Re:member 2nd Summer Days03
「でね、私が変わり者って言ったらー」
「そんなの前から知ってたよって?」
「えっ。やっぱりわかる?」
「わかるよ、君は前から変わり者だって」
「はいはい。でも、君だって変わり者だよー」
「あ~それは認めるが、変わり者なのは」
「「お互い様」」
笑顔の似合う子からの2度目の電話
どうやら彼女は”新たな1歩”を踏み出したみたいだ。
嬉しいような寂しいような・・・微妙な心境
でも、素直におめでとうは言ったんだ。
「彼氏は大事にしなさいね」
「ありがと。次はヒロくんだね」
「あ・・・あぁ」
「ん?何かあったの?」
彼女の問いから甦る 忘れたくて忘れられない過去・・・
~ Re:member 2nd Summer Days03 ~
あの日、電話を終えた彼が見せた期待溢れる笑顔
僕は・・・この時から”彼女を諦めた”
「結果は?」
「少し考えてたみたいだけど、OKって」
そか・・・よかったな、アキト
それから何日か過ぎ
アキトとしよは本格的に付き合い出した。
それと同時に、僕の伝えられなかった想いは・・・
誰も知る事もなく、心の奥底にしまい込んだ。
そして1週間が過ぎようとした頃の事。
「よう」
「おう、部活サボってデートか?」
「ま、そう言うなって。ちょっと時間あるか?」
「ああ。バイトまで時間あるし。どうせアキトもバイトだろ?」
「ああ、だから誘いに来たってのもある」
「そか・・・誘うなら彼女を誘えばいいだろうに」
「・・・お前、何か怒ってないか?」
そりゃ~怒りたくもなるさ・・・自分の情けなさにな
「気のせいだ。さ、行くか」
アキトの誘いにより、駅前の洋食屋に辿り着いた。
そこで僕は、無言の食事。アキトも無言で食べていた。
食事も終わり、無言にも飽きたアキトが口を開く
「あのさ、この前はありがとな・・・」
「なんでお礼を言ってるん?僕は何もしてないけど?」
そう言って僕は視線を水の入ったグラスに向けた。
「いや、1人だとなんか勇気でなくてな・・・だから」
そう言ってアキトは僕のグラスに水を注ぎ足す。
「・・・似合ってると思うよ」
その言葉は、すごく弱々しかった。
「え?なんて?」
彼の言葉には僕は答えず、グラスを左手に取り水を飲んだ。
しばしの沈黙、聞こえてくるのは店内のBGMと周りの客の声。
そして・・・
「ヒロの好きな人って・・・誰?」
何気なく聞いた質問なのだけど・・・
今の僕には罰ゲームみたいに感じたんだ。
「それは・・・」
どうする?言うべきか?隠し通すか?言えば楽にならないか?
2人はもう付き合ってるんだぞ?付き合ってる?
言えば困らせないか?いや、困らせるだろう・・・
「それは・・・"太陽を照らす向日葵さ"」
苦し紛れに答えたセリフ
「それって、誤魔化しだろ?なんで教えてくれないんだ?」
明らかに誤魔化しだ。だが、よく考えればわかる事でもあった。
「アキト」
少し強い口調で僕は言った。
「な、なんだよ?」
少し弱い口調になる彼。
僕はグラスの水を全部飲み、彼に向ってこう言った。
「彼女はお前に任せた。必ず幸せにしてやってくれ」
「お前・・・まさか」
彼は何か感づいたようだったが、僕は何も語らなかった。
「さ、バイト行こうぜ。彼女が待ってるだろ?」
今、自分が出来る精一杯の笑顔で僕は言った・・・
・・・・・
・・・
・
「ねえ?だから何かあったの?」
彼女の言葉で過去が途切れる。
「え?あ、いや、次は僕の番だね」
「頑張ってね。応援してます」
離れているが、元気が伝わる言葉で彼女は言った。
「ああ。頑張る」
負けずに元気を伝え返す僕。
「あっ、じゃー今日は切るね」
「うん。電話ありがと」
「またね、ヒロくん。おやすみなさい」
「おやすみ」
電話が終わり静寂が僕を責める。
しの・・・本当の事・・・言えなくてごめん
・・・・・
・・・
・
あの時、アイツは自分から女の子を好きになろうとしていた。
だから俺は応援出来るとも思っていたんだ。
なのに・・・
こんな偶然なんてあるのか?
