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Re:member  作者: 五流工房
高校2年編
26/53

Re:member 2nd Summer Days05

夏の終わりに帰国する少女。

スカイブルーの空の下で、家族との再会。

そして

遠くから見守る2つの影。


「「おかえり・・・しよ」」



~ Re:member 2nd Summer Days05 ~



久しぶりのバイトで緊張気味の彼女

しかし、その働きぶりは見事なもの。

腕は衰えていなかった。


「いらっしゃいませ~」

「5名様でしょうか?」

「あちらのテーブル席をお使い下さい」

「15番テーブル5名様入られま〜す」


「はい。お会計ですね」

「3500円頂きます」

「1万円からでよろしいですか?」

「6500円のお返しになります。お確かめ下さい」

「ありがとうございます。またお越し下さいませ~」


店に、元気いっぱい胸いっぱいの声が響く。

その声は、働いている皆にも元気を分け与えてくれる。

彼女の存在はバイト仲間にとってもかなり大きい存在だと、改めて思ったんだ。



閉店時間になり

皆が片付けに入る頃、彼女が彼氏と話をしているのが見えた。

その頃の僕は、気持ちの整理を済ませていて

2人の幸せを”応援しよう”という気持ちになっていた。

僕は、楽しく話している2人の姿に安心し、先に店を出た。


1人で帰宅する途中、懐かしの公園に寄り道をした。

暗い闇を鈍い光で照らす街灯・・・

街灯を見ると、あの時の笑顔と涙が甦る。

でも・・・今となっては、いい思い出。

だから・・・


♪ぴぴぴぴぴ


ポケットに入れていたポケベルが鳴る。

10105(いまどこ?)

アキトからのベルだ。

とりあえず返事を送ろうと、公園の電話ボックスに入る。

あれ?公園って・・・どう打つんだ?

しばらく悩んだ結果

5-02164(こーえんにいるよ)

