Re:member 2nd akito's side
放課後の部活での事
「ポケットベル?」
「そ、ヒロも持たない?」
「そもそもそれは何?」
「あーこれは・・・」
俺はヒロにポケットベル、通称:ポケベルの説明を熱く語る。
「要するに、これがあれば連絡取りやすいって事だね?」
「そう言う事さ。早速どうよ?」
「あのさ~、もしかして勧誘?」
「いやいや、違う。あれば便利かもよ」
「他に持ってる人いるのかい?」
「あーバイトの仲間はほとんど持ってるな」
「え?そうなんだ」
「あれ?どうした?」
「あ、何でもないって。持つかどうかはしばらく考えるさ」
「そか」
~ Re:member 2nd akito's side ~
数日が過ぎたある日
「なーしよは持ってるだろ?」
「ほへ?あ~ベルね?もちろんさ」
「ならさー番号交換しない?」
「いいよ~」
バイト帰りに彼女にポケベルの番号交換をしたのだけど
「・・・いいのか?今度は本当に貰うよ?」
「うん。アキトなら信用出来るし悪用しないでしょ?」
「まーな。じゃーこっちも」
そう言って、俺も番号を”2つ”書いて渡したんだ。
「アキトも間違ってるよ?」
「俺もしよを信用してるからな」
彼女の勘違いで家の電話番号まで知ってしまった俺。
ま、俺も彼女には電話番号教えたのだけどな。
彼女曰く
『相談事あったら連絡するかも~』
だそうだ。
ま、こちらからは連絡する事はないかな・・・
夜
俺は彼女のポケベルにとりあえず挨拶程度のメッセージを送った
50[646497(これからよろしくな)
しばらくして、彼女からの返信がくる
46490833(よろしくおやすみ)
こうして、彼女はリア友でもありベル友にもなったのである。
・・・・・
・・・
・
時は流れ、季節は夏になろうとしていた・・・
今年はヒロには彼女を作ってほしいと思っていた。
もちろん自分も頑張るけども
とりあえず今はアイツを優先したいと決めたんだ。
「ヒロは彼女は作らないのか?」
「え?あ・・・うん・・・」
「ん?もしかして、あの子と付き合ってたりする?」
「いや・・・正式には付き合うとこまでは行かなかった」
「・・・そか、なら次を探すって手もあるだろ?」
「次?」
「そう。女の子と付き合いたくないのか?」
「相手いないし」
「じゃー気になる子とかは?」
ヒロはしばらく悩んでいたが、少し控えめに答えてくれた。
「・・・いる・・・かも」
なんだ、ちゃんといるなら応援出来る。
「お、興味あるね」
「そういやアキトの彼女は元気?」
おっと話題を変えたな。本人はあまり言いたくなさそうだ。
ま、じっくり行きますか。
「あー。別れたんだ」
「あ、ごめん。ぜんぜん知らなくて」
「別にヒロが謝る必要ないって、次があるさ」
「いい人、見つかればいいね」
「ヒロも頑張れよ」
俺が知る限り、ヒロが自分から女の子を好きになろうとしているのは初めてだ。
彼女の件は俺が用意し、結果、アイツは前に進んだだけ。
だから今回は、是非ともうまく行ってほしい・・・そう願っていた。
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