい。大丈夫か?何か宗教っぽいぞ」
「気にしない方がいいわよ。しよ特有の御呪いみたいなものだから」
「そうみたいだね。ちょいと抵抗あったけども・・・」
「そ、そか・・・俺なら絶対言わない」
「な、ほんとアキトはノリが悪いんだから」
「てか、この場合乗ノリなのかが疑問だわね」
「じゃ~みんなでおみくじでも引かない?」
「「賛成」」
「え?夜はおみくじ売ってないんじゃない?」
「そうだけどな。こっち見てみ」
彼が指差す先に見える物、それは・・・おみくじ専用の自動販売機。
4人は順番に、おみくじを買って開けた。
「お、中吉だ」
「私、大吉~」
「お、やったな。僕はなんだろう」
ゆっくりとおみくじを広げる僕
そこに書いてあったのは・・・吉
「ははは。吉だって」
「ま、こんな事もあるだろう。そういうアンタは何だよ?」
「私?まだ見てないけど、”あんた”よりは上でしょーね」
その自信はどっから来るんだよ?
「ほ~。なら見せてもらいたいものだ」
「いいわよ。ほら」
アキトの彼女が僕らに見えるようにおみくじを広げた。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・吉・・・だね」
「な、なんですってー」
慌てておみくじを確認するアキトの彼女。
「ふっ。残念だったな、引き分けだ」
「認めない、絶対に認めない」
そう言って、持っているおみくじを投げ捨てた。
そして・・・
「勝負しなさい」「何でさ?」
「いいから、もう1回おみくじ引くの」「・・・・・ああ」
というわけで、もう1度おみくじを引いた(買った)のだが
「「・・・・・・・・・・」」
「・・・声、掛けてやれって」
「いや・・・今はそっとしときましょ」
「なんだよ・・・・コレは」
「あんた、マネしないでよ」
2人が引き当てたのは”凶”。しかも、勝敗も引き分け。
「おめ~のせいで運気が下がっただろ」
「何よ?あんたが同じ物引くのが悪いんでしょ?」
「なんだと」「何よー」
まるで子供の喧嘩みたいに言い合う2人
その光景をそっと見守る元カップル
「おい、コイツいつもこんな感じなのか?」
僕はアキトに問う。
「いや。普段はそんな子じゃないんだがな」
「だったら、普段道りになるように言えよ」
「あーそれは無理だな」
「何で?」
「ってか、もう1回勝負しなさい」
「ってか、もう僕に絡んでくるな」
「あのさ・・・私、思うんだけどね」
僕とアキトの彼女の間に割って入ってきた彼女。
「「なに?」」
「傍から見てたら、2人は”ホントは仲いい”のかも」
その言葉を聞いた直後。
僕とアキトの彼女は、一瞬、お互いの顔を見た。
そして、直ぐにしよに顔を向け一言。
「いいわけね~よ」「いいわけないわよ」
僕とアキトの彼女が、同時に否定する。
「はう~」
「もうそれくらいにしとけ」
彼の一言で、とりあえず事は納まったのだけど・・・
どうやら、僕とアキトの彼女とは相性が悪いらしい。
でも、アキトの彼氏でもあり、しよの友達ある以上
いつまでもこんな感じじゃダメだろうな・・・
今度会った時は、もう少し普通に接しよう。
・・・・・
・・・
・
2月。
残り1ヶ月となったバイト生活
旅立ちの時期も・・・もうすぐそこに・・・
「な、今日はアレだな」
「あ、ああ。そうだけど?」
「今年は貰えるから安心だな」
「さ~どうだろうね」
「はいはい。んじゃ、邪魔者は退散しますか」
「って、彼女の所なんだろ?」
「ま、そういう事だ。またな」
「ああ。お疲れ」
さて、僕も行きますか。
いつものように彼女を待つ僕。
「ほい。お待たせ」
「んじゃ、帰ろっか」
「うん、あ。ちょっと近くの公園寄ってこうよ?」
「あ、いいよ」
街灯の光が公園のベンチを照らす。
その光の下、僕と彼女は肩を寄せ合い座る。
寒さのせいなのだろうか?
