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Re:member  作者: 五流工房
高校2年編
23/53

Re:member 2nd Summer Days02

さっきまで右手で持っていたコードレス電話を

充電器の上に置いた頃

時計の針は午前0時を指していた。


日付が変わり、新たな1日の始まり・・・

そして、僕達も・・・



~ Re:member 2nd Summer Days02 ~



-他の人を好きになっても友達でいてくれますか-


彼女が僕に伝えたかった言葉

そして、僕が彼女に伝えたかった言葉でもあった。



10分前・・・。


「まだ、返事はしてないの」

「確認だけど、その子が嫌いなのかい?」

「そうじゃないけど・・・きっと、貴方と同じ状況だよ?」

相変わらず僕と似てて・・・まったく、彼女には敵わないや

「だから・・・ヒロくんと、どうしても話したかった」

「大体の状況は理解できた。しのは僕に気を遣ってくれてる?」

「うーん・・・ヒロくんは今でも大切な人だよ」

「それはこっちも同じ。でも・・・」


-変わって行くんだ・・・お互い-


「でも、君が幸せになるのは僕の望みでもある」

「・・・うん、ありがと」

「僕の事は気にしなくていいから、自分に素直になりな」

「ヒロくんは・・・幸せになれそう?」

「さぁどうだろ?でも、しのと話し出来たおかげで前に進めそうだ」

「いい人、見つけたのね?」

「察しのとうりです。でも、僕じゃダメだな・・・きっと」

「そんな事ないって。私にはちゃんと言えたでしょ?」

う・・・しの様の一言で、昔の記憶が甦る。

(君が好きだ・・・付き合ってほしい・・・)

