Re:member 2nd hiro's side03
変わりたくない自分と変わりたい自分。揺れ動く心と守りたい気持ち。
止まる事のない時間の中で・・・僕達が描く物語。
『もしかして・・・私、見抜かれてる?』
・・・ほんとは気づいていた
『ね~隣り座るけどいいよね?』
・・・自分が認めたく無かっただけ
『ヒロは日焼けしない方がいいよ』
・・・いや、認めるのが怖かった
『え?・・・あ、ありがと』
・・・僕は彼女に惹かれている・・・
~ Re:member 2nd hiro's side03 ~
彼女は僕とは違う学校である。知り合ったのはバイト先
歳も同じで、明るく面倒見がよい。バイトでは僕が後に入った事もあり
最初はいい先輩として見ていたのだが
最近は”自然な友達”としてお互いが見るようになった。
でも僕は・・・
「よ。お疲れさま」
「お、お疲れさん」
「ん?元気ないね?」
「え?そ、そんな事ないよ」
「そう?」
「ああ。しよが元気あり過ぎなんだって」
明らかに友達として見れなくなっている・・・
バイト先の自転車置き場。
何気ない会話もぎこちない言葉で返してしまっている。
自分では普通に話したいのだけれど、どうも緊張してしまう。
「今日も終わったな」
「アキトお疲れ~」「よ、お疲れアキト」
”僕”と”アキト”と”しよ”
元々、僕とアキトは友達であり、しよとアキトはバイトに入った時期が同じという事から仲良くなった。
そこへ僕が入ってから、大体は3人でいる時間が多くなり、暇を見つけては遊びにも行ったりしていた。
「今日は夜でも暑いよね」
「そうだね」
「じゃ、涼しい場所に行かないか?」
「涼しい場所?」
「それは何処なの?」
僕達の問いにアキトが右手の人差し指で答える
「あそこさ」
アキトが指差す方向、それは近所のゲーセンだった。
そこは、バイト先から歩いても行けるくらいの距離。
「いいね~行こうよ。ヒロも行くでしょ?」
「ああ。別に構わないよ」
「よし、じゃー早速行こう」
徒歩1分。ゲーセンに到着した3人
しばらくクーラーの効いた店内で涼しみ
僕達はレースゲームで勝負する事となったんだ。
左から僕・しよ・アキトの順番で並びレースがスタート
レースは序盤から勝敗が明らかになっていた。
僕とアキトは順調の滑り出しを見せたのだが
しよはお約束の出遅れ・・・なんともおいしい役である。
トップ争いは僕とアキトの2人で競う。
互いに抜きつ抜かれつの攻防が続き、勝負は最終コーナーで決まる。
僕がドリフトで強引にコーナーを曲がろうとした時
アキトが一瞬、ブレーキをかけた。
なんで!?
って思ったが、その意味がすぐにわかった。
僕がドリフトをした時に画面の目の前に1台の車が見えた。
気づいた時には既に遅く、僕はその車とぶつかった。
「わぅ~何か来た」「しまった。ん?しよ?」
そうなのだ。
僕がぶつかった車の主は、周回遅れのおいしい子であった。
「悪いな、ヒロ」
そう僕に言ってアキトは余裕のゴールを決めた・・・
結果
1位アキト
2位ヒロ
3位しよ(ジュースおごり決定)
それからしばらく勝負は続くのだけど、結果は言うまでもないだろう。
「じゃ~またね」「「またね!!」」
彼女と別れて、僕とアキトは一緒に家路に向っていた。
そして話題はこんな話に・・・
「な、ヒロは気になってる人がいるって言ってたよな?」
「あ、あれ?そんな事言ってたっけ?」
僕はとぼけようとしたが
「マジで聞いてるからさ、ちゃんと答えろって」
どうやら避けれそうにないみたいだな・・・
「・・・ああ。いるよ」
僕は真剣な顔をして彼を見た
「その子はどんな感じの人なん?」
「・・・一言で言うならば向日葵かな」
「ひまわり?花の似合う子?」
「いや、いつも明るくて元気いっぱいな感じって意味」
「なるほど」
「でも、なんで急にそんな事を聞くのさ?」
