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Re:member  作者: 五流工房
高校1年編
3/53

Re:member hiro's side01

高校生になって半年以上が過ぎた頃


僕は友達の”アキト”に誘われてバイトを始める事になる。

仕事内容と言えば、主に裏方の作業

皿洗いとでも言っておこう。

正式にはバックの仕事と言うらしいのだが

人見知りな僕は裏の仕事がお似合いだと実感した。

ちなみにバイト先の店は、とある回転すし屋だった。



~ Re:member hiro's side01 ~



バイト初日

初めは正直緊張の連続だった。

見た事もない機材と大きい調理器具、それに業務用冷蔵庫

とにかく見る物全てが新鮮に思えた。

その中で1番の緊張といえば”バイトの女の子”だった。

恥ずかしい話なのだけれど

僕は女の人との接し方がわからなかった。

だから

これから一緒に働いて行くのにどう接していいのか?

迷惑を掛けるんじゃないのか?

など、マイナス思考な僕だったが、

バイトの仲間達はいい人ばかりで、僕を暖かく迎え入れてくれた。

おかげでオーバーな考え方も改めたんだ。


回を重ねる毎に、バイトの仕事にも徐々に慣れ

女の子との接し方も、少しではあるが上手く出来るようになっていた。


そんなある日。

バイト終了時に、アキトが僕にこんな話をして来たんだ。


「ヒロ。今、好きな女の子いる?」

「いいや、いないよ」

実際いないし、僕は強がる事もなく、正直に答えてしまった。

「そっか。ちょっと待ってて」

何か確信を得たのか、いきなりダッシュで僕の前から消えた。

一体何なんだ?僕はとりあえず待ってみた。

そうして待つこと3分くらい・・・アキトが戻ってきた。

ん?もう1人いる?

僕の前に現れたのは、バイト仲間の女の子だった。

その子は僕も少しではあるが親しかった。

「やっほー」

「・・・・・ゃぁ」

やや弱々しい声で挨拶を返してしまった。

「この子と付き合わない?」

は?

あまりにも唐突すぎる展開に僕はかなり驚いた。

「・・・冗談でししょ?」

思いっきり動揺してかんでしまった。

その言葉に女の子は笑っていた。

「別に無理にとは言わないけど、この子はOKみたいだぜ」

ほんとに冗談ではないのか?これはチャンスなのか?

それよりこの話が本当か確かめなきゃ

僕は、まだ落ち着きのない思考をどうにか抑えて、女の子に一言

「あの、ホントなの?」

ぎこちない喋りになったが、どうにか質問出来た。

「君がOKならね」

と、笑顔で答えてくれて、2つ折りになった小さなメモ用紙を僕に手渡した。

なんだろう?


「じゃ今日はもう帰るね。お疲れさま」

元気よく手を振って女の子は帰って行った。

僕も挨拶をして手を振り返していた。

振っていた僕の右手の指の間に挟まってる

メモ用紙も静かに風を切って揺れていた。



next → Re:member shino's side01

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