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Re:member  作者: 五流工房
高校3年編
29/53

Re:member 3rd Spring breeze02

「はいはいは~い。ちょいと失礼しますね~」

テーブル席のお客さんにぶつからない程度に、食べ終わった皿を勢いよく運ぶ”もっちゃん先輩”

「ほ~い、ヒロくん。後は任せたで~」

テンション高めで動きも機敏。バイト仲間にも愛されて、正にパーフェクトアルバイターである(自称だが)

以前に比べてバイトの人口は増したのだけど、賑やかさも倍増したのは言うまでもない。


「ほれほれ~早く終わらせてご飯行こうよ~」

元祖ハイテンション(ガール)しよの元気な声が店内に響く。

今日は少し早めの閉店。余った時間を使い、みんなでご飯を食べに行く事にしてたのだ。

メンバーはいつもの3人。と、もう1人

「ほんまに行ってええん?」

「「「もちろんです」」」

そう、しよの学校の先輩であり、バイトでは僕とアキトの先輩でもある

もっちゃん先輩。

実は、僕らはこの機会に、先輩の歓迎会をするつもりでいたんだ。

「じゃ、何処に食べにいこうか決めようぜ」

「そだね」

「先輩は何が食べたいですかぁ?」

「え?私?う~ん、みなは何でも食べれるん?」

「俺は何でもいいですよ」

「私も食べれる物なら何でもいいです」

「僕も同じだけど、今は寿司以外で・・・」

「「「確かに」」」

「ほな、私の元バイト先に行こか~」

「元バイト先?何処なんです?」

「気になる~。ね、アキト」

「あ、ああ」

彼女のアキトに対する無防備さに、先輩は何かを悟ったようだった。

「前の店は、昼は喫茶店で夜はレストランみたいなとこ」

「あ、もしかして。ログハウスの店ですか?」

後輩のキラキラした瞳が先輩の瞳に映る。

「あ、あんなしよちゃん。そんなに近寄らんでもええから」

先輩が思わず後ずさりした。

「しよちゃんが言うたようにログハウスの店なんよ」

「へ~。僕はOKっすよ」「俺もOK」「私もOKです」

「んじゃ決まりって事で。案内するから付いてきな~」

「「「はい~」」」

こうして4人は先輩の元バイト先に向かった。



~ Re:member 3rd Spring breeze02 ~



「着いたで~ここが私の元バイト先」

「いい雰囲気の店だ」

「さ~早く入ろうよ、お腹空いたし~」

「だね。では行きますか」


僕達は店の方に歩いて行く。途中、店の前で先輩が僕を呼び止めた。

「どうしたんです?」

「ちょっと聞きたいことあるんよ」

すでにアキトとしよは、店の中に入って行く途中だった。

「あれ?入っちゃダメだったの?」

「いや、先に2人で座っててええから」

先輩の行動と言葉で、僕は"何が聞きたいか"が理解した。

「待ちますよ?」

「わりぃ~先に行ってくれ」

僕の言葉に先輩の口元が少しにやけた。

「そか?先に席とっとくから」

「すまないね」

2人が店に入ったと同時に先輩が口を開く

「ごめんなヒロくん」

「いえいえ、気にしてませんよ」

「ちょと聞きたいことあるって言ったんやけど・・・」

「ええ。もう言わなくてもわかっちゃったみたいですね」

「・・・ヒロくんさ、人をよく見抜くタイプ?」

「さぁ~どうでしょう。ただ、先輩程じゃないですが」

「そうかな?対応早かったから驚いたよ」

密かに探りを入れてくる先輩

「ははは、案外アイツらの事はよくわかるんで」

「最近付き合った?」

「いや、約1年前くらいっす」

「そっか、辛いポジションだね」

僕を気遣うように、柔らかい声で言った。

「ま、正直辛いですが、これも自分で決めたことですから・・・」

僕は思わず本音を言ってしまった・・・

「あ~でも、アイツら見てたらお似合いだなって」

「ふふふっ。ごめんやで、いらん事聞いたな」

「え?あ・・・いえ」


正直、驚いた。

先輩は、僕と同じ・・・いや、それ以上の”洞察力”のある人なんだ。


「お腹空いたやろ?ほな店に入ろっか」

先輩は笑って、僕の手を握り、店まで連れて行った。

あ~なんか僕、連行されてるみたいだな・・・

「あ、あの~なんで手なんか・・・」

「気にせんでええよ。さっきのお詫びや~」

なんだか、思ったより無茶苦茶な性格の人なんですね・・・


店の中、ほぼ正方形のテーブルに僕らは座っている。

並びは、時計回りに、アキト→しよ→ヒロ→先輩

店内は広く落ち着いた感じの雰囲気だ。

みんなの料理が揃ったとこで、ようやく先輩の歓迎会が始まった。

バイトの始めたきっかけや僕らの普段の生活、友達関係など、先輩は興味深く聞いてくる。

もちろん、僕らも先輩の事を色々と聞いた。

そして話題はこんな方向に・・・

「そういやヒロくんは好きな人いないん?」

「え、何で?ですゕ?」

意外な展開に少し動揺した。

「あ、私も実は気になってたんだよね~」

彼女の視線が僕に向けられ・・・僕としよの視線が合った。

「い、いないですよ。うん、いたらここにはいないでしょ?」

僕の動揺混じりの言葉に、先輩が反応した。

「ひょっとして、案外近くの人だったりする?」

う・・・先輩には知られてしまったか・・・

「それは違いますよ」

このままなら大事になりかねないと判断したアキトがすぐにフォローに入る。

「え。何なに?結局いないの?」

とにかく、この場で彼女に知られるのは嫌だ

「ああ、フリーですよ」

「そっか、彼女作ればいいのに」

「ま、そのうちな」

「気長に探せよ」

「ほほう、なら~私なんてどうよ?」

「はい?」

突然のアピール攻撃、もとい、暴走発言。

「え、えぇ~~!!!」

相変わらずのノリ上手な彼女

「・・・・・・」

展開の速さに、置いてけぼりの彼

「マジですか?」

とりあえず質問。

「ははは~冗談やて~」

「ですよね~ははは」

「な~んだ。冗談か~」

「結局、・・・何?」


こうして、先輩の歓迎会は終わった・・・


「今日は楽しかったで~ありがとう」

「こちらこそ、面白かったです」

「俺も楽しめました、ありがとうございます」

「また、みんなで楽しみましょう」

「OK。ほな、またな~」

「「「お疲れさまでした~」」」


先輩が帰った後、僕達はしよを見送り、アキトと僕は家路に向かい自転車を走らせる。

「はぁ・・・疲れた」

「なんか、危なかったな」

「ああ、でも、もう遅い・・・な」

「え?それって・・・まさか」

「・・・気づかれただろうな・・・きっと」

「!?」



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