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(非公開)神書庫の白い本  作者: 空の宙
〜第1章〜記憶のない少女
3/7

2、異世界に入った瞬間死亡フラグばっかなのだが何故だ!

耳の横を風の唸る音が聞こえる。

そんな中、空は閉じていた目を開いてみた。そこに映った光景は、


地面に向かって落ちる自分達だった。


「ってなんでおちてるのぉぉぉ?!」

五月蝿うるさい黙れ」

「いきなり喚かないでください」

「この状況で喚かない方がおかしいと思うなあたしは!」


早々にツッコミを入れられるやかましい空だった。


「いやいや、ていうかここどこ?!」

何処どこぞの異世界じゃね?」

「まあ、何処かの異世界でしょう」

「意外にあっさりと返答がありましたよびっくりだよ!」


そう、此処ここは空達の目から見て、明らかに異世界であった。


地では巨人の様なものが棍棒を振り回しながら走り、海では下半身が魚の様になった世に言う人魚の様なものが船に乗る人間と争いをし、そして今まさに空達の落ちている空中では龍が巨大な体をうねらせながら飛んでいた。


どこをどう見ても空達の知る世界では無かった。


「まあ、あれだよ、一つ言っていい?」

「発言を許可しない」

「断固拒否」

「いやなんで?!今ちゃんと大事なこと言おうとしたよ?!おバカな発言なんてしようとしてないよ?!」

「おバカなお前が言うことは全部おバカなことだといまってるからな」

「酷い理不尽だ!」


空は軽く泣き目になりながら、もう言うからね!、と息を吸い込み


「これこのままいったら落ちて即死トラップだと思うんですけど!」

「まあ、そこは何とかなんだろ」

「何とかなるでしょう」

「何故にそこまで冷静どころか能天気なの?!」


大きく叫んだ悲鳴は二人の他人事な意見により断罪された。そんな二人が、お前バカなの?という目で見てきた。


「そもそも何でそんなわめいてんだ?お前の能力使えば一発だろ」

「そうですよ。というか、今すぐやってさっさと地面について欲しいのですが」


二人がけなすように空に言っている時、空は一人ガクブルと目をそらしながら顔を漂白させていた。そして、気まずそうにボソッと言った。


「・・・・・・・・・えない」

「は?」「え?」


星矢と輝夜が意味不明というように間の抜けた返事を返した瞬間、空は涙目で叫んだ。


「だから!使えないんだってばー!!!」


そして二人は一瞬の間を置き、


「何言ってんのお前?頭のネジがついに全部取れたか?」

「ちょっと病院にでも行った方がいいんじゃないですか?」

「役立たずは死ねみたいに言わないで!」


思いっきりゴミを見るような目で、空を罵倒した。


「いやいや、お前いつもアホみたいにひょいひょい使ってんじゃねーか。いきなり何言ってやがる」

「だから、いきなりそれが出来なくなったから困ってんでしょうが!あとアホは余計だから!」


星矢は本気にしていないかのようにいつものように空をなじった。


二人がまたいつものように茶番会話をしている間、三人とも迫り来る何か・・に気づかなかった。いや、実際には星矢と輝夜は気がついていたが、それが何かまではわかっていなかった。

なので、


ゴッツン!!!


