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Re:member  作者: 五流工房
高校3年編
37/53

Re:member 3rd I will tell from my heart...01

「先輩方。お疲れ様でした」

「お疲れさん」

「おう」

「はい、お疲れ~」

バイト仲間の挨拶に、三者三様の答え方をする先輩方御一行。

性格も様々で好みもバラバラ、唯一の共通点は同じ歳のバイト仲間であるって事。

こんな僕らだったが、恋においてはかなりの複雑事情

時に、三角関係。

時に、一方通行。

時に、新たな三角関係。

そして、恋のリセット。

ほんっと、恋って難しいよね?


そんなこんなで、大会終了の夜の事。


「さささ~お2人さん。今日はお疲れ様でした」

「どうもどうも」

「ほんとに疲れたな」

「でもさ~今日は2人にとってはいい記念になったでしょ?」

お互いの顔を見合わせる僕とアキト

「「ま~な」」

「アキトの頑張りがあったからな」

「ヒロの活躍もあったからな」

「すごいよね、すごいよね。だって”優勝”だもんね」

再びお互いの顔を見合わせる僕とアキト

僕らの口元が少しニヤけ、同時に彼女の顔の方に振り向く。

「「それは・・・」」

「ほへ?」

「「当り数だぁぁぁぁぁ!!!!!」」 「はうぅぅぅぅごめんなさいぃぃぃ」



~ Re:member 3rd I will tell from my heart...01 ~



確かに

彼女の言う通り、当り数は優勝だったのだけど・・・

今回の勝敗は当り数ではなく、対戦相手との勝敗で順位が決まる。

従って、結論から言えば僕達は優勝してはいない。

総合成績3位

これが、僕ら最後にして最高の成績となったのである。

顧問の先生には優勝をプレゼントできなかったが、この成績にはかなり満足の様子だった。

ま、最後の踏ん張りが利いたのだと思う。アキトと言う名の踏ん張りが・・・


「でも、しよも応援ありがとうな」

「え?あ、うん。でも~見てただけだよ?」

「それで十分だよな?ヒロ」

「ああ。それで十分だって」

「そかそか~ならよかったさ~」

「しよもヒロも今日はありがとな」

「お礼を言うのは僕の方だよ。ありがと」

「んじゃ~まとめて3人にありがとうって事で~」

「「そだな」」


僕とアキトとしよ。

3人の崩れていた関係が・・・少し戻った瞬間だったのかもしれない。


・・・・・

・・・


時が流れ・・・季節は、秋から冬に変わろうとしていた。


学校では、就職活動や進学やらで何かと忙しい日々を過ごし

恋(課外授業)のバイトでは、慰め役=友達の僕を演じ

未だ彼女との距離は平行線のままであった。

今日も何も変わらない。

いつもと同じように、バイトをしていた時

僕の背後から近づく影が1つ。現れたのはアキトであった。

「な。俺が言う事じゃないが、もうそろそろいいんじゃないか?」

「う~ん・・・今は今で、仲良くさせてもらってるんだけどな」

「そうだけども・・・お前はそれでいいのか?」


本当はすぐに否定は出来た。

でも、この先きに進む勇気がなかったのは事実。そして僕は自信がなかったんだ。

「正直、自信ないな・・・」

「・・・・・」


彼女を好きでいる時間は長かった。

実際、彼女が独り(フリー)になった事で、僕にも可能性(チャンス)が巡って来たのだけども

どうしても前に進めない自分がいたんだ。

その理由に恋愛経験の乏しい僕が、アキト以上に”彼女を幸せにできるのか?”という事だ。

どうしても僕の行きつく答えは・・・NO・・・

だからと言って諦めているわけでもないのだけれど・・・


人を好きになるのは誰しも当たり前の事だと思う。

しかし、それを持続し続ける事の難しさも周りから学んだ。

だから・・・もう少しだけ・・・


「それは昔のお前だろ?」

「え?」

「だから、自信ないって考え方だよ」

昔の僕?アキトは何が言いたいんだ?

「でも、今も昔も、自信なんて・・・ないよ」

「あの子の言葉・・・忘れたのか?」

あの子?


『みんな最初はどうしていいかなんてわからないよ』


あ。記憶の中の言葉が甦り、僕を変えてくれた"あの子"の姿が頭の中に描かれる。

「しの・・・」

「思い出したか?自信なんてなくてもあっても同じなんだ。あの子も言ったように、付き合うって事の始まりってのは、わからない事だらけなんだって」


確かに彼の言う通りかもしれない。僕は、ただ・・・前に進む事が”怖かった”だけ。

「お前は、もう昔のお前じゃないって。彼女にはちゃんと告白出来ただろ?今回もほんの少しの勇気があれば大丈夫」

「アキト・・・ありがとう。結果はどうあれ、前に進まなきゃダメだね」

「そういう事。高校生活も残り少ないんだから、悔いは残すなよ」

そう言い残し彼は仕事に戻って行った。


そうだな・・・・・いつまでも逃げてばかりじゃダメだんだ・・・・・よし!


そして、決意を決める。

君を1度は諦めた僕だけど、どうしても心の奥底では諦めきれていなかった。

と、ここで思うだけはもうやめよう・・・とりあえず僕は進むと決めたんだ。



夜。

それは偶然なのか?もしかして仕組まれたのか?

