Re:member 2nd Summer Days01
「な、行こうぜ」
「う~ん・・・どうしようかな」
「この時期しかダメなんだからいいだろ?」
「でもな~」
「あ、2人して何を話してるのかなぁ?」
「お、ちょうどいい。3人なら文句ないか?」
「え・・・もしかして誘う気?」
「ほへ?」
というわけで、事情がわからない彼女を無理矢理説得し
僕らが向った場所は・・・”海”
青い空と蒼い海。熱い砂と白い君。
これから始まる3人の夏。
それは小さな心の変化。それは大きな心の乱れ。
今、動き出す・・・それぞれの想い
~ Re:member 2nd Summer Days01 ~
海開きはまだ先だった事もあり、周りに人はおらず
暑い砂と冷たい波は、俺らだけの貸切だ。
「しよ、波にさらわれてきます!!」
なんだかハイテンションで波に向ってダッシュ。
「おいおい、マジでさらわれたらヤバイって」
と、心配しているように見えて、実は必死で"ボート"を膨らませてる俺。
「・・・・・」
ヒロはとりあえず日焼けをしているようだ。
「よっしゃ!ボートの完成」
「・・・浮き輪だけどな」
ヒロが鋭くツッコミを入れてくる。
「いや、ボートだ。ヒロ、手伝ってくれ」
「ん?何をする気?」
「ボートに紐をつけて引っ張るんだよ」
「あ~なるほど。なら最初にしよを乗せていい?」
「ああ、いいよ」
「「おーい、しよ」」
「ん?な~に?って、わぁ・・・」
俺らの呼びかけに答えたまではよかったのだけど
運が良いのか悪いのか、彼女は”波にさらわれた”のであった・・・
「ぶわぁ、びっくりしたぁ」
その光景に
俺もヒロも笑っていた。彼女もそれを見て笑っていたんだ。
しかし・・・水着になったアイツを見ると、なんと言うか・・・女の子なんだと認識する。
「しよ。上、外れてるぞ」
俺は悪戯に嘘を言ってみる
「え?うそ・・・2人共見ないでよ!」
慌てて胸元を確かめる彼女
「って、あるじゃん!バカ」
彼女は恥ずかしそうに怒鳴る
「残念だったなーヒロ」
「残念って・・・(ま~ね←心の声)」
「普通、そこはわざと外すだろうに」
「そ、そんな事するわけないでしょうが!」
「海でのハプニングは男の憧れだよな?ヒロ」
「え?ま・・・そだね」
ヒロは若干照れながら、しよから目を逸らす
「こらヒロ!それマジなやつだからやめて」
「2人共楽しいリアクションで何よりだ」
俺達は今日も"変わらない"・・・
毎日が楽しく過ごせる時間を、もっと増やしたい。
そう思っていた。
・・・・・
・・・
・
「・・・浮き輪だよね?」
「いや、ボードだって」
「いや。どう見ても浮き輪だよね?」
「いいや、ボートだって」
「いやいや。だって真ん中に穴あいてるでしょ」
「・・・とにかくボードなんだって」
「・・・・・」
目の前にある現実を認めようとしない者
明らかに現実から目を背けずに断言する者
考え方という物は様々であります。
ヒロは私らの口論をハニカミながら見ているみたい。
でも視線が合った事にお互い気づき、私はいつものように笑ってあげたの
彼も微笑み返してくれる。そして一言
「さぁ~第2ラウンドだ」
「「絶対浮き輪」」
5分後・・・。
「じゃーいくぞ」
「OK。おもいっきり引っ張ってね」
「任せとけって」
「落っこちないようにね」
「さんきゅヒロ」
「しっかり浮き輪にしがみついてろよ」
ようやく浮き輪と認めたアキト
と言う事で、今回の勝負は私の勝ち。
波の上に浮き輪が浮かぶ。その浮き輪と共に揺れてる私。
2人が力いっぱい浮き輪を引っ張る。波の上を浮き輪が滑り出す。
そしてお約束の・・・落ち。
「ぶわっ、なんか楽しい」
「大丈夫?」「大丈夫か?」
私の所に2人が駆け寄り、手を差し出す。
・・・ほんと・・・君達はよく似てるんだね・・・
「平気だよ。ありがとね」
そう言って、私は"両手を広げた"
右手にアキト。左手にヒロ。
繋がれた2人の手は温かく・・・優しかった・・・
「しよも無事だし、次、俺乗っていい?」
「ああ、いいよ」
こうして、しばらく私達は浮き輪で海を楽しんだの
揺れる心を・・・波のせいにして。
・・・・・
・・・
・
日が少し傾きかけた頃
砂浜に寝っころがり、再び日焼けを再開した僕。
目を閉じて、砂の暑さと風の涼しさを感じながら
1人の時間をしばし堪能していた。
「ヒロは日焼けしない方がいいよ」
その声に反応し、僕は目を開けた。
目の前に彼女が僕の顔を覗くように立っていた。
僕は彼女の姿を見て、なんとも言えない緊張が体に伝わる・・・
-彼女は、僕の心を引き寄せる”何か”を持っている-
「あ、アキトは?」
「ジュース買って来るって」
「そうなんだ」
「今日は楽しかったぁ。誘ってくれてありがとうね」
「いや、無理矢理だったから迷惑かなって思った」
「う~ん、確かに無理矢理だったけど、嫌じゃなかったし」
「そか。こっちこそありがとう」
「うむ、感謝しなさい」
彼女が僕に微笑む
「座ったら?その体勢は疲れるでしょ?」
「そう?じゃあ失礼して」
彼女が僕の横に座ると同時に僕も体を起こした。
「言い忘れてたけどさ」
「な~に?」
「・・・水着似合ってるよ」
「え?・・・あ、ありがと」
あれ?・・・何言ってるんだ僕は・・・
意外な言葉に彼女は驚き、しばらく沈黙が続いた。
アキトはまだ帰って来ないのか?・・・何か話題を・・・あ。
「何で日焼けしない方がいいって言ってくれたのかな?」
「ああ、ヒロは元が白いでしょ?だからこのままがいいよ」
「確かに色白だけどもね。日焼けは似合わない?」
「・・・多分ね」
「なんか酷くない?」
「そうでもないよ」
「「あははは」」
「おーい」
遠くからアキトがジュースを持って走って来ている。
「しよ、走って逃げようか」
「OK、面白そうね」
「さ~行こう!!」
そう言って・・・僕は彼女の手を握った。
「おい、ちょっと待てって」
慌てて走るスピードを上げるアキト
それに合わせてこちらも走るスピードを上げる。
「ヒロって意外と意地悪なんだね?」「今日は特別さ」
「そっかぁ。もっと特別なとこ見たいかも」「え?なんて言った?」
「あは。何でもな~い」
君が見せた元気いっぱいの笑顔・・・
それはまるで・・・"向日葵"のようだった・・・
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