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Re:member  作者: 五流工房
高校3年編
38/53

Re:member 3rd I will tell from my heart...02

冬の夜空はとても静か

それでいて綺麗

見上げれば

青白く光る星達が詠っている。

その空の(もと)

街灯の光に照らされる2つの影・・・


君は私を笑顔にさせてくれる存在

君は私を楽しませてくれる存在

君は私を支えてくれる存在

君は私を・・・それを知るにはあまりにも遅かった・・・

でも。

あのね・・・私、心から伝えるよ・・・ちゃんと聴いてね・・・



~ Re:member 3rd I will tell from my heart...02 ~



「やっぱ夜は冷えるよね」

「だよね~もう冬だし」

「冬は好きな方?」

「う~ん。どっちかと言えば夏かな」

「確かに、しよは夏が似合うよね」

「どうして?」

「イメージさ」


そう、君はいつも明るい笑顔を元気いっぱいに咲かせてくれる


「イメージなの?」

「ああ。だってさ、いつも元気だし、明るいし」

「それだったらヒロもそうでしょ?」

「そうかい?」

「そうだよ」

「なら、僕も夏が似合う?」

「そうだね~・・・でも」

「でも~何かな?」

「ヒロは色白だから冬かな」

「冬なんだ・・・それはしよのイメージか?」

「そう。雪だるまって感じかなぁ」

「な。そこまで丸々してるかな~」

「ふふふっ。冗談だって~」


例えるなら、太陽を覗く花。夏が似合う君に相応しい花


「なら僕も言わせてくれ」

「ん?何だね少年」

「夏のイメージで、しよにピッタリなのがある」

「お。それは?」


君は、優しく強く生きる"向日葵"