その何かに三人とも激突した。


「いったあぁぁ?!何事?!」


空は当たりどころ悪く尻餅をついた。

星矢と輝夜は当たることがわかっていたので、上手く身をこなして痛くないように着地した。


「おー危ねー危ねー」

「ふう、こんな所でたんこぶとか作りたくないですね」


そして今だに痛がっている空を見て


「何でお前マヌケに尻餅ついてんだ?」

「あたしに二人ほどの危機回避能力はありません!」

「成る程アホですね」


普通であれば出来ないことを出来ていないことを馬鹿にした。そして、そんな空はぶつかった何かを触った。


「てかこれ、地面じゃないよね?まだ雲近いし、何か硬いし、あと・・・何か、温かいし?つか・・・・熱い?」


そう言った瞬間、それは(・・・)雄叫びを上げた。

そしてそれを平然と受け流した星矢は空にそれの正体を言った。


「お前分かんねーの?こいつの正体、」


その瞬間それは体を大きく振り上げて空達を先程より速いスピードで落下させた。


「竜だぜ?普通に考えて」

「いきなり落ちて来てごめんなさいー!」


そしてまた地面に向かって落下を始めた。

だが、先程より落下速度が速く、あと数秒で下に見える森に激突しそうになっていた。


「えちょこれどーすんの?!」

「諦めろ」

「回避不可能と判断します」

「諦めるなぁー!」


そのまま三人は、バサバサバサ!と木の枝と葉を身体中にぶつけながら、


その下にあった湖に派手に水しぶきを立てて落ちた。




暫くその湖は落下の衝撃により波紋を広げていたが、やがてそれが収まってくると空だけ・・・水面に上がってきた。


「うぶぼうがぁー!人生で一番心臓に悪かったわおばかー!死ぬフラグ立ちまくりだったじゃんかー!」


見事にフラグなど回収せずに湖に落ちて来た事に、大声で文句を広い湖に響かせた。


そして叫んだあとになって自分しか落ちて来ていない事に気がついた。


「んあれー?星矢ー?輝夜ー?うぇーあーゆー?」


その瞬間空の上からガサガサと葉の動く音が響いた。

そして、木に登っている星矢と輝夜が服に葉と枝を付けて姿を現した。


「なんだお前、見事に落ちたのかよ。普通掴まれるものあったら捕まるだろ。俺は濡れるのなんか勘弁だしな」

「まあ、どうせ空の知識の乏しすぎる脳では考えられず、実行も何も出来ていないとは思いましたがね」

「綺麗に二人だけ湖に落ちずによくもまあ人を侮辱してくれますなぁ!」


二人は木にぶつかった瞬間、木の枝を掴み、見事に体を木に引っ掛けていたのである。そして空だけ落ちていくのを見学して笑いものにしていたというのは内緒の話である。

そして輝夜は空を無視しながら木の上で考えた。どうやって木から降りるかを。


「この木、この湖のど真ん中に立ってるんですよね。なので、このまま降りたとしても結局空みたいに無様に落ちてしまいますし、」

「無様って言うなー!二人とも落ちろー!」


空は二人に水面に浮かびながらバシャバシャと水を撒き散らして抗議するが、勿論星矢達にはその水しぶきは届かなかった。

そしてそれを華麗にスルーした輝夜は湖に手をかざし、


「まあ、足場が無いなら作ればいいんですがね」


そう言った瞬間、輝夜の手から冷気が発せられ、一瞬にして森の中の広い湖を、スケートリンク上の様な広い氷の地面にしてしまった

湖を氷に変えてしまったという事は、その中の水にもろに使っていた人物の行く末は勿論、


「冷たいわばかー!」


氷漬けになるのが落ちであり、反射的に氷の上に飛び上がり着地した。

だが、泣きっ面に蜂とでも言うべきか、寒くて出てきた水中の外も氷の地面となると体はどうなるか。


「おーのー!」


零度の温度に苦痛が伴うに決まっていた。

そんな空を足元に放っておきながら、輝夜と星矢は木から飛び降りて凍った水面に着地した。そしてなんでもない風に会話した。


「いやー相変わらずお前の能力はすげーな。こんな広い湖を一瞬で凍らせるとか普通は不可能に近いと思うんだがな。流石は『雪女』だな」


星矢がそうおちょくるように言うと輝夜は少し呆れた顔をした。


「そのあだ名、まだあったんですか?別にそこまで冷たいイメージ持ってるイメージないと思うんですけど」

「その無表情フェイスと大和撫子容姿でその能力持っておきながら否定するか」


否定する輝夜に星矢は同じ呆れ顔で返した。


そして二人は凍った空を引きづりながら、岸辺に上がった。

岸には何本も木があり、そのどれもが青々しく茂っていた。

森からは小さな動物達が興味深そうに空達三人を見ていた。

岸に上がり星矢は凍った湖を見た。


「おい輝夜、流石にこのまま凍った状態じゃよくないだろ。鳥とか魚が困るだろーし」