僕の質問にしばらく黙っていたが
「実は、俺も気になる子を見つけたんだ」
突然の事に、僕は半分驚き、半分喜んで
「へぇ。いい人見つかってよかったね」
「ああ、まだ告白出来てないがな・・・」
少し照れが入った口調で彼は言った。
「告白か・・・緊張するよね」
「ヒロは、その子に告白出来そうか?」
「今はまだ出来ないけれど、彼女には、かなり惹かれて行ってる自分がいるんだ」
「そうか。俺も、もう少ししたら告白しようと思ってる」
「アキトの気になる子ってどんな人?」
彼は少し悩んでから
「太陽みたいな子かな」
「太陽か。明るく暖かい人って事?」
「そう、よく分かるなー」
「ま~発想が僕と似てたからね」
「お互い頑張ろうな」「そだね」
その夜。
時計の針は23時を指していた頃
部屋に置いてあるコードレス電話が鳴り出した。
僕は右手に電話を持って通話ボタンを押した・・・
「もしもし」
「あ、あのー。ヒロさんいらっしゃいますか?」
妙に緊張している声、しかも女の子だった。
「ヒロは僕ですが、どちら様でしょうか?」
電話の主が僕と理解できた女の子は
「あぁ。久しぶりだねヒロくん」
・・・ん?この声は聞き覚えのあるような・・・あっ!
「もしかして・・・しの?」
「そう。元気だった?」
「うん、しのも元気かい?」
「元気ですよ。それよりこんな遅くにごめんね」
僕は今の彼女の連絡先はわからない。
しかし、彼女は僕の連絡先を知っていた。
それは・・・もう1つのメモ用紙である。
あの日、僕と彼女が別れてからもう半年以上・・・
今回が初めての電話だったんだ。
「いやいや、気にしないで」
「あれから随分経つね。もっと早く連絡すればよかったかな」
「しのがそれだけ忙しい生活を送ってたって事だよ。もう、そっちの生活には慣れたのかな?」
「うん。大変だったけど、なんとかね」
それから僕と彼女は、昔話や半年間の出来事を話したんだ。
そして・・・
「ヒロくんは、いい人見つかった?」
彼女の問いに僕はどう答えていいか迷ってしまった。
「う~ん・・・しのはどうなんだい?」
同じ質問を彼女に返してしまった・・・
「実は・・・私、告白されたのね」
あまりにもストレートな衝撃事実。
「そ、そうなんだ・・・しのかわいいからね」
動揺しつつも、落ち着いた口調で答えた。
「かわいいって・・・初めて聞くよ?」
「そう?これが今の僕さ」
「少し変わったね」
「そう・・・かもね。でもどこが変わった?」
その事に彼女は少し笑い声で
「素直になれたとこ・・・かな」
「今までは素直じゃなかったような言い方だね」
「あれ?素直ならもっと早く付き合えてたんだけどなぁ」
「う・・・ごめん」
「ははは。こっちもごめん。私がそっちにいれば、きっと今も変わらないままなんだろうね・・・」
「・・・しのが悪いわけではないさ。君には感謝してる」
「え?どうして?」
「しのがいなかったら、僕は人を好きになる喜びを知る事は、きっとなかった・・・」
その言葉に少し黙ってしまった彼女
「少しの時間だったけれど、しのを好きになってよかった」
「・・・ありがと。やっぱヒロくんらしい」
「そう?ところで、告白された話は?」
話が逸れたが、やっと修正された。
「あー・・・転校先で知り合った男の子なんだけどね、なんだか私の事が気になってたらしく、その子に彼氏いないなら僕と付き合って下さいって・・・」
「な、なるほど。それで返事はしたのかな?」
「え?い、いやーだから・・・ね?わかるでしょ?」
・・・さっぱりわからん
「ま~ちょっと落ち着いて」
「う、うん」
しばしの受話器の向こう側が無音になる・・・
「おっけ」
やがて彼女は口を開く・・・
そして。電話を掛けた理由が明らかになる。
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