僕の決心を一念発起させる出来事があった。


ぷるるる~♪ ぷるるる~♪


電話のベルが部屋に響く。

時刻はちょうど23時。

この時間帯に掛けてくる子は過去に1人だけ・・・

左手にコードレスの子機を握り、親指で通話ボタンを押した。


「もしもし?」

「・・・もしもし」


ぎこちない声。それでいて控えめな態度。

間違いなく”あの子”だ。


「やぁ。久しぶりだね」

「うん。お久しぶりです」

「ま~こんな時間に電話してくるのは君だけかなって予想はしてた」

「そ、そうなんだ。ごめんね?こんな時間に」

「いや。いいんだよ。元気してる?」

「ええ。すっかり”こっち”の生活にも慣れたから」

「そうなんだ。”彼氏”とは順調かい?」

「ま~ぼちぼちってとこかな」

「お、すっかり言葉まで変わったかな?」

「もぅ、からかわないでよー」


彼女は、バイトでアキトが話していたあの子さん。名を"しの"

僕の恋愛の恩人でもある彼女。

しのをきっかけに僕は初めて恋愛の楽しみを知る。が、同時に辛さも知った。


「はは、ごめんね。で、今日はどうしたのかな?」

「えっと、お正月辺りに時間空いてる?」

「ん?バイトが休みの日なら大丈夫だけど~」

「あ~まだ頑張ってるんだ」

「ああ、あと少しだけどね。それに・・・」

「好きな人いるからでしょ?」

「・・・うん。今度こそ告白する事に決めたんだ」

「おお!やっと決心がついたんだぁ」

少しテンションが上がったのがわかる。そして喜んでいる姿が浮かんだ。

「ああ、やっぱ言わずに”さよなら”より言って”ありがとう”がいいしね」

「それは・・・私みたいに?」

「・・・そう・・・だね。君がいたから僕は変われたしね」


あれ?何故か受話器の向こうが静かになる。

何かまずい事言ったかな?少し不安になる僕であったが

どうやらその心配は無用だったようで・・・


「ねえ?1つだけ変な質問していい?」

「え?うん。いいよ?」

「ヒロくんが告白したとして、上手くいった時、私が現れたら・・・・・・どう?」

「う~ん。別に大丈夫でしょ?君にはいい彼が出来てるし」

「え?あ、えーと・・・そうじゃなくて」

「あれ?答え方が間違ってたかな?」

「あの、あのね。私に会っても迷惑じゃない?」

「ん?僕は迷惑じゃないよ?ってあれ?なんか話しが逸れてるような・・・」

「そう?本題にもう入ってるんだけどなー」

「だってお正月辺りって・・・・・・・あ、もしかして」

「気づいた?そっちに行こうかなって」


沈黙の理由は、彼女が僕の迷惑になるんじゃないかと心配し

こっちに来る事を伏せようか迷ってたみたいだ。


「実家に帰るって事かな?」

「この場合は実家と言うのかは微妙だけどね」

「なる。じゃ~会えたら会おうよ」

「いいの?なら来年のお正月辺りに約束だよ?」

「ああ。必ず」

「久しぶりに会えるんだね。楽しみだなー」

「僕もしのと彼氏さんに会えるのが楽しみだ」

「残念、今回は家族のみなんだぁ」

「そっか~どんな人か見たかったんだけどな」

「写真なら見せれるよ?」

「んじゃ、その方向でよろしく」

「はい。私もヒロくんの彼女さんに会えるのが楽しみだな」

「う、仕返しですか?」

「まさか。応援してますよ」


楽しく会話は続き、日付が変わろうとする頃

「それじゃー今日はこのへんで」

「うん。あ、ごめん最後に確認したい事が・・・」

「わわ。どうしたの?」

僕はどうしても、"この偶然"がヤツの仕業ではないのかが気になったので

「ここ数日の間にアキトから電話あったりした?」

「え?アキトくん?ないよ。だって彼は電話番号知らないと思う。何で?」

「いや、ないよね?だよね~ははは。ごめん」

「なーんか、怪しいぞー。勘違いにしても気になってくるなぁ」

「あ~ほんと僕の勘違いだから。ただ1つだけ言える事は、今度こそ進む。どんな結末であれね」

「・・・・・うん。頑張れ、ヒロくん」

「ありがとう。しのに勇気もらった」

「や、やめてね・・・ヒロくん、たまに恥ずかしい事を平気で言える人だって知らかったでしょ?」

「え?・・・そうだったんだ」


こうして

なんか後味の悪い電話が終了したのです・・・

あ~こんな事なら確認なんてするんじゃなっかたな・・・


・・・・・

・・・


次の日のバイト終了後。

更衣室で僕とアキトが着替えてる時の事。


「悪い、俺は彼女のとこ行くから」

「ああ。僕も勝負してくるよ」

「お!早い決断だったな。頑張れよ」

「うん。結果はどうあれ、覚悟を決めてくるさ」

「そうか。返事は今度聞かせてくれ」

「ああ」

先に更衣室から出たアキト

さて、僕も行くかな。


僕が更衣室を出た時、ちょうど彼女も更衣室から出てきた。

「あ、しよ」「お、ヒロ」

「今から帰る?」「うん。そだよ」

「なら、送らさせてくれ」「どうしよっかな~」

「・・・ダメかな?」「ダメじゃないよ」

「ならいいよね?」「お願いします」

僕と彼女は店を出る・・・


2人並んで走り出す自転車。

君を好きになって今日までの時間

長かったようで短かったようで

何気ない事も笑い合えたし、バカな事もした。

僕はこのバイトに来て、色んな事が”大切な思い出”

その中で、きっと君が”1番の思い出”となる・・・


「なぁ・・・しよ」

「うん?な~に?」



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