「いちごフラッペ」

「な、ななななな。何故?」

「雪から連想して氷となり、夏といえばフラッペ」

「ああ~ね。っていちごはどう説明するのさ?」

「え?いちご?それは適当に言っただけ」

「ちょっと、それがオチ?」


僕は、そんな君に惹かれて行き、いつしか君を好きになった


「いや~別にオチを作ろうなんて思ってないさ」

「そうなの?でも私のイメージはいちごフラッペかぁ」

「いや、本当に言いたかったのは向日葵さ」

「ひまわり?」

「ああ。しよにはこれがピッタリさ」


今まで・・・隠してきたこの想い・・・今日こそ・・・君に


「へぇ~。それがヒロのイメージ?」

「うん、今も昔も変わらずね」

「え?昔も?」

「そうさ。な、しよ。話したい事あるんだけどいいか?」

「あ、うん。いいよ」

「んじゃ、寄り道するよ」



いつもの公園に着いた僕と彼女。


この場所は、本当に色々とお世話になった場所。

そして、僕が変われた原点(ところ)でもある。


「コーヒーでいいんだよね?」

「うん。さんきゅ~」

公園の近くの自動販売機で飲物を買い、ベンチに腰を下ろす2人。

「あ~やっぱ寒い時は温かい物がいいね~」

「そうだね。でも、僕は熱すぎるのはダメなんだよ~」

「もしかして猫舌?」

「うむ。しよは平気っぽいね?」

「ま~ね。慣れてますから」


和やかなムードで会話が弾み、30分が経過した頃


「もう少しで高校生活も終わるね」

「うん。なんか早かったな~」

「しよは進学するのかい?」

「え?ほんとは進学してもいいんだけどね。就職する」

「そっか。国際ホテルに・・・だね?」

「覚えてたんだ」

「ああ。君の夢だしね」

「ヒロの夢は何?」

「僕の夢?・・・そういや考えた事ないかも」

「そうなの?なら、一緒に考える?」

「いや、とりあえずそれは保留にしてくれ」

「何それ~」


彼女が僕の顔を覗き込んで微笑む

僕も彼女を見て笑顔を見せる


そして・・・


「あのさ・・・・・・・・・・しよに伝えたい事あるんだ」

彼女の顔を真剣に見て、柔らかい口調で言った。

「伝えたい・・・事?」

視線を逸らさずじっと見つめる彼女

その真剣な眼差しに緊張してしまい、なかなか口が動かない。

「あ、あの・・・」


ダメだ・・・意識すればするほど・・・言葉が出ない・・・

今までにない程、胸の鼓動が早くなる。

このままじゃ・・・また・・・・・立ち止まる事に・・・・・


「どうしたの?いつものヒロらしくないよ?」


緊張している僕に優しく声を掛けてくれた。

「いつもの・・・僕?」

「そう。何を言いたいのかはわからないけども、ヒロなりの言葉で話してみたらいいんじゃない?」

僕なりの言葉・・・か

そうだよな。

さっきまでは、前に進む事を考え過ぎてたんだよ。

僕は立ち止まってなんていない。

今も、着実に進んでいるじゃないか

だったら・・・

「ごめん。ちょっと緊張してた」

「え~?今更緊張する仲でもないでしょうに」

再び2人は笑う。

「もっちゃん先輩覚えてる?」

「うん、覚えてるよ」

「前に、先輩の歓迎会をしてた時にさ、先輩が僕に聞いてきた質問あったでしょ?」

僕の問いに右手を額に当て、しばし考える彼女。

「あ、思い出した。確か・・・」


『そういやヒロくんは好きな人いないん?』


「って言ったんだよね?」

「そう」

「そしたら、私も実は気になってたんだよね~って言ったね」

「そうだね。あの時は正直、焦ったんだよ」

「ん?なんで?結局いなかったんだよね?」

無言で首を左右に振り彼女を見る僕。

「え?え?何?どういう事?」

「僕はちゃんと好きな人いたんだ・・・でも、言えなかった」

「・・・・・騙された・・・の?」

「違うよ。誤魔化すしかなかったんだ」

「誤魔化す?何のために?」

「それは・・・・・しよのために」

「私の?・・・え?・・・・・・・もしかしてヒロ」


白い月に見守られ・・・白い光が優しく微笑む。

瞳に映る白い息。そして・・・白く映る君の顔。

彼女が僕の顔から視線を逸らすと同時に、全てを理解した事を悟る僕。

これで思い残す事はあと1つ・・・


「君にずっと言いたくて言えなかった事がある」

彼女の手を優しく握る。彼女は驚きながらも握った手は離さない・・・

いつしか視線も、僕の顔に戻っていた。

「う・・・うん」


「僕は・・・・・・・」


・・・・・

・・・


新年を迎え、バイト生活も残り2ヶ月。

昔のバイト仲間も、少しずつ辞めて行く時期になった。

その分、後輩たちが増えて行き、店も新たなメンバーで活気溢れていたんだけども。

余談ではあるが、年始のバイトは早かった。

10時開店の店に朝7時集合。

まったく、バイト先まで家から自転車で40分かかる事を考えて

新年早々。6時前起きである。


「よ、ヒロ。おめでとう」

「おめでとう。今年もよろしく」

「で、最近どうよ?」

「え?ってまだ今年始まったばかりだろ?」

「それはこのさい関係なしにして、順調なのか?」

「あ、ま~、多分・・・・・」

「おいおい。曖昧な答えだなー」

「ま、もうすぐ来るから、あの子にも聞いてみな」

「なら、そうさせてもらうか」

「アキトこそどうなんだよ?」

「俺?順調だって」


そんな話をしている事5分。


「おはよう~&おめおめ~」

新年1発目のハイテンション。

僕らの眠気をぶっ飛ばす勢いで挨拶をする彼女。

「「おめでとう」」

「今年もよろしくね~」

「こちらこそ、よろしくね」 「ああ。よろしくな」

「あ~初詣行きたかったなぁ・・・」

おい。いきなり愚痴ですか?

