表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Re:member  作者: 五流工房
高校2年編
20/53

Re:member 2nd Summer Days01

「な、行こうぜ」

「う~ん・・・どうしようかな」

「この時期しかダメなんだからいいだろ?」

「でもな~」

「あ、2人して何を話してるのかなぁ?」

「お、ちょうどいい。3人なら文句ないか?」

「え・・・もしかして誘う気?」

「ほへ?」


というわけで、事情がわからない彼女を無理矢理説得し

僕らが向った場所は・・・”海”


青い空と蒼い海。熱い砂と白い君。

これから始まる3人の夏。

それは小さな心の変化。それは大きな心の乱れ。

今、動き出す・・・それぞれの想い



~ Re:member 2nd Summer Days01 ~



海開きはまだ先だった事もあり、周りに人はおらず

暑い砂と冷たい波は、俺らだけの貸切だ。


「しよ、波にさらわれてきます!!」

なんだかハイテンションで波に向ってダッシュ。


「おいおい、マジでさらわれたらヤバイって」

と、心配しているように見えて、実は必死で"ボート"を膨らませてる俺。


「・・・・・」

ヒロはとりあえず日焼けをしているようだ。


「よっしゃ!ボートの完成」

「・・・浮き輪だけどな」

ヒロが鋭くツッコミを入れてくる。

「いや、ボートだ。ヒロ、手伝ってくれ」

「ん?何をする気?」

「ボートに紐をつけて引っ張るんだよ」

「あ~なるほど。なら最初にしよを乗せていい?」

「ああ、いいよ」

「「おーい、しよ」」

「ん?な~に?って、わぁ・・・」


俺らの呼びかけに答えたまではよかったのだけど

運が良いのか悪いのか、彼女は”波にさらわれた”のであった・・・


「ぶわぁ、びっくりしたぁ」


その光景に

俺もヒロも笑っていた。彼女もそれを見て笑っていたんだ。

しかし・・・水着になったアイツを見ると、なんと言うか・・・女の子なんだと認識する。


「しよ。上、外れてるぞ」

俺は悪戯に嘘を言ってみる

「え?うそ・・・2人共見ないでよ!」

慌てて胸元を確かめる彼女

「って、あるじゃん!バカ」

彼女は恥ずかしそうに怒鳴る

「残念だったなーヒロ」

「残念って・・・(ま~ね←心の声)」

「普通、そこはわざと外すだろうに」

「そ、そんな事するわけないでしょうが!」

「海でのハプニングは男の憧れだよな?ヒロ」

「え?ま・・・そだね」

ヒロは若干照れながら、しよから目を逸らす

「こらヒロ!それマジなやつだからやめて」

「2人共楽しいリアクションで何よりだ」


俺達は今日も"変わらない"・・・

毎日が楽しく過ごせる時間を、もっと増やしたい。

そう思っていた。


・・・・・

・・・


「・・・浮き輪だよね?」

「いや、ボードだって」

「いや。どう見ても浮き輪だよね?」

「いいや、ボートだって」

「いやいや。だって真ん中に穴あいてるでしょ」

「・・・とにかくボードなんだって」

「・・・・・」


目の前にある現実を認めようとしない(アキト)

明らかに現実から目を背けずに断言する(わたし)

考え方という物は様々であります。

ヒロは私らの口論をハニカミながら見ているみたい。

でも視線が合った事にお互い気づき、私はいつものように笑ってあげたの

彼も微笑み返してくれる。そして一言


「さぁ~第2ラウンドだ」

「「絶対浮き輪(ボート)」」


5分後・・・。


「じゃーいくぞ」

「OK。おもいっきり引っ張ってね」

「任せとけって」

「落っこちないようにね」

「さんきゅヒロ」

「しっかり浮き輪にしがみついてろよ」


ようやく浮き輪と認めたアキト

と言う事で、今回の勝負は私の勝ち。


波の上に浮き輪が浮かぶ。その浮き輪と共に揺れてる私。

2人が力いっぱい浮き輪を引っ張る。波の上を浮き輪が滑り出す。

そしてお約束の・・・落ち。


「ぶわっ、なんか楽しい」

「大丈夫?」「大丈夫か?」

私の所に2人が駆け寄り、手を差し出す。

・・・ほんと・・・君達はよく似てるんだね・・・

「平気だよ。ありがとね」

そう言って、私は"両手を広げた"

右手にアキト。左手にヒロ。

繋がれた2人の手は温かく・・・優しかった・・・


「しよも無事だし、次、俺乗っていい?」

「ああ、いいよ」


こうして、しばらく私達は浮き輪で海を楽しんだの

揺れる心を・・・波のせいにして。


・・・・・

・・・


日が少し傾きかけた頃


砂浜に寝っころがり、再び日焼けを再開した僕。

目を閉じて、砂の暑さと風の涼しさを感じながら

1人の時間をしばし堪能していた。


「ヒロは日焼けしない方がいいよ」


その声に反応し、僕は目を開けた。

目の前に彼女が僕の顔を覗くように立っていた。

僕は彼女の姿を見て、なんとも言えない緊張が体に伝わる・・・


-彼女は、僕の心を引き寄せる”何か”を持っている-


「あ、アキトは?」

「ジュース買って来るって」

「そうなんだ」

「今日は楽しかったぁ。誘ってくれてありがとうね」

「いや、無理矢理だったから迷惑かなって思った」

「う~ん、確かに無理矢理だったけど、嫌じゃなかったし」

「そか。こっちこそありがとう」

「うむ、感謝しなさい」

彼女が僕に微笑む

「座ったら?その体勢は疲れるでしょ?」

「そう?じゃあ失礼して」

彼女が僕の横に座ると同時に僕も体を起こした。

「言い忘れてたけどさ」

「な~に?」

「・・・水着似合ってるよ」

「え?・・・あ、ありがと」


あれ?・・・何言ってるんだ僕は・・・

意外な言葉に彼女は驚き、しばらく沈黙が続いた。

アキトはまだ帰って来ないのか?・・・何か話題を・・・あ。


「何で日焼けしない方がいいって言ってくれたのかな?」

「ああ、ヒロは元が白いでしょ?だからこのままがいいよ」

「確かに色白だけどもね。日焼けは似合わない?」

「・・・多分ね」

「なんか酷くない?」

「そうでもないよ」

「「あははは」」


「おーい」

遠くからアキトがジュースを持って走って来ている。


「しよ、走って逃げようか」

「OK、面白そうね」

「さ~行こう!!」


そう言って・・・僕は彼女の手を握った。


「おい、ちょっと待てって」

慌てて走るスピードを上げるアキト

それに合わせてこちらも走るスピードを上げる。

「ヒロって意外と意地悪なんだね?」「今日は特別さ」

「そっかぁ。もっと特別なとこ見たいかも」「え?なんて言った?」

「あは。何でもな~い」


君が見せた元気いっぱいの笑顔・・・

それはまるで・・・"向日葵"のようだった・・・



next → Re:member 2nd hiro's side03

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