冬の空気はなんだか澄んでいるように思える。
2人吐く息は白く、手は冷たく冷えていたけれど
お互いが側にいるだけで、心は暖かかった。
「う~寒いのにごめんね」
「いや、しよこそ大丈夫か?」
「なんとかね」
「とりあえずコレ使いな」
彼女に差し出したのは、手のひらサイズのカイロ。
「わ~ありがとね」
両手で包み込むようにカイロを受け取る彼女。
「ないよりはましでしょ?」
「うん、温かいよ。んじゃお返しに」
そう言ってコートのポケットから白い紙袋を取り出す彼女。
そして、紙袋の中を確認し、僕に差し出した。
「はい、コレ」
「お、さんきゅ~」
彼女から白い紙袋を受け取り、そっと中を覗き込んだ・・・
「こ、これは・・・」
「こんなの・・・あまり作らないから自信ないけどね」
彼女が僕に作ってくれた物。
それは、若干楕円の形をしている”ドーナツ”であった。
「嬉しい」
心の底から出た言葉である。
「あ、味は・・・保障しないよ?」
「いや~しよが作ってくれたんだ。きっと美味しいはず」
かなりの期待を胸に、早速一口食べてみる僕。
モグモグモグ・・・
「ど、どう?」
心配そうに僕を見つめる彼女。
もぐもぐもぐ・・・
「やっぱ美味しくない?」
「お、美味しいよ。うん、"大丈夫"」
「そかぁ。安心したよ~」
「ありがとうな。しよ」
「喜んで貰えてよかったよ」
満面の笑みを見せる彼女。その笑顔を見て僕も笑顔になる。
(あ~そんな顔されたら、本当の事なんて言えないよな~)
などと、心の中で思いながら、僕は”若干、粉っぽいのドーナツ”を
美味しく?いただいたのである・・・
・・・・・
・・・
・
3月。
私達の長かったバイト生活も終わりを迎える。
僕達がお世話になった店長を始め。社員さん、バイト仲間に別れを告げる。
そして・・・もう1人
旅立つ彼女に・・・別れの挨拶をしなきゃならなかったんだ・・・
──思い出の場所にて──
「なんだか・・・あっという間だったね」
「・・・うん。ほんとにこれでよかったの?」
罪悪感を持つような顔で僕を見つめる君。
「そんな顔しないで。これでいいんだ。こうなる事は最初から・・・"あの日"からの約束だろ?」
笑顔で見つめ僕は優しく君を包む。
「・・・・・ごめんね・・・・・」
両手一杯に力を込めて僕を包み返す。
「謝る事はないって、君はこれから夢を叶えに行くんだ。僕は一緒には行けなかったけど、こっちで応援させてもらうから」
僕の胸の中で静かに頷く君。
「絶対に叶えてみせるからね」
「ああ。信じてるからな」
僕の右手が君の後頭部を軽く撫でる。
胸の辺りに伝わってくる温かく広がる君の涙
ほんとは僕も泣きたかった。
でも、笑ってあげることが・・・君への思いやりだと・・・
そして・・・
「そろそろ・・・行かなきゃ」
「・・・・・ああ」
「君とバイトで会えて、本当によかった」
「僕も君と会えて、好きになれた事、感謝してる」
互いに見詰合い・・・軽く微笑んで・・・僕は君と唇を重ねた
「それじゃ・・・またね」
「ああ・・・また会おう」
君は手を振り、背を向けて歩き出す。
その姿を最後まで見届ける僕。
最後に君は振り返り、一言告げる・・・
「大好きだよ」
僕もありのままの気持ちを君に伝える
「僕も大好きだよ」
そう。僕は君を愛してる────
春夏秋冬。
その季節の色に染まり、その季節の風に惑わされ、その季節と共に恋は生まれる。
私達の過ごして来たこの3年間は
俺達が走り続けて来たこの3年間は
僕達にとってかけがえのない青春
その大切な出会いと青春を決して────
うん。忘れてないよ!
ねぇ?
Do you remember me?.....
~ Re:member 3rd season END ~
next → り・めんば~ラジオ #03




