Re:member 2nd prologue
みなさんは人生を振り返る事がありますか?
振り返る人生にどれだけの後悔がありますか?
人は必ずと言っていいくらい後悔する出来事がありますよね?
私もその1人・・・いいえ、私達もその1人
ーねぇ?君は今も笑っている?ー
~ Re:member 2nd prologue ~
放課後の教室。
日も傾き、下校の時間になりました。
私は席から立ち上がり教室を出ようとしてた時
入れ違いで教室に男の子が入って来ました。
視線と視線が無意識に合ってしまったので
私は慌てて視線を逸らして、その場から去りました。
背後から感じる眼差しに”気づかない”ようにして
日も沈み、街はすっかり静まり返る時間帯。
「うん。じゃまた学校でね」
こっち(転校先)で出来た友達との電話を終えて
私はあの人の事を思い出していました。
『しの・・・元気でね』
まあ、元気にはしてるんですけどね
私は貴方の方が心配だよ・・・でも
私は机の引出しに手を伸ばす
「君は1人じゃないもんね」
そう呟き、引出しから取り出した
”2つ折りのメモ用紙”を両手でそっと開きました。
・・・・・
・・・
・
「・・・考え直してはもらえないのか?」
「もう決めた事なの」
「・・・・・そうか」
「じゃ、さよなら、アキト」
約8ヶ月続いた彼女との恋愛が
今日、終わった。
特に喧嘩をした事もなく、俺が浮気したわけでもない。
結論から言えば、彼女の心変わりと言うやつだ。
まぁ、なってしまった事は仕方ないと思う
でもなー、参ったな・・・
「今年はヒロを応援してやろうとしてたのにな」
でも、お互いまた”いい人”探すってのもいいかもな
・・・・・
・・・
・
「じゃ行ってきま~す」
♪ふふふ~ん
鼻歌を歌いながらバイト先に向ってる私。
心地いい風を全身に浴びながら走る自転車。
季節は巡り高校2年生の春
学園ライフは相変わらずだけど、バイトでは楽しい時間を過ごしていた。
ん?過ごせるようになっていた、の方がいいのかな?
ココの人達はみんないい人。だから私も”素直”になれるんだ。
だから・・・これからも”みんなと仲良く”やって行ける・・・そう思っていた。
バイト先に向う途中
近所の公園で友達を発見したの
私の数少ない男友達。
でもなんか様子が変だなぁ~
「よし。少し元気付けてあげよう」
・・・・・
・・・
・
-笑顔がとても似合う君へ-
これは僕がメモ用紙に書いたタイトル
やや曇りがちの空を見上げながら
僕は、昔の思い出に浸っていた。
「あ~。もう半年経つんだな・・・」
友達以上恋人未満
そんな呼び方が相応しい”僕”と”しの”
2つ折りのメモ用紙から始まり、2つ折りのメモ用紙で別れを告げた。
以来、僕としのは会う事がない。
お互い不器用で変わり者。
「だから気が合ったのかもしれないな?」
疑問気味な言葉を答えるはずも無い空に投げた。
「あれ?気が合ったっけ?」
ん?
何故に空が答えるんだ??
あ~。とうとう僕も幻聴が聞こえる能力が付いたか。
しかも女の声・・・
「こらこら~。私が質問してるでしょうが」
え?誰かいるのか?
僕は声の位置を確認し、ゆっくり顔を向けた。
「相変わらずだねヒロ、今日もバイトなんだ」
そこにいた人物。
バイト仲間の女の子”しよ”であった。
「い、いつからいた?」
「え~と。正式には今かな」
「そう。ってか、なんでいるのさ?」
「ふふふ。だってこの公園はうちの近所だもん」
そうなのだ。
僕はこの半年、時々ではあるが”思い出の場所”に
立ち寄っては、思い出に浸っていたのだ。
「近所なんだ。よくここに来るのかい?」
「たま~にね。今日は私もバイトだからね、たまたまここを通ったら面白い人発見!!って感じかな。で、なんで気が合ったの?」
いつもの事ながら”元気いっぱい胸いっぱい”の子だ。
「あ、え~と。しよの気配が僕の背中にあったから・・・って無理あるボケだよね?」
「・・・すごい!!」
「へ?何がすごいのですか?」
「だって、見つからないようにそっと近づいたのに、気配でバレるなんて、やるねぇ~君」
「・・・あんた、わざとボケ返してない?」
「ふふっ。なんか寂しそうだったからね」
寂しそうか。確かにそうかもな・・・
「そう?元が寂しい顔つきだから~」
「そう言えば、そうかもね~」
「お、それは失礼ってもんですよ先輩」
「その言い方やめい。歳は同じでしょ。せっかく会ったんだから一緒にバイト行こうよ。ね?」
そう言って、彼女は元気いっぱいの笑顔を見せた。
さっきまで曇りがちの空もすっかり晴れ渡り
太陽が眩しく照り付けていた。
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