「あ~あ~電波悪くてキコエナ~イ」

僕の動揺混じりの声に彼女は笑った。


「ヒロくんなら大丈夫。私が保証しますよー」

「あ、ありがとう」

「・・・あ。ごめんなさい。もうこんな時間なんだね」

「別にいいって、電話くれてほんと嬉しかったから」

「私も久しぶりにお話し出来てよかった。また掛けてもいい?」

「うん。いつでもいいよ。悩み事あれば相談にも乗るしね」

「ありがと」

「彼氏候補にしっかり返事しなさいね」

「うん・・・・・あっ」

彼女が何か言いかけて途惑っている。

「・・・自分に素直にね」

その言葉で彼女は決心し、最後に僕にこう言ったんだ。

「他の人を好きになっても友達でいてくれますか?」

そんなの、答えは決まっている

「もちろん、僕からお願いしたいくらいさ」



ついさっきまでの出来事を頭の中で整理し、眠りにつく


・・・変わって行くのは僕だけじゃない

・・・彼女も前に進もうとしている

・・・僕も前に進まなくちゃ・・・



それから数日が過ぎたある日の事


日曜のバイトは忙しい。

飲食業界では当たり前の事みたいだけども

体にくる疲労もいつもより多く感じる日なのである。

閉店時刻を30分オーバーし、やっと客が居なくなった時から

バイト仲間の帰宅合戦が幕を開ける・・・


「醤油しまって」 「割り箸ないよ」 「ベルト止めて」 「皿持ってきて」

「ゴミまとめて」 「在庫確認」 「ガス閉めた?」 「ラップかけて」「テーブル拭いて」

「残りのすしはみんなで食べよう」「レジ大丈夫?」 「鍵閉め忘れない?」

「タイムカード押すよ」「店の電気切った?」 「はい、お疲れ様」


一種の祭りのようだが、皆、早く帰宅したい気持ちは理解できる。

だが、バイトは早く終わっても、早く帰りたがらない人達もいる・・・

それが僕達3人。


「まだ時間あるよ~今日は何処行く?」

「コンビニでアイス買いたいんだが」

「なら近くにコンビニあるからそこにしない?」

「「OK」」

アキトとしよの声がハモる

そして僕達はコンビニでアイスを買い、いつものように楽しく会話をしながら過ごした。


ーいい人が見つかればー

もう・・・見つけてるんだ。


「これ美味しいよ」


僕の隣でアイスを食べる彼女。

冷静にしているつもりではあるが、内心はすごくドキドキしている。

楽しそうにしている彼女を横目で観察

その向こう側にも彼女に視線を送る人物があった。

アキトである。

彼もまた僕と同じで彼女を観察していたのだ。

その視線にようやく気づいたようで


「ん?どうしたぁ?そんなにほしいのかい?」


どうやら僕達の視線はアイスに向けられてると勘違いしたみたい

「いや、しよを観てたんだがな」

あまりにもストレートな意見

「僕もそうだよ。しよを観察ってね」

悪ノリで僕もストレートに言ってみた。


「あら~私なんか見てもつまらないよ?」


そう言いつつも、少し照れて視線を下に落とした。

その姿も・・・かわいいと心の中で思った・・・


アイスも食べ終わり、話も区切りをつけ、彼女は家に帰宅して行く。

残された僕とアキトも、家に帰ろうとしていた・・・はずだった。


「この前さ、気になる子の話をしただろ?、覚えてるか?」

「うん、太陽の子だね?」

「ああ、やっぱ俺。その子の事が好きだ」

「そうなんだ、なら告白する気になったとか?」

「・・・そう思ってる」

彼はどうやら覚悟を決めたらしい。

「おお!!すげぇ」

「ヒロは告白しないのか?向日葵の子に」

その言葉に僕は心が揺らぐ・・・

さっきまでいた子にすぐ告白だなんて・・・

「僕は・・・まだ、出来ない・・・」

でも、本当は・・・

「そうなんだ。一緒に告白出来たならよかったのにな」

「一緒に?って今からここにその子を呼び出すのか?」

「あ、いや。呼ばなくともここにはコレがあるだろ?」

そう言って彼が指差した物。それは、公衆電話であった。


「もしかして、電話で告白するん?」

「ああ。だからヒロも、告白できるならしてほしかった」

「なるほど。で、アキトの告白する子って誰?」


この何気ない質問が・・・曖昧だった想いを鮮明にさせる。

そう。僕達の関係の終わり・・・いや、新たな始まりなのかもしれない


「それは・・・”しよ”さ」

「・・・マジ・・・か?」

「ん?・・・マジだ」


アキトが想う太陽の子と僕の想う向日葵の子は"同一人物"

つまり"しよ"だと、この時・・・僕は知ってしまった。


「そ、そ、そうなん・・・だ」

「どうしたんだ?そんなに意外だったのか?」


意外?

そんな言葉じゃない、僕にしてみれば”衝撃”だ


「告白・・・するんだよね?」

「・・・もう決めたしな」


もう、後戻りはしないみたいだ。


「ヒロの告白したい人って誰?」


この状況で言ってしまえば、告白はされずに済むのか?

・・・言えるわけ・・・ないだろ・・・あいつは本気だ

僕も本気だが、今更言ったとしても・・・アキトは・・・


「ま、そのうちな。それより告白するって決めたんだろ?」

「告白はするが、今度ちゃんと教えてくれよな?」

「ああ・・・お前が上手く行けばな・・・」


アキトが公衆電話に向う。

僕は背を向け夜空を見上げる。何故か視界がぼやけて見えた・・・


・・・・・

・・・


きっかけは"海"

無邪気に笑う君の笑顔が、まるで・・・太陽のように眩しかったんだ。

それから数日、俺は少しずつ彼女を意識するようになって行った。

友達としては十分過ぎる程の付き合いはして来ている。

だから、今日告白して・・・関係(友達)が崩れた(白紙になった)としても

俺は後悔したくない・・・そう思っていた。

公衆電話まであと数歩。俺は後ろを振り返る。背を向けたヒロが近くでいるのを確認する。

本当は今日、一緒に告白したかった。

上手く行けば、同時に彼女が出来たかもしれないから。

でも、アイツはまだ先に進めないみたいだ・・・だから・・・

兄として俺は、どうしても"この告白を成功させなければならない"

そして"次はヒロを応援するんだ"


頭の中でどう口説こうか考える・・・よし!