「バイト終わって行けばいいだろ?」

あっさりしてんな~あんた。

「僕も初詣行ってもいいけど」

「な、ヒロも行きたがってるぜ?」

「連れてってくれる?」

「ああ。連れて行くさ」

「なら決まりだ。バイトさっさと終わらせて2人で行って来い」

「なんで?アキトは行かないの?」

「ああ、行くがお前とは気まずいだろ?ヒロにも悪いし」

「僕は別に構わないんだけど?」

「新年だからって、2人でなくてもいいんだよ?」

「え?まいったなーってかお前ら自覚してないのか?」

「「何が?」」

「・・・・・なるほどな。俺が気を遣い過ぎてたってわけか」

「ま、そういう事だ。ね、コイツの彼女も来てもいい?」

アキトが気にしてる事を代弁して彼女に伝える。

「うん。いいよ」

「はぁ・・・今年は厄年か?」

「ははは。アキトも言うようになったな」

「うるさいよ」



残り少ないバイト生活。

でも、いつものメンバーはまだここにいる・・・


「今年最初の思い出になるね」

「そだね。あ、これってもしかして」

「ああ。ダブルデートだ」


・・・・・

・・・


『君にずっと言いたくて言えなかった事がある』


あの時、知った君の想い人

それは"わたし"だっと知ってしまった時

君の1年以上の"辛さも"知ってしまった。

だって、これだけ時間があれば他の人を選ぶ選択も出来ていたはず・・・

でも君は、彼は私を選んでくれてる。

そして・・・

(ヒロ)が私の手を握り、想いを伝えてくれたの。


「僕は君を愛してる・・・」


今思えば、ありきたりな言葉。

でも、彼の秘めた想いがこの言葉に重みを掛けていたのね。

いつかの時と同じ。心が揺れる感覚。


「いつから・・・なの?」

「・・・アキトが告白する前から・・・」

「えっ・・・・・じゃ、じゃあヒロはアキトを止める・・と言うか・・私に先に・・なんでなの?」

私は驚きのあまり、思考が追いつかなくなる。気が付けば暗号みたいな言葉を並べていたの。

「君と彼はお似合いかなって・・・ううん、本当は自信がなかった。それを理由に逃げていたのかもしれない。でもね、君が彼と付き合った事はよかったと思ってる」

「・・・・・それは、どうして?」


「だって・・・しよは本当に幸せそうだったから」


・・・ああ。やっぱ君はそうなんだ・・・


今まで、似た者同士だと思ってた2人。

でも最近、やっと気づいた1つの誤解。

それは・・・"人を思いやる気持ち"すなわち、気持ちの優先順位。

(ヒロ)は私の為、いいえ、他の人の為でも、自分の気持ちを抑え込む性格なんだ。


「ねぇ、私がこんな事言うのは間違ってるかもしれないけど・・・その生き方って・・・辛いでしょ?」

「そ・・・だね。だからこそ、しよにこの気持ちを伝えないまま終りたくなかった。結果はどうあれ、もう後悔したくないからね」

「そっか・・・ヒロは覚悟を決めたって事だね?」

「え?あ、ああ。僕と付き合ってくれます?」

「・・・・・・返事は今がいい?」

「あ、えっと・・・しよが決めていいよ」

「それは待つって言ってるように聞こえるけどな~」

「そだな。待つよ。しよが考えて決めてほしい。僕の気持ちはもう伝えたし、変わる事もないしね」

その言い方がね~ズルいんだよなぁ。

あれ?さっきまで落ち着きのなかった自分が、自然と会話している事に気づく。


・・・・・なんだ・・・答えなんてもう・・・・・


「ね、少し歩こうよ。手はこのままでいいからさ」

「ん?ああいいよ」


私と彼を繋いだ手

その温かさを感じながら公園の敷地内を歩いたの。

そして・・・

私は、いえ。私も覚悟を決めたわ。


公園の街灯付近で立ち止まり、私は彼に告げる。

「ヒロは私を好きです。私もヒロが・・・・・好きです」

「それって・・・OKって事?」

「でも付き合うならこの問題に答えられたらね」

「え?何で突然のクイズ?って言うか僕に試練なのか?」

「ま~簡単な問題だから。覚悟が決まったら教えて」

「覚悟って・・・よし。じゃ~かかって来なさい」

「じゃ~問題!今から私が言う言葉(質問)を、英語で返してみて」

「え?英語なのか?」

「そう!ちゃんと聴いてね?」

「わ、わかった」


「So…what are we?」

「えっと、ああ~あれだよね?私たちって何なのかな?みたいな意味だから・・・pair of lover...sって、え?」


彼が答えを言い終わる前に、私は彼に駆け寄り全身を預けたの・・・

慌てて私を包み込むように支えてくれる彼。

私も両腕を彼の背中に廻し・・・そして。彼の耳元で囁いたの・・・


「あのね・・・私、心から伝えるよ・・・ずっと好きでいてくれて・・・本当にありがとう」



冬の夜空はとても静か

それでいて綺麗

見上げれば

青白く光る星達が詠っている。

その空の(もと)

街灯の光に照らされる2つの影・・・その中心で交わる手と手。

それは遅すぎた始まり。

想いは大きく、恋は小さく・・・・・それでも互いは愛に向かって歩み始めたの・・・・・



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