「確かにそうですね。じゃあ元に戻しますか」


そう言い輝夜がまた湖に手をかざすと、あっという間に凍る前の状態に戻った。まるで最初から何も起こってなかったかのように。


星矢はその様子に口笛を吹きながら、岸辺に立つ木の下に腰を下ろし、溜息をついた。そしてその間に空はようやく体温が戻ったようでゼーハーと唸っていた。


「はーはー、し、死ぬかと思ったよ!色んな意味で!」

「何また似たようなこと言ってるんですか?別に何もなかったじゃないですか」

「いやあったよ?!竜にぶつかったり、湖に落ちてビッチョになったり、挙げ句の果てには輝夜ちゃんに氷漬けにされそうになったり!色々あったわ!」

「まーそれはお前がアホだったってことで」

「何でだ?!何でアホで終わるんだ?!」

「終わり良ければすべて良しですよ」

「納得いかないよ・・・!」


色々喚く空は、結局疲れたのか大きく溜息をついた。


「そもそも原因はあのキツネだよねぇ。あれ何だったの?」


空のその疑問に三人は座りながら考えた。


「俺たちが落ちたのはあの地面の大穴が原因だけど、あれがキツネの目の前で開いたのは偶然だったのか、それとも、あのキツネが開けたのかは謎だな」

「もし故意的に開けたのだとすればその理由が分かりませんね。こんな異世界に私達を落として何がしたかったのか。・・・まあ、普通のキツネが異世界との穴を開けるなんて考え難いですけどね」


輝夜の普通のキツネという単語に空は反応した。


「普通のキツネ・・・ねえ。あたし達を誘うような走り方とかよく分かんないなぁ。大体、毛が紫色な感じで何処かのおとぎ話にでも出てきそうな感じだったけど。ほんとにおとぎ話から出てきたとかねー」

「いや、おとぎ話から出てくるってどういう意味だし。意味がわからん」


空は星矢にそう言われ、あははー何だろねー、と笑って言った。

そして輝夜は一つ溜息をつき切り出した。


「まあ、それは今考えても仕方のないことですよ。とりあえず、これからどうするか考えないとですね」

「ま、そりゃそーだな。ここで話してても何もなんねーし」

「それに食べ物が無いと餓死するかもー。それだけは勘弁だよ!」


そう言いながら、空のお腹はぐぅ、と鳴った。その音に辺りはしらけた。

その中で星矢が言った。


「お前・・・腹減ってるのか?朝あんだけ食ったのに?」

「ちょっと燃費悪すぎですね。そんな盛大になるなんて」

「何も言わないで欲しかったよ・・・!」


ううう、と空は涙目になりながら額を木に擦り付けながら言った。


「いやねー、色々あって精神的に疲れるとお腹が空いちゃうんだよしゃーなしなんだよ・・・」

「いや知るかそんなん」

「全くもってどうでもいいですね」

「ひどいでふ・・・」


空が空腹になっているのを無視しながら二人は話を続けた。


「まーとりあえず、こういうので最初にやるイベントといえば村探しだろ」

「まあ、人がいなければ何も分かりませんしね」


そう言う二人に空はちらっと視線を向けながら言った。


「・・・いや、言語通じなかったらどうするの?」

「人間ジェスチャーという意思疎通手段がある!」

「指差しとか手話すれば大丈夫でしよう」

「二人の適当さはあたしのことを言えないと思うんだよねー・・・」


空は呆れた溜息をした後、それよりさぁ、と向こうの方にある木を見ながら言った。


「さっき星矢が言った村探しイベントが却下になりそうな気がするんだけど、二人は何時から気づいてたの?」

「もちろん最初からだ」

その人・・・がそこにいた時からですがなにか?」

「どうせ今気づいたあたしはバカですよーだ・・・」

「何一人で自虐思考にいってんだ」

「ちょっと精神的ライフがすり減ってるんじゃないですかね」

「おうふ・・・」


そう三人は言った後、星矢が向こうの方の木に向かって言った。


「おーい、とりあえず出て来てくんねーかな。話が進まん」

「さっき言った言語問題の方はどうなったの・・・?」

「まあ、私達の会話聞いて驚いていたようですから通じるとみて大丈夫じゃないでしょうか?」

「いやだから、何でそこまで分かるのさ・・・」


星矢にそう言われた木の後ろの人物は、観念して三人の前にオドオドしながら姿を現した。


「え、えと、その、隠れてたりしてごめんなさぃ・・・」


出て来た少年は涙目になりながら小さな声でそう言った。

あんまり話が進んでない気がしますよ・・・

あれれーおっかしいぞぅー?とかとぼけたいですね・・・

ちなみに更新はとても遅いのでご了承ください。ごめんなさい。

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