俺が好きになった女は・・・アイツの・・・
俺は何を焦っていた?いや、焦らなくても結果は同じ。
俺達は彼女を好きになってた事は事実なんだから。
・・・今になって、彼女が伝えて来た言葉が響く・・・
『付き合っても、3人の関係は・・・どうか守ってくれますか?』
もしかして彼女は・・・アイツの事も・・・
「なぁー。お前は俺を嫌いになるか?・・・ヒロ」
君が友達から彼女になってくれて数日が過ぎた頃。
俺達は、お互い恋愛の楽しみを知り、喜びを分け合っていた。
でも・・・
彼は少しずつ笑顔を見せなくなったんだ・・・
ま、その気持ちはわからない事もないんだ。俺も辛くなるしな。
と、思っていたのだが。
「お疲れさ~んアキト。じゃあ今日は帰るさ」
いつもと変わらない笑顔で振る舞うヒロ。
「ねぇ~ヒロ。今日は3人でどっか行こうよ?」
「あ~悪いなしよ。それは次の機会にしてくれ。では」
そう言ってアイツは帰って行った。
「う~ん・・・やっぱ気を遣ってくれてるのかな?」
彼女が少し寂しそうな顔をする。
「ま、アイツなりの優しさだと思う。断られても次があるさ」
「・・・そだね」
多分ヒロは告白しない。俺がそうさせてしまったから。
はぁー。何でなんだよ?やりきれない気持ち。
どうせならお前も告白してくれ。
そしてもう1度・・・彼女に決めてもらったら・・・って、バカか俺は。
責任を彼女に押し付けるな
彼女はどんな形にしても俺を選んでくれた。
今を受け止めて、ヒロは俺を責めずに応援してくれる。
だから、これから彼女を幸せにするのが俺の役目だ。
「さ。じゃー何処に行く?」
「ん~今日はね、お腹空いてるから何か食べたかったのだ」
「そっか。ならご飯食べに行こっか」
「うむ」
・・・・・
・・・
・
「じゃ、またね」
・・・本当にこれでよかった?
自分の心に問いかける。
これから彼と付き合って行けば・・・君は離れてくよね?
私はね・・・やっぱ3人が・・・・
♪ぷるるる~ ♪ぷるるる~
さっき切ったばかりなのにまた電話のベルが鳴るって事は・・・
「もしもし~」
「先客いたようだけど、誰だったの?」
やっぱり。電話の主は自称姉でした。
「あ~ごめんね。ちょっと友達から電話が来てたの」
「ふーん。もしかして男?なーんてね」
「うん。男友達」
「ええ!?また何の用事で掛けて来たのよ?」
「・・・告白された」
「えええええ!?で、答えたの?」
「うん。みあ・・・私、か、彼氏ができ・・ちゃ・・・た」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
次の日。
学校はもうすぐ夏休みに入ろうとしていた事もあり、生徒達は浮かれ気味の様子。
「浮かれてるのはあんたも同じでしょ?」
「わ~何よ?朝から」
「だってー。彼氏作るなんて事言ってなかったじゃないの」
「そ・・それはですね。こっちも突然で・・・事故というか自己」
そう、あれは一種の事故。そう、波。波が一気に押し寄せて来たのよ。うん、そう思っておこう。
「しよ?あんた明らかに暑さのせいでおかしくなったわね」
「違います~。だったら姉さんだって彼氏・・」「は?姉さん?」
しまった。確かにみあの言う通り、まだ頭が整理しきれていないのね・・・
「さ、さ~なんの事かしら~」
「ま、いいわ・・・ねぇーしよ」
そう言って彼女は私の横に立ち、耳元でそっと囁いたの。
「よかったね。私も嬉しい」
「みあ・・・うん。ありがと」
怒られるのかと思ってたけど・・・喜んでくれた。
正直、まだ付き合う実感とか覚悟はないけれど
これから時間が解決してくれるだろう。
・・・君の事は心配だけど、まだ繋がってるよ。
だから・・・これからも楽しく過ごそうね。
「で、夏休みは"彼方に行くんでしょ?"」
「え?あ、そうだね。頑張って来るさ」
「じゃ。お土産お願いねー」
「ええ?遊びじゃないもん」
「どうせ遊ぶでしょ?、さー何を買って貰おうかなぁ」
「も~」
・・・そして、夏休みが始まるのです。
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