俺は公衆電話に受話器を取り、彼女に電話を掛けた。


「はろ~」

おっと、予想を超える第一声が耳に響いた。

「あ、えーと、その声はしよで間違いないな?」

「ん?そうだよ?さっきぶりだね~しかも初電話おめでとう」

そうだった。

俺はベルではよく連絡するんだけど、直接話すのは今回が初めてだったんだ。

「ああ。ありがとう。時間大丈夫?」

「え?大丈夫だけど~どうしたの?あ、もしかして私に会いたくなったとか?」

「・・・そうだな。でも、真剣な話をしたいんだ。少しだけ"本当の君"でいてくれないか?」


その言葉を聞き入れ、しばし沈黙の時が流れる・・・

「わかった"アキトくん"・・・・・」


俺は彼女に告白をする

「返事は・・・どうしても今な・・の?」

「ああ。すまなが頼む。いや、お願いします」


そして彼女は・・・答えを出す・・・


・・・・・

・・・


アキトとヒロと別れて家に帰った私。


今も君達は家に向かって帰ってるのだと思ってたのだけど

♪ぷるるる~ ♪ぷるるる~

電話のベルが鳴りだした。この時間に掛けてくる相手は大体決まってる。

自称姉(みあ)である。

「はろ~」

「あ、えーと、その声はしよで間違いないな?」

あらら~違ったみたい。電話の主はアキトだったの。

「ん?そうだよ?さっきぶりだね~しかも初電話おめでとう」

「ああ。ありがとう。時間大丈夫?」

「え?大丈夫だけど~どうしたの?あ、もしかして私に会いたくなったとか?」

私は悪ノリでボケてみたのだけど・・・

「・・・そうだな。でも、真剣な話をしたいんだ。少しだけ"本当の君"でいてくれないか?」


さすがにこの声のトーンなら私でも理解出来る・・・

「わかった"アキトくん"どうしたの?」

私も真剣に話を聞こうと思い、ハイテンションを脱ぎ捨てた。


そして、彼は私に告白して来たの・・・


「あの・・さ。本気なんだよ・・ね?冗談では・・」

「本気なんだ。付き合ってくれないか?」


まさかとは思ってたけれど、いや、ほんとはこうなる事は予想していたの。

でもね、ただ私は、みんなと楽しく過ごしていれれば・・・ん?

「ね?そこにヒロいないの?」

「え?・・・ヒロには先に帰ってもらったんだ(悪いヒロ。嘘をついてしまった事は後で謝るな)」

「・・・そぅ・・なの」

ど、どうしよう?告白ってこんな感じで突然なの?しかも電話なの?

なんか頭の中が軽く混乱しているのです・・・

そんな中、彼からの更なる追い打ちが私に迫って来ました。

「返事を今くれないか?」

え?ええぇぇぇぇぇ!?

「返事は・・・どうしても今な・・の?」

「ああ。すまなが頼む。いや、お願いします」


どうしたらいい?

とりあえず落ち着け私。・・・そう。少し冷静に・・・

私は彼の事を考える。

私にとって彼は、いい友達であり自称兄(にいさん)と思い、恋愛の対象とは見ていなくて

これからもこの調子(バランス)で過ごせたら楽しいなって思ってる。


・・・・・・・嘘。


だたの言いわけだよね。

ほんとはこうなる事は予想していたって思ってたって事は

私も"少なからず期待していた"のかもしれない。

でも・・・


それはどっち?

あの胸の揺らぎは誰のモノだったの?

今ここで答えをしてしまって"私達の関係はどうなるの?"


そう考えると・・・急に怖くなってきた。


「あ、あの・・・アキト」

「ん?なんだ?」

「私の事は本気で想ってくれてる・・の?」

「ああ。しよは俺の事を恋愛対象としては見れないか?」


もう1度、頭の中を整理する。

彼といる時は楽しい。自然な感覚でいられる。だから嫌いではないの

そう。嫌いじゃないの・・・ただ・・・どうしても納得するには時間が足りない。

なぜ返事を急がされてるのかも疑問だけど

それよりも私は、1つだけ大切なモノ(関係)を失いたくないから・・・


「お願いがあります。これだけは私も譲れないんで」


私は本気で彼に伝えた事。それは・・・


「付き合っても、3人の関係は・・・どうか守ってくれますか?」


・・・・・

・・・


あれからどれくらいの時間が流れたのか?

たった数分の短い時間も、僕にとっては長く感じていた。

彼はまだ話をしているようだ。


告白が上手く行けば・・・きっと僕達の関係も終わりかな?


そう考えると更に悲しい気分になって来たけど

決してアキトを責めはしない。

だって。僕がただ情けなかっただけなのだから・・・



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