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Re:member  作者: 五流工房
高校2年編
15/53

Re:member 2nd prologue

みなさんは人生を振り返る事がありますか?

振り返る人生にどれだけの後悔がありますか?

人は必ずと言っていいくらい後悔する出来事がありますよね?

私もその1人・・・いいえ、私達もその1人


ーねぇ?君は今も笑っている?ー



~ Re:member 2nd prologue ~



放課後の教室。

日も傾き、下校の時間になりました。

私は席から立ち上がり教室を出ようとしてた時

入れ違いで教室に男の子が入って来ました。

視線と視線が無意識に合ってしまったので

私は慌てて視線を逸らして、その場から去りました。


背後から感じる眼差しに”気づかない”ようにして



日も沈み、街はすっかり静まり返る時間帯。

「うん。じゃまた学校でね」

こっち(転校先)で出来た友達との電話を終えて

私はあの人の事を思い出していました。


『しの・・・元気でね』


まあ、元気にはしてるんですけどね

私は貴方の方が心配だよ・・・でも


私は机の引出しに手を伸ばす

(ヒロくん)は1人じゃないもんね」

そう呟き、引出しから取り出した

”2つ折りのメモ用紙”を両手でそっと開きました。


・・・・・

・・・


「・・・考え直してはもらえないのか?」

「もう決めた事なの」

「・・・・・そうか」

「じゃ、さよなら、アキト」


約8ヶ月続いた彼女との恋愛が

今日、終わった。

特に喧嘩をした事もなく、俺が浮気したわけでもない。

結論から言えば、彼女の心変わりと言うやつだ。

まぁ、なってしまった事は仕方ないと思う

でもなー、参ったな・・・


「今年はヒロを応援してやろうとしてたのにな」


でも、お互いまた”いい人”探すってのもいいかもな


・・・・・

・・・


「じゃ行ってきま~す」


♪ふふふ~ん

鼻歌を歌いながらバイト先に向ってる私。

心地いい風を全身に浴びながら走る自転車。


季節は巡り高校2年生の春

学園ライフは相変わらずだけど、バイトでは楽しい時間を過ごしていた。

ん?過ごせるようになっていた、の方がいいのかな?

ココの人達はみんないい人。だから私も”素直”になれるんだ。


だから・・・これからも”みんなと仲良く”やって行ける・・・そう思っていた。



バイト先に向う途中

近所の公園で友達を発見したの

私の数少ない男友達。

でもなんか様子が変だなぁ~


「よし。少し元気付けてあげよう」


・・・・・

・・・


-笑顔がとても似合う君へ-


これは僕がメモ用紙に書いたタイトル

やや曇りがちの空を見上げながら

僕は、昔の思い出に浸っていた。

「あ~。もう半年経つんだな・・・」


友達以上恋人未満

そんな呼び方が相応しい”僕”と”しの”

2つ折りのメモ用紙から始まり、2つ折りのメモ用紙で別れを告げた。

以来、僕としのは会う事がない。

お互い不器用で変わり者。

「だから気が合ったのかもしれないな?」

疑問気味な言葉を答えるはずも無い空に投げた。

「あれ?気が合ったっけ?」

ん?

何故に空が答えるんだ??

あ~。とうとう僕も幻聴が聞こえる能力が付いたか。

しかも女の声・・・

「こらこら~。私が質問してるでしょうが」

え?誰かいるのか?

僕は声の位置を確認し、ゆっくり顔を向けた。


「相変わらずだねヒロ、今日もバイトなんだ」

そこにいた人物。

バイト仲間の女の子”しよ”であった。

「い、いつからいた?」

「え~と。正式には今かな」

「そう。ってか、なんでいるのさ?」

「ふふふ。だってこの公園はうちの近所だもん」


そうなのだ。

僕はこの半年、時々ではあるが”思い出の場所”に

立ち寄っては、思い出に浸っていたのだ。


「近所なんだ。よくここに来るのかい?」

「たま~にね。今日は私もバイトだからね、たまたまここを通ったら面白い人発見!!って感じかな。で、なんで気が合ったの?」

いつもの事ながら”元気いっぱい胸いっぱい”の子だ。

「あ、え~と。しよの気配が僕の背中にあったから・・・って無理あるボケだよね?」

「・・・すごい!!」

「へ?何がすごいのですか?」

「だって、見つからないようにそっと近づいたのに、気配でバレるなんて、やるねぇ~君」

「・・・あんた、わざとボケ返してない?」

「ふふっ。なんか寂しそうだったからね」

寂しそうか。確かにそうかもな・・・

「そう?元が寂しい顔つきだから~」

「そう言えば、そうかもね~」

「お、それは失礼ってもんですよ先輩」

「その言い方やめい。歳は同じでしょ。せっかく会ったんだから一緒にバイト行こうよ。ね?」

そう言って、彼女は元気いっぱいの笑顔を見せた。


さっきまで曇りがちの空もすっかり晴れ渡り

太陽が眩しく照り付けていた。



next → Re:member 2nd hiro's side01

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