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Re:member  作者: 五流工房
高校3年編
28/53

Re:member 3rd Spring breeze01

「でね。この前ラジオで、私が投稿したやつが読まれたのよ」

「へぇ~すごいじゃない!で、どんな内容が読まれたの?」

「それがね、何故かわからないけれど、読まれる前に"シュレッダー"に掛けられたわ」

「何それ~ウケるんですけど~。でもさ、いい笑い話が出来てよかったじゃない」

「ま、そう言う事・・・なのかしら?」


「それじゃ~私はバイトなんで、まったね」

「ええ。また学校でね」


いつものように自転車を走らせる。

夏のような暑さも冬のような寒さもなく

過ごしやすい季節。

行先に見えてる桜も満開で、時折吹く風が花びらと共に頬を撫でる。

「よ。姫様」

「お~殿か。苦しゅうないぞ」

「今日、彼氏は1時間早いシフトだったね」

「そうなのよ。だから今日は一緒に来られないのが残念ですわ」

「帰りは一緒に帰ったらいいよ。僕は邪魔しないからゆっくり甘えておいで」

「な、私がいつアイツに甘えた」

「アイツに聞いたって言ったら?」

「・・・・・もしかして色々と知ってるの?」

「さ~どうだろう。お、到着だな」

「だね、今日も頑張るかな・・・って、誤魔化さないでよぉ」

私達は自転車から離れ、従業員入口へ向かう。

「じゃ、1つだけ、僕だけが知っている君の秘密を教えてあげよう」

「ほへ?そんな秘密あったっけ?」

彼の右手が私の頬に向かって来るのがわかる・・・

「じっとしてて、後で謝るから」

彼の指が私の頬に触れる。緊張なのか?心が少し震えた。

「はい、桜の木とお戯れでしたな?姫」

「あ、花びら?さっき風で飛んで来たやつかも~」

「そか、ごめんな。彼氏以外に触れられてほしくなかったかい?」

「んんや。君は特別に許そうぞ・・・ってキャラがブレブレだね」

「ま~な。さて、この花びらどうする?アイツに見せてやるか?」

「そだね、わざと頬に付けて、どう反応するか確かめるってのはどう?」

「よしのった」

そう言って彼は桜の花びらを私に手渡そうとした瞬間(とき)

春風が花びらを奪い去って行ったの

天高く舞う花びら・・・ここから始まる私達の最後の物語・・・



~ Re:member 3rd Spring breeze01 ~



バイトに入って3度目の春が来ました。

新人だった私も、今ではもうすっかりベテランになり

先輩と呼ばれる後輩も入ったりして、ますます騒がしくなる店内。

ま~給料は相変わらず高くはないんだけどね・・・でも楽しくやらせてもらってるからいいかなって。

そんな中、新たな新人さんが今日から来るという話を聞いたの。

「新人だってよヒロ」

「あ、ああ。どんな人だろうね?」

「いい男だったりして~あはっ」

「ったく、イケ面にすぐ食いつく癖はよせ」

「え?そんな癖あった?」

「ん?そんな癖なんてないって~」

「・・・・・」

「もしかして・・・アキトなりのボケ?」

若干、苦笑しそうな顔をしてる彼が”ヒロ”

アキトの友達であり、私の友達。

「まだダメか・・・」

若干、顔を赤く染めて照れてる彼が”アキト”

ヒロの友達であり私の彼氏。

「そうみたいね。少しは成長したけど~まだ照れがあるね」


「しよちゃーん会計お願いね」


「あ、わかりました店長」

とりあえず会計を済まして来よう。と言う事でヒロ交代!

おう。若干、元気いっぱい胸いっぱいのテンションで

笑顔を見せ会計に走って行った彼女が”しよ”

僕の友達であり、アキトの彼女である。


約1年前

それぞれが、それぞれの”きっかけ”に基づき

見えない恋の三角関係まで発展したこの3人

今は、僕が陰ながら応援する事で2人の仲が安定している。

言うまでもないが

彼女の事を僕が”好き”という事は、当然知りはしない。

いや、知られてはいけないと思っていたんだ。

この”秘密”を知る人物はアキトのみなのだ・・・


「たっだいま」

会計が済み彼女が帰って来た。じゃ、交代する?

う~ん、このままお願いしていい?

ああ。じゃ、このまま続けるね。


しばらく3人でボケとツッコミをしていると

裏口のドアを開けて新人さんが入って来た。

「あの~店長さん、います?」

「「「はい。少々お待ち下さい」」」

突然の登場で、声がハモってしまった3人。とりあえず店長を呼びに彼女がその場を去った。

「楽しそうなとこですね」

「ええ。毎日が騒がしいですよ」

「特にコイツが騒がしくて↑」

僕がボケた事を察したアキト。さあ、どうする?

「さ、騒がしいって・・・なんでやねん」

ぎこちない・・・ってか、いつから僕らはこんなキャラに?

ま~いい。それよりツッコミが甘い事に突っ込んでやろう。

「ちが・・・」 「あかん」

正に突っ込もうとした瞬間

新人さんが”割り込みツッコミ”を掛けた。

「あんた~ツッコミが甘いって、もっとスパーンと言わな」

「は、はぁ・・・」

見た目と性格のギャップにキョトン気味の彼。

「あの~作ってます?それともまんま?」

「え?あ。あ~作ってます~ほほほ」

その返答から、この方の性格が理解できた。

「お待たせしました。ここじゃ~アレなんでどうぞこちらに」

彼女が彼女を連れて行く・・・

「とんでもない人が来たね~」

「・・・ああ。美人なのに・・・」

「でも、面白い人には違いないな」


「たっだいま~」

「「おか」」

「あの人、私の高校の先輩らしいよ」

「ほうほう、なんとなく納得」

「なんで納得なの?」

「しよと似てるとこあるから~」

「そうか?俺は似てないと思うぞ」

「似てるとこって・・・顔?」

「「いや」」

「即答だね~・・・ま、お約束って事で」

笑顔を見せてはいるが、目元は少々つり上がっていた。

「元気のよさが似てるかな」

「ああ。なるほど」

「ん?そうなの?」

「ま、そのうちわかると思うよ~」

それから数分が過ぎた頃、新人さんが戻ってきた。

「さっきはどうも。挨拶遅れたので、ここでさせてもらいます」

「「「はい」」」

「私の名前は・・・」


彼女の挨拶が終わる。僕らも彼女に挨拶返しをした。

どうやら、彼女はしよの1つ上の先輩(現在は大学生)である事は確定した。

「アキトくん、しよちゃん、ヒロくんっと。これからヨロシク~」

「こちらこそ~先輩」

「よろしく」

「ヨロシクっす」

「あ、私の事は”もっちゃん”て言ってや~」

「「「もっちゃん?」」」

「そう。その方が言いやすいしな~」

そう言って彼女は大人の笑顔を見せた。

「ね~ヒロ」

「はい?」

「似てるって言った意味・・・なんとなくわかった気がする」


こうして

約1年間続いていた平坦な(スト-リ-)

新たな軌道(ほうこう)へと進み始めた事は・・・僕達はまだ、知らなかったんだ。



next → Re:member 3rd Spring breeze02

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