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Re:member  作者: 五流工房
高校3年編
34/53

Re:member 3rd calm...the destination of the heart01

『今度・・・ちゃんと話してみるよ』

『・・・そうだね。それが1番いいかも』


あれから5日過ぎた日の事。


最近は真面目に部活に来ている彼。

スランプに入ってから、なかなか感がつかめない。

集中力がないのか、それとも彼女の事を考えてるのか・・・

どちらにしろ、アキト自身が不安定な状態だと判断できる。

そんな彼が部活終わりにこんな事を口走る。


「ヒロ、バイト先まで送って行ってくれ」



~ Re:member 3rd calm...the destination of the heart01 ~



「何で?自転車どうした?」

当然の疑問。ま、学校で何かあったのかもしれないけど

「今日は乗って来てないんだよ」

「は?家からどうやって来たんだよ?」

「送ってもらったんだよ」

送ってもらった?誰に?彼女(しよ)にか?

「なぁ、最近どうしたんだよ?」

「何が?」

「最近のお前の行動は意味がわからない。何か隠してる事ないか?」

おおよその予想はついていたが、アキトに疑問を投げかける僕。

「・・・・んー」

僕の質問に答えようかどうか迷うアキト。

「とりあえず送るよ。外へ出よう」


部室を出てバイト先に向かう僕とアキト。

「ハブステ持ってたんだな」

「もらい物だけどな」


『今度・・・ちゃんと話してみるよ』


彼女は彼にちゃんと話をしたのだろうか?

「な、前から気になってる事を言っていいか?」

「あ、ああ。なんだ?」

「お前、しよの彼女だよな?」

「・・・ああ」

「僕はお前に彼女を任せたよな?」

「・・・・・ああ」

「なら、これからもちゃんと付き合って行くんだよな?」

「・・・・・・・ああ」


段々と返事が遅くなるのがわかる。


「さっきも聞いたけど、隠してる事あるなら話してくれないか?」

「・・・・・・・・・・」

しばらく黙り込むアキト。

そっちがその気なら・・・


「しよの友達と二股しようなんて事ないよな?」


その一言で、驚きを隠せないでいるアキトの姿が見えた。

「ヒロ・・・なんでその事・・・」

おい・・・マジだったのか・・・心の底で絶望する僕。

「はぁ。先に言うが、僕はお前が二股してる事なんて知らない」

「へ?ならなんでそんな事が言えるんだ?」

「だからお前の行動が最近おかしいからだろ」

怒りまじりの声で僕は言い捨てた。


2度目の沈黙


「・・・ちゃんと話す」

ようやく事の発端からの”真実”が告げられる。

彼女の友達との出会いから恋愛感情が生まれるまでの事。

彼女に黙って友達と会ってた事。

彼女の友達がアキトにかなり惚れてる事など

どれもこれも、僕には最悪な話であった。


「しよには・・・」

「僕は言わない。でも、この話はアキトがちゃんと言うべきだ」

「・・・・・だよな」

「結局アキトはどうしたいんだ?」

「正直、わからない」

この場合。どっちも”大切”と言うのだろうか?

その答えが僕には納得出来なかった。

「・・・しよが何か悪い事したか?」

「・・・してない」

「しよはそんなに魅力ないか?」

「いや、そうじゃない」

「しよは・・・あの子は・・」 「ヒロ。もうわかったから」


悔しかった

そう

ただ、悔しかったんだ。


好きな人をずっと見てきて

好きな人にずっと想いを隠して

好きな人がずっと友を想い続けて

好きな人の好きな人に裏切られる事が・・・


・・・・・

・・・


「やっほ~ヒロ。って元気ないね?」

バイト中。

私の瞳に映った彼の横顔は、どこか寂しそうだった。

「え?そう?今日はちょっと疲れたかな~」

少し動揺してるようにも思えたけど、何か理由があるんだよね?

しかも私が原因なんだろうな・・・


最近さ、私もなんとなくわかるんだ。

君が私の事を見抜くように、私も少しだけど見抜けるんですよ。


「確かに今日もお客は多かったよね」

「そだね。しよも会計大変だったろ?」

「ま~ね。でも、これくらい平気なのさ~」

とりあえず話を合わす私。

「そっか。・・・あ~そういや、アキトとは話したの?」

あは・・・やっぱ気にしてるよね?

「えっと・・・まだ・・・でも、今日話すよ」

「そうなんだ。な~しよ、僕は2人の話に割り込む事は出来ないけど」

「う、うん」

突然の真面目な顔、そして力強い口調の彼に、少しだけ身構えてしまった私。

それに気づいた彼が、軽く俯き、表情を和らげて再度私を見ながらこう言ったの。


「自分に素直に、決して後悔しないで」


「ん~なんだかわからないが了解」

「出来るなら・・・いつも通りの君達でいてくれ」

言葉の意味は今は理解出来なかったけど、心配してくれてる事は確かなのよね?

でも、前からずっと思ってるのだけど

どうして(ヒロ)は私達に気を遣ってくれるのかしら?

それは君の性格だとするなら・・・君は本当に・・・



バイトも終わり、私はアキトに大事な話があると持ち出し

ヒロの持っていたハブステップを使って、一緒に駅付近の公園へ自転車を走らせたの。

そして・・・。


「もう・・言わなくてもわかるでしょ?」

「・・・ああ。でも先に俺の話を聞いてくれないか?ちゃんと話すから」

「うん。聞く・・・でも、私の気持ちは変わらない事だけは言っとくから」

「・・・・・わかった。じゃ、話す」


・・・・・

・・・


「結局、アキトの気持ちはどうなの?」

「俺は・・・・・まだ答えが出てない」

「それは同じくらい好きって事になるけどいい?」

「・・・ああ。ごめん」


本当は色々と言いたい事もあったの。でもこのまま話ても"結果は同じ"

だから納得・・・は出来ないけど、したくないけど・・・彼を引っ叩きたいけど・・・

我慢・・・しなくちゃ


『自分に素直に、決して後悔しないで』


彼の言葉を思い出した時

私の右の掌は、無意識に彼の頬を叩ききっていたの・・・

「あっ・・・ごめ」「いいんだ。しよは我慢しなくていい」

我慢?そのフレーズが私の感情の扉を開かせたの

「いや!我慢しなくちゃもう戻れなくなる!私は大切にしたい!でも・・何で?どうして姉さんなの?」

「え?姉さん?てか何を言って・・」

「うるさい!他の人ならもっと我がまま言えたのに、あの子は、みあは・・・私の!私はぁ・・・」

感情が溢れすぎて、涙も止まらなくて、この先の事はあまり覚えてなかったの。


・・・・・

・・・


あれから私が落ち着くまで、どれくらいの時間が経ったのかわからない。

でも彼は、何も言わず、ただ側にいてくれてました。

後になって、どんな事を口走ってたかとか聞きたいけど、怖くて聞けないし

きっと彼も何も答えないでしょうね。


「言っとくけど、しばらくは私。機嫌悪いからね」

「ああ。当然だろう。アイツも許しては貰えないと思うしな」

「でも・・・私は。またいつかみんなで・・・」

「そうだな。約束だ」



next → Re:member 3rd calm...the destination of the heart02

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