なんだか無理矢理だけども、この暗号が理解出来ていた事は今でも不思議と思う。



公園のベンチに座って10分が過ぎようとした時

自転車のライトの光が、段々と近づいて来てるのがわかった。


「おーい」 「お疲れ~」

「お疲れ、よくここがわかったね」

「んー、5-0が難しかったが、アイツが理解した」

「さすがっしょ?ヒロも褒めていいよ~」

「はは、調子にのんなって」

「あ~、のってくれてもいいじゃない」

僕の突っ込みに少々不満気味の彼女。

「ほれほれ、こういう時に慰めてあげるのが彼氏だろ?」

僕は冗談でアキトにネタを振ってみた。

「いや。こういうのは得意じゃない」

彼はボケでも突っ込みでもない。いたって平凡な性格

きっと3人の中では”1番まとも”な人間である。

いや、彼女と僕は”ボケとツッコミ”という仲なのだろう。


「で、僕に何か用?」

話の軌道を元に戻した。


「ヒロ。約束・・・覚えてるよね?」

「花火の事だろ?覚えてるけど?」

「なら今からでもいいか?」

「え?あ~でも、花火まだ用意してないんだけど?」


予想通りの展開で2人は笑っている。

「ふふふ。そんな事だと思ってね」

彼女が自転車に向かって歩き出す。

「ヒロには色々と世話になったし・・・」

話の途中で彼女に聞こえないように僕に


「同じ人を好きになって悪かった」


彼なりの思いやり

不器用な言葉だけども、心に響く物があった。


「いや、彼女にはお前がお似合いだ」

「サンキューな」

「どんな形でも、僕とアキトは友達だ」

「違うよ」

気が付けば彼女が戻って来ていた。

「え?何で?」

「話・・・聞いてたのか?」


少し動揺を見せる2人


「聞いてたよ。ヒロとアキトが友達だってとこから」

「「え・・・そうなんだ」」


どうやら2人だけしか知らない事は聞かれずに済んだみたいだ


「なんで違うって言ったんだい?」

僕は再度、彼女に聞いてみた。

「だから~私をのけものにしないで」

あ、なるほど

「ごめん。しよとアキトは恋人同士だしな。僕はひっそりと2人を見守るよ」

「なんか・・・やけになったか?」

「じゃなくて、私は3人で楽しくしたいの。そりゃアキトとはこうなったけどさ・・・」

軽く照れる彼女。ま~これもいつもの流れ(茶番)だ。

しよが言いたい事はわかってる。でもこの先はこのままってのも・・・な。

「ははは、どんな事があったって・・・僕達は・・・」

「僕達は?」「ほへ?」

続きの言葉を待つ2人の前に立ち、僕は真面目な声で・・・


「友達でいてもいいのかな?僕はこの先・・・邪魔にならないかな?」


ひと時の静寂。

お互いの顔が向き合う2人。そして軽く笑って僕に振り向き

「当たり前だろ」「ヒロは私らの大切な人なの」

あっさり否定。

僕の投げた問いは見事に、場外へ飛んで行く程の爽快さで、答えを打ち返された。

それはとても気持ちが晴れる気分。

心の中で2人に感謝して、僕は今度こそ迷いなくこのセリフが言えると思ったんだ。


「なら、どんな事があったって僕達は友達だ」

「ああ」「うん」



夜の公園を鈍い光で照らす街灯・・・

街灯を見ると、あの時の笑顔と涙が甦る。

でも・・・今となっては、いい思い出。

そして・・・もう1つ・・・新たな思い出が刻まれる。


「じゃ~ん。花火持ってきました~」

「お~ありがたいです」

「では、やりますか」


花火の火が明るく公園の姿を映し出す

それと同時に僕らの表情も明るさを増す


「公園で花火ってのもいいね」

「夜だから貸切だな」

「私、今年は花火初めてなんだよ」

「確かにそだね。勉強してたしな」

「ヒロに感謝しとけよ」

「そだね、ありがとね」

「いや、肝心の花火は僕は用意してなかったから」

「でも、きっかけは作ってくれたしな」

「そうそう」

「・・・・・そか。じゃ、思いっきり楽しもうよ」

「ああ」

「お~」


時間が経つにつれて、残りの花火も少なくなってきた。

そして、最後に残った花火・・・それは線香花火だったんだ。

地味な花火だが、なんだかコレが夏らしいと思った。


「私はアキトも好きだけどヒロも好き」

「だってよ。二股賭けしてるぜ?」

「バ〜カ。もっと危機感を持てって」

「え・・・マジ?」

「ははは」

「僕は友達としてって事だよね?」

「・・・うん。がっかりした?」

「さ~どうだろ。でも、嬉しいかな」

「あー友達としてね」

「アキトはもう少し面白くなってね」

「な、何で?」

「う~む、ボケたアキトなんて想像がつかないが」

「そこのギャップがいいと思わない?」


ちょうど彼女の会話でアキトの花火の火が落ちた。


「まさにいいオチだったな」

「ははは~うまいね~ヒロ」

「俺は何もしてないやん」

「ま、これから彼女と長い付き合いになるんだし、彼女が喜ぶいい男になってやれ」

「そうそう・・・って私ネタはやめい」



残り3本になった線香花火


「ね、最後はみんなで」

「そだな」

「わかった」


横に並んだ3人

ゆっくりと線香花火に火が灯る

弱々しい火を消さないように

ゆっくりと互いの手が触れる所まで花火を持ってゆく


3本並んだ線香花火


「これからもよろしくね」

「よろしくな」

「よろしく」



夏の終わりと共に僕の恋も終わる。

でも、どんな形でも、僕とアキトとしよの関係は変わらない。

そして、遠くに行った彼女との関係も・・・みんな僕の大切な仲間


そりゃたまには上手く行かない時もある。

失うモノがあれば手にするモノのある

俺もヒロもしよも、たまにはぶつかり合うだろう


でもね。それも大事な事だと思うの。

この先、私達はどうなるのかわからないけれど

今と言う時間を大切にして・・・



ーこれからも共に笑って行こうー



~ Re:member 2nd season END ~





















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