Re:member 3rd I will tell from my heart...02
冬の夜空はとても静か
それでいて綺麗
見上げれば
青白く光る星達が詠っている。
その空の下
街灯の光に照らされる2つの影・・・
君は私を笑顔にさせてくれる存在
君は私を楽しませてくれる存在
君は私を支えてくれる存在
君は私を・・・それを知るにはあまりにも遅かった・・・
でも。
あのね・・・私、心から伝えるよ・・・ちゃんと聴いてね・・・
~ Re:member 3rd I will tell from my heart...02 ~
「やっぱ夜は冷えるよね」
「だよね~もう冬だし」
「冬は好きな方?」
「う~ん。どっちかと言えば夏かな」
「確かに、しよは夏が似合うよね」
「どうして?」
「イメージさ」
そう、君はいつも明るい笑顔を元気いっぱいに咲かせてくれる
「イメージなの?」
「ああ。だってさ、いつも元気だし、明るいし」
「それだったらヒロもそうでしょ?」
「そうかい?」
「そうだよ」
「なら、僕も夏が似合う?」
「そうだね~・・・でも」
「でも~何かな?」
「ヒロは色白だから冬かな」
「冬なんだ・・・それはしよのイメージか?」
「そう。雪だるまって感じかなぁ」
「な。そこまで丸々してるかな~」
「ふふふっ。冗談だって~」
例えるなら、太陽を覗く花。夏が似合う君に相応しい花
「なら僕も言わせてくれ」
「ん?何だね少年」
「夏のイメージで、しよにピッタリなのがある」
「お。それは?」
君は、優しく強く生きる"向日葵"
「いちごフラッペ」
「な、ななななな。何故?」
「雪から連想して氷となり、夏といえばフラッペ」
「ああ~ね。っていちごはどう説明するのさ?」
「え?いちご?それは適当に言っただけ」
「ちょっと、それがオチ?」
僕は、そんな君に惹かれて行き、いつしか君を好きになった
「いや~別にオチを作ろうなんて思ってないさ」
「そうなの?でも私のイメージはいちごフラッペかぁ」
「いや、本当に言いたかったのは向日葵さ」
「ひまわり?」
「ああ。しよにはこれがピッタリさ」
今まで・・・隠してきたこの想い・・・今日こそ・・・君に
「へぇ~。それがヒロのイメージ?」
「うん、今も昔も変わらずね」
「え?昔も?」
「そうさ。な、しよ。話したい事あるんだけどいいか?」
「あ、うん。いいよ」
「んじゃ、寄り道するよ」
いつもの公園に着いた僕と彼女。
この場所は、本当に色々とお世話になった場所。
そして、僕が変われた原点でもある。
「コーヒーでいいんだよね?」
「うん。さんきゅ~」
公園の近くの自動販売機で飲物を買い、ベンチに腰を下ろす2人。
「あ~やっぱ寒い時は温かい物がいいね~」
「そうだね。でも、僕は熱すぎるのはダメなんだよ~」
「もしかして猫舌?」
「うむ。しよは平気っぽいね?」
「ま~ね。慣れてますから」
和やかなムードで会話が弾み、30分が経過した頃
「もう少しで高校生活も終わるね」
「うん。なんか早かったな~」
「しよは進学するのかい?」
「え?ほんとは進学してもいいんだけどね。就職する」
「そっか。国際ホテルに・・・だね?」
「覚えてたんだ」
「ああ。君の夢だしね」
「ヒロの夢は何?」
「僕の夢?・・・そういや考えた事ないかも」
「そうなの?なら、一緒に考える?」
「いや、とりあえずそれは保留にしてくれ」
「何それ~」
彼女が僕の顔を覗き込んで微笑む
僕も彼女を見て笑顔を見せる
そして・・・
「あのさ・・・・・・・・・・しよに伝えたい事あるんだ」
彼女の顔を真剣に見て、柔らかい口調で言った。
「伝えたい・・・事?」
視線を逸らさずじっと見つめる彼女
その真剣な眼差しに緊張してしまい、なかなか口が動かない。
「あ、あの・・・」
ダメだ・・・意識すればするほど・・・言葉が出ない・・・
今までにない程、胸の鼓動が早くなる。
このままじゃ・・・また・・・・・立ち止まる事に・・・・・
「どうしたの?いつものヒロらしくないよ?」
緊張している僕に優しく声を掛けてくれた。
「いつもの・・・僕?」
「そう。何を言いたいのかはわからないけども、ヒロなりの言葉で話してみたらいいんじゃない?」
僕なりの言葉・・・か
そうだよな。
さっきまでは、前に進む事を考え過ぎてたんだよ。
僕は立ち止まってなんていない。
今も、着実に進んでいるじゃないか
だったら・・・
「ごめん。ちょっと緊張してた」
「え~?今更緊張する仲でもないでしょうに」
再び2人は笑う。
「もっちゃん先輩覚えてる?」
「うん、覚えてるよ」
「前に、先輩の歓迎会をしてた時にさ、先輩が僕に聞いてきた質問あったでしょ?」
僕の問いに右手を額に当て、しばし考える彼女。
「あ、思い出した。確か・・・」
『そういやヒロくんは好きな人いないん?』
「って言ったんだよね?」
「そう」
「そしたら、私も実は気になってたんだよね~って言ったね」
「そうだね。あの時は正直、焦ったんだよ」
「ん?なんで?結局いなかったんだよね?」
無言で首を左右に振り彼女を見る僕。
「え?え?何?どういう事?」
「僕はちゃんと好きな人いたんだ・・・でも、言えなかった」
「・・・・・騙された・・・の?」
「違うよ。誤魔化すしかなかったんだ」
「誤魔化す?何のために?」
「それは・・・・・しよのために」
「私の?・・・え?・・・・・・・もしかしてヒロ」
白い月に見守られ・・・白い光が優しく微笑む。
瞳に映る白い息。そして・・・白く映る君の顔。
彼女が僕の顔から視線を逸らすと同時に、全てを理解した事を悟る僕。
これで思い残す事はあと1つ・・・
「君にずっと言いたくて言えなかった事がある」
彼女の手を優しく握る。彼女は驚きながらも握った手は離さない・・・
いつしか視線も、僕の顔に戻っていた。
「う・・・うん」
「僕は・・・・・・・」
・・・・・
・・・
・
新年を迎え、バイト生活も残り2ヶ月。
昔のバイト仲間も、少しずつ辞めて行く時期になった。
その分、後輩たちが増えて行き、店も新たなメンバーで活気溢れていたんだけども。
余談ではあるが、年始のバイトは早かった。
10時開店の店に朝7時集合。
まったく、バイト先まで家から自転車で40分かかる事を考えて
新年早々。6時前起きである。
「よ、ヒロ。おめでとう」
「おめでとう。今年もよろしく」
「で、最近どうよ?」
「え?ってまだ今年始まったばかりだろ?」
「それはこのさい関係なしにして、順調なのか?」
「あ、ま~、多分・・・・・」
「おいおい。曖昧な答えだなー」
「ま、もうすぐ来るから、あの子にも聞いてみな」
「なら、そうさせてもらうか」
「アキトこそどうなんだよ?」
「俺?順調だって」
そんな話をしている事5分。
「おはよう~&おめおめ~」
新年1発目のハイテンション。
僕らの眠気をぶっ飛ばす勢いで挨拶をする彼女。
「「おめでとう」」
「今年もよろしくね~」
「こちらこそ、よろしくね」 「ああ。よろしくな」
「あ~初詣行きたかったなぁ・・・」
おい。いきなり愚痴ですか?
「バイト終わって行けばいいだろ?」
あっさりしてんな~あんた。
「僕も初詣行ってもいいけど」
「な、ヒロも行きたがってるぜ?」
「連れてってくれる?」
「ああ。連れて行くさ」
「なら決まりだ。バイトさっさと終わらせて2人で行って来い」
「なんで?アキトは行かないの?」
「ああ、行くがお前とは気まずいだろ?ヒロにも悪いし」
「僕は別に構わないんだけど?」
「新年だからって、2人でなくてもいいんだよ?」
「え?まいったなーってかお前ら自覚してないのか?」
「「何が?」」
「・・・・・なるほどな。俺が気を遣い過ぎてたってわけか」
「ま、そういう事だ。ね、コイツの彼女も来てもいい?」
アキトが気にしてる事を代弁して彼女に伝える。
「うん。いいよ」
「はぁ・・・今年は厄年か?」
「ははは。アキトも言うようになったな」
「うるさいよ」
残り少ないバイト生活。
でも、いつものメンバーはまだここにいる・・・
「今年最初の思い出になるね」
「そだね。あ、これってもしかして」
「ああ。ダブルデートだ」
・・・・・
・・・
・
『君にずっと言いたくて言えなかった事がある』
あの時、知った君の想い人
それは"わたし"だっと知ってしまった時
君の1年以上の"辛さも"知ってしまった。
だって、これだけ時間があれば他の人を選ぶ選択も出来ていたはず・・・
でも君は、彼は私を選んでくれてる。
そして・・・
彼が私の手を握り、想いを伝えてくれたの。
「僕は君を愛してる・・・」
今思えば、ありきたりな言葉。
でも、彼の秘めた想いがこの言葉に重みを掛けていたのね。
いつかの時と同じ。心が揺れる感覚。
「いつから・・・なの?」
「・・・アキトが告白する前から・・・」
「えっ・・・・・じゃ、じゃあヒロはアキトを止める・・と言うか・・私に先に・・なんでなの?」
私は驚きのあまり、思考が追いつかなくなる。気が付けば暗号みたいな言葉を並べていたの。
「君と彼はお似合いかなって・・・ううん、本当は自信がなかった。それを理由に逃げていたのかもしれない。でもね、君が彼と付き合った事はよかったと思ってる」
「・・・・・それは、どうして?」
「だって・・・しよは本当に幸せそうだったから」
・・・ああ。やっぱ君はそうなんだ・・・
今まで、似た者同士だと思ってた2人。
でも最近、やっと気づいた1つの誤解。
それは・・・"人を思いやる気持ち"すなわち、気持ちの優先順位。
彼は私の為、いいえ、他の人の為でも、自分の気持ちを抑え込む性格なんだ。
「ねぇ、私がこんな事言うのは間違ってるかもしれないけど・・・その生き方って・・・辛いでしょ?」
「そ・・・だね。だからこそ、しよにこの気持ちを伝えないまま終りたくなかった。結果はどうあれ、もう後悔したくないからね」
「そっか・・・ヒロは覚悟を決めたって事だね?」
「え?あ、ああ。僕と付き合ってくれます?」
「・・・・・・返事は今がいい?」
「あ、えっと・・・しよが決めていいよ」
「それは待つって言ってるように聞こえるけどな~」
「そだな。待つよ。しよが考えて決めてほしい。僕の気持ちはもう伝えたし、変わる事もないしね」
その言い方がね~ズルいんだよなぁ。
あれ?さっきまで落ち着きのなかった自分が、自然と会話している事に気づく。
・・・・・なんだ・・・答えなんてもう・・・・・
「ね、少し歩こうよ。手はこのままでいいからさ」
「ん?ああいいよ」
私と彼を繋いだ手
その温かさを感じながら公園の敷地内を歩いたの。
そして・・・
私は、いえ。私も覚悟を決めたわ。
公園の街灯付近で立ち止まり、私は彼に告げる。
「ヒロは私を好きです。私もヒロが・・・・・好きです」
「それって・・・OKって事?」
「でも付き合うならこの問題に答えられたらね」
「え?何で突然のクイズ?って言うか僕に試練なのか?」
「ま~簡単な問題だから。覚悟が決まったら教えて」
「覚悟って・・・よし。じゃ~かかって来なさい」
「じゃ~問題!今から私が言う言葉を、英語で返してみて」
「え?英語なのか?」
「そう!ちゃんと聴いてね?」
「わ、わかった」
「So…what are we?」
「えっと、ああ~あれだよね?私たちって何なのかな?みたいな意味だから・・・pair of lover...sって、え?」
彼が答えを言い終わる前に、私は彼に駆け寄り全身を預けたの・・・
慌てて私を包み込むように支えてくれる彼。
私も両腕を彼の背中に廻し・・・そして。彼の耳元で囁いたの・・・
「あのね・・・私、心から伝えるよ・・・ずっと好きでいてくれて・・・本当にありがとう」
冬の夜空はとても静か
それでいて綺麗
見上げれば
青白く光る星達が詠っている。
その空の下
街灯の光に照らされる2つの影・・・その中心で交わる手と手。
それは遅すぎた始まり。
想いは大きく、恋は小さく・・・・・それでも互いは愛に向かって歩み始めたの